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2021.10.06

医師からのタスク・シフト、現行制度下で可能な業務例を提示 ー 厚労省



厚生労働省は30日、医師から他の医療関係職種へのタスクシフト/シェアが可能な業務の具体例や推進に向けての留意点について整理し、その内容を都道府県へ通知した。


タスクシフト/シェアが国が推進する理由には、2024年4月以降に医師に長時間労働の上限規制が導入される。日本の医療は医師の長時間労働に支えられており、病院勤務医の約4割が年960時間超え、約1割が年1860時間後での時間外・休日労働となっている。2024年4月以降は医療機関の医療提供体制に応じて、年の上限時間を960時間もしくは、1860時間までとなる。そのため、医師にかかる業務負担を軽減するために、医師以外の医療専門職においても、各々の専門性を活かし、能動的に対応できるようにタスクシフト/シェアが推進される。


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医療職のタスクシフト/シェアにおいては、制度の変更が必要な行為、また、現行制度のもとで対応が可能な行為が議論として整理されてきたが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士においては特に推進する行為として現行制度の下で可能な業務の具体例について、以下が示されていた。

なお、診療報酬等の算定については、従前どおり関係法令を確認するよう求めている。

 

7) 理学療法士

リハビリテーションに関する各種書類の記載・説明・書類交付
リハビリテーションに関する各種書類については、作成責任は医師が負うこととされているものについても、医師が最終的に確認又は署名(電子署名を含む。)することを条件に、理学療法士が書類を記載することや、当該書類について患者等への説明や交付を行うことは可能である。


8) 作業療法士

① リハビリテーションに関する各種書類の記載・説明・書類交付
リハビリテーションに関する各種書類については、作成責任は医師が負うこととされているものについても、医師が最終的に確認又は署名(電子署名を含む。)することを条件に、作業療法士が書類を記載することや、当該書類について患者等への説明や交付を行うことは可能である。

② 作業療法を実施するに当たっての運動、感覚、高次脳機能(認知機能を含む)、ADL等の評価等
作業療法士が、作業療法(ADL・IADL訓練、職業関連活動の訓練、福祉用具の使用等に関する訓練、退院後の住環境への適応訓練、発達障害や高次能障害等に対するリハビリテーション、等)を実施するに当たって、医師との適切な連携の下で、生活状況(ADL、IADL、本人の趣味・興味・関心領域等)や生活上の課題を聴き取り等で把握するとともに、運動、感覚、高次脳機能、ADL、IADL等に関する評価を病院または診療所および医療機関以外の患者の生活の場で行うことも可能である。作業療法士は、その結果を医師に報告する必要があり、その報告の結果に基づく患者の状態の診断については、医師が行う必要がある。


9) 言語聴覚士

① リハビリテーションに関する各種書類の記載・説明・書類交付
リハビリテーションに関する各種書類については、作成責任は医師が負うこととされているものについても、医師が最終的に確認又は署名(電子署名を含む。)することを条件に、言語聴覚士が書類を記載することや、当該書類について患者等への説明や交付を行うことは可能である。

② 侵襲性を伴わない嚥下検査
侵襲性を伴わない嚥下検査については、言語聴覚士も実施可能であり、医師との適切な連携の下で、言語聴覚士が、医療機関内であらかじめ定めたプロトコールに基づき、患者の症状に合わせた適切な嚥下検査を選択・実施し、その結果について、客観的な所見を医師に報告することは可能である。検査結果や当該所見に基づく診断については、医師が行う必要がある。

③ 嚥下訓練・摂食機能療法における患者の嚥下状態等に応じた食物形態等の選択
嚥下訓練・摂食機能療法においては、患者の摂食嚥下機能の改善・悪化に伴い、適時に食物形態を変える必要があるが、医師や関係職種との適切な連携の下で、言語聴覚士が、医療機関内であらかじめ定めたプロトコールに基づき、摂食嚥下機能の改善・悪化等の患者の状態にあわせて、訓練場面における食物形態を適宜選択することは可能である。言語聴覚士は、食物形態を変更した場合は、その結果について医師に報告する必要がある。

④ 高次脳機能障害、失語症、言語発達障害、発達障害等の評価に必要な臨床心理・神経心理学検査種目の実施等
高次脳機能障害(認知症含む)、失語症、言語発達障害、発達障害等の評価に必要な臨床心理・神経心理学検査の種目の選択・実施について、医師との適切な連携の下で、言語聴覚士が、患者の症状を踏まえて、適切な検査を主体的に選択・実施し、その結果について、客観的な所見を医師に報告することは可能である。検査結果や当該所見に基づく診断については、医師が行う必要がある。

引用:(別添資料)現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について(各都道府県知事宛・厚生労働省医政局長通知)(日本理学療法士協会HP)

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