理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が集うリハビリ情報サイト

PT-OT-ST.NET

トピックス

2020.06.19

「自費リハ」はいわゆる「自称リハ」、保険外事業のガイドライン策定を提言|日医総研

現状の整理として「自費リハ」等を含む、公的保険外・医療周辺サービス実態調査の報告書(提言)を日本医師会が経済産業省からの委託を受けて作成、経済産業省に提出した。

報告書では、民間業者自身が呼称する「自費リハビリ」について、いわゆる「自称リハ」と表現。今後の展望と課題として以下のように記載している。

「自称リハ」は、一定の顧客ニーズの下で、事業を展開している。主要顧客である高齢者の増加(需要の増加)と理学療法士・作業療法士の増加(供給の増加)を背景として、今後も市場ポテンシャルが高まると予測される。むしろ、過剰な供給体制が市場を喚起することも予見される。他方、「自費」サービスの展開は利用者の家計等の影響を受けることも考慮しておく必要がある。

「自称リハ」事業者の多くは「自費リハビリ」と称し、プログラム名に疾患名(脳梗塞、心疾患など)を冠しているところがある。介護予防事業等については理学療法士、作業療法士と名乗ることもできるが、「セラビスト」と称しているところもある。利用者にとって、医療なのか、福祉系のサービスなのか、一般的なサービスなのかわかりにくい。リハビリテーションの定義を確認し、名称の見直しを行う必要がある。

「自称リハ」の中には、医師のリハビリテーションへの指示書の提示を推奨しているところや、利用者が医療機関からの紹介で来店するなど、医療と密接に連携しているところもあるが、その対極にあるようなところもある。 「自称リハ」について、医療本体との棲み分けや連携のあり方を明確にし、また質の担保と利用者保護の観点から業界ガイドラインを策定することが求められる。

(令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業調査報告書より引用)


近年、医療行為として行われてきたリハビリテーション(保険でのリハビリ)だけでなく、重症化予防やコンディショニングなど、ポストリハビリテーションの需要が増加している。

また、今般の新型コロナウイルス感染拡大やIT技術の進展などをきっかけに、WEBを活用した遠隔リハビリテーションや遠隔指導が注目されている。

一方で、理学療法士等はどの範囲まで関わることが法的に許されているのか、その曖昧な線引が取組みの足枷となっているとの声もある。

今回、日医総研がまとめた報告書は、背景や法的根拠の整理されており、既に保険外でのリハビリテーションに携わっている方や、今後、保険外でのリハビリテーションに携わることを検討している方には有益である。また、これからの保険外におけるリハビリテーションの取り扱いについて、医師会としてのスタンスも伺える興味深い資料となっている。

引用:令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(公的保険外・医療周辺サービス実態調査)調査報告書(経済産業省HP)

関連タグ
自費 経済産業省 保険外 リハニュース
PT-OT-ST.NET:LINE公式アカウント「最新ニュースをLINEでお届け」友達追加

この記事が気に入ったらいいね!しよう

もっと見る 省略する

情報提供

ページ上部へ戻る