理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が集うリハビリ情報サイト

PT-OT-ST.NET

トピックス

2023.03.29

【書籍】「オーバーヘッドスポーツの肩関節疾患治療の科学的基礎」発刊

オーバーヘッドアスリートのリハビリテーションに有用な情報について、文献を網羅的に収集し、基礎実験の結果も含めて整理した書籍「オーバーヘッドスポーツの肩関節疾患治療の科学的基礎」が発刊した。

肩関節に高い負荷がかかるスポーツである、野球、バレーボール、テニス、水泳などの競技は、繰り返しの動作や高負荷によって肩関節に様々な障害が生じることがある。

同書は、投球パフォーマンスを低下させる肩関節機能障害(第1章)に始まり、関節唇損傷、腱板損傷、筋腱・関節包・神経筋障害・血行障害など、オーバーヘッドスポーツで損傷する頻度が高い部位について診断・評価からリハビリテーションの選択・治療成績などについて、各領域の専門家が研究結果を引用して解説している。

著者の先生方には「スポーツ理学療法セミナー」でご発表いただいた内容をベースとしつつ、肩関節疾患の治療に必要な文献を収集し、基礎実験の結果も含めて整理していただきました。

投球障害肩に関する診断技術については、特殊検査の妥当性検証、MRI と関節鏡による視覚化などで著しく進化して参りました。そして再生医療や各種修復技術の進歩によって、数年で常識が覆るほどの速度で治療法が進化して参りました。

一方、コメディカルの貢献もめざましく、運動連鎖を基板とした投球フォームの理解が進み、円滑な運動連鎖を再構築するための機能的治療が大きく進化して参りました。

本書では、基礎から投球動作修正に関わる運動連鎖までをカバーしており、投球障害肩の治療や予防に取り組む医療者やトレーナーの必携の書となるものと考えております。

(蒲田 和芳氏 巻頭言より一部抜粋)


各項の“まとめ”では、網羅的に行われたレビューに基づき、すでに真実として承認されていること、議論の余地はあるが今後の重要な研究テーマであること、真実と思われていたが実は疑わしいことを整理。基礎から実践までを引用文献などの情報を結びつけながら学ぶことができる一冊となっている。

スポーツ障害、特にオーバーヘッドスポーツに携わる機会の多い方、興味がある方には実践に役立つ一冊である同書を是非、手にとってみていただきたい。


【書籍概要】

■タイトル:オーバーヘッドスポーツの肩関節疾患治療の科学的基礎
■監修:金岡 恒治 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
    小林 匠  北海道千歳リハビリテーション大学 健康科学部 リハビリテーション学科 教授
    蒲田 和芳 株式会社GLAB 代表取締役 
■発行元:株式会社ともあ
■発行日:2023年2月28日発行
■販売価格:4,950円(本体4,500円+税10%)
■判型・ページ数:B5判・220P
■ISBN:978-4-910393-69-8

監修:
金岡 恒治 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
小林 匠  北海道千歳リハビリテーション大学 健康科学部 リハビリテーション学科 教授
蒲田 和芳 株式会社GLAB 代表取締役

■目次
第1章
投球パフォーマンスを低下させる肩関節機能障害
1-1 投球動作のバイオメカニクスとフォーム矯正
1-2 肩甲上腕関節のバイオメカニクス(上腕骨頭migrationと求心性破綻)
1-3 可動域制限
1-4 肩甲胸郭関節のバイオメカニクス( 肩甲骨運動異常)
1-5 筋機能障害

第2章
関節唇損傷
2-1 疾患概念(定義、疫学、病因病態、診断)
2-2 保存療法(適応、リハプログラム、治療成績)
2-3 観血的治療 (適応、術前・術後リハ、治療成績)

第3章
腱板損傷
3-1 疾患概念(定義、疫学、病因)
3-2 観血的治療(適応、術前リハ、術式、術後リハ、治療成績、再発率)
3-3 保存療法(適応、プログラム、治療成績)

第4章
筋腱・滑液包・神経障害・血行障害
4-1 肩甲上腕関節
4-2 肩甲胸郭:前鋸筋、菱形筋、肩甲挙筋、僧帽筋(肉離れ含む)
4-3 神経障害・血行障害


第5章
骨軟骨障害
5-1 関節軟骨病変
5-2 上腕骨近位骨端線損傷
5-3 疲労骨折(投球骨折・肩甲骨疲労骨折)
5-4 骨変形(Bennett病変)

第6章 身体機能評価に基づく運動連鎖を重視した投球障害肩の治療法



関連タグ
書籍ピックアップ オーバーヘッドスポーツ 肩関節疾患
PT-OT-ST.NET:LINE公式アカウント「最新ニュースをLINEでお届け」友達追加

この記事が気に入ったらいいね!しよう

もっと見る 省略する

情報提供

ページ上部へ戻る