日本医療機能評価機構は9月29日、「医療事故情報収集等事業」の第62回報告書を公開。個別のテーマとして「リハビリテーションを受けている患者に関連した事例」について、専門分析班の議論とともに分析内容が示された。
リハビリテーションは様々な疾患を対象としており、患者の状態も多様である。また、医師や看護師など多職種と連携してリハビリテーションを実施することから、安全かつ適切に実施するために、職種間や部署間の情報共有も重要となる。
同報告書では、事例の内容として、点滴台を把持した状態での歩行訓練時の転倒、アイシング後の凍傷、フィーディングチューブの自己抜去などが要因や改善策とともに紹介されている。
また、実施中以外の事例として、リハビリテーションを終えて患者の送迎時に転倒、患者間違え、休憩中に患者が立ち上がり転倒、リハビリテーションを終えた後に酸素の残量がなくなっていた事例等も報告されている。
リハビリテーションに従事する者として、所属する病院や施設、部署における安全管理、防止対策を講じるための自己分析にも参考となる資料となっている。
「医療事故情報収集等事業」は、情報集約により作成された報告書や医療安全情報を
ホームページにて公開。 自施設で起きた医療事故の類似事例を閲覧し、他施設ではどのような改善策を立てているか参考にすることができる。
次回の第63回報告書では、報告が多かった事例や事故防止のために共有が必要と考えられる事例を中心に取り上げて、さらに詳細な分析を行うこととしている。
参考:医療事故情報事業(公益財団法人日本医療機能評価機構HP)
引用:医療事故情報収集等事業 第62回報告書