1. 30分以上の場合 185点
  2. 30分未満の場合 130点(新設)
改定ポイント!
平成30年診療報酬改定にて摂食機能療法における「30分未満」区分の新設されました。 

注1 1については、摂食機能障害を有する患者に対して、1月に4回に限り算定する。ただし、治療開始日から起算して3月以内の患者については、1日につき算定できる。

注2 2については、脳卒中の患者であって、摂食機能障害を有するものに対して、脳卒中の発症から14日以内に限り、1日につき算定できる。

注3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、鼻腔栄養を実施している患者又は胃瘻を造設している患者に対して実施した場合は、治療開始日から起算して6月を限度として、当該基準に掲げる区分に従い、次に掲げる点数を所定点数に加算する。

 イ 経口摂取回復促進加算1  185点
 ロ 経口摂取回復促進加算2   20点

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について

  1. 摂食機能療法は、摂食機能障害を有する患者に対して、個々の患者の症状に対応した診療計画書に基づき、医師又は歯科医師若しくは医師又は歯科医師の指示の下に言語聴覚士、看護師、准看護師、歯科衛生士、理学療法士又は作業療法士が1回につき30分以上訓練指導を行った場合に限り算定する。なお、摂食機能障害者とは、以下のいずれかに該当する患者をいう。

    ア 発達遅滞、顎切除及び舌切除の手術又は脳卒中脳血管疾患等による後遺症により摂食機能に障害があるもの
    イ 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影によって他覚的に嚥下機能の低下が確認できるものであって、医学的に摂食機能療法の有効性が期待できるもの

  2. 摂食機能療法の実施に当たっては、実施計画を作成し、医師は定期的な摂食機能検査をもとに、その効果判定を行う必要がある。なお、治療開始日並びに毎回の訓練内容、訓練の開始時間及び終了時間及び治療開始日を診療録に記載すること。

  3. 摂食機能療法を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に疾患名及び当該疾患に係る摂食機能療法の治療開始日を記載すること。

  4. 医師又は歯科医師の指示の下に言語聴覚士、看護師、准看護師又は歯科衛生士が行う嚥下訓練は、摂食機能療法として算定できる。

  5. 「2」については、脳卒中の発症後14日以内の患者に対し、15分以上の摂食機能療法を行った場合に算定できる。なお、脳卒中の発症後14日以内の患者であっても、30分以上の摂食機能療法を行った場合には「1」を算定できる。

  6. 「注2」に掲げる経口摂取回復促進加算1又は2は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において、鼻腔栄養を実施している患者(経口摂取回復促進加算1を算定する場合に限る。)又は胃瘻を造設している患者に対して、摂食機能療法を実施した場合に、いずれか一方に限り算定できる。

  7. 「注2」に掲げる経口摂取回復促進加算1又は2を算定する場合は、当該患者に対し、月に1回以上、内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施し、当該検査結果を踏まえて、当該患者にリハビリテーションを提供する医師、歯科医師、言語聴覚士、看護師、准看護師、歯科衛生士、理学療法士又は作業療法士を含む多職種によるカンファレンスを月に1回以上行うこと。内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影の結果及びカンファレンスの結果の要点を診療録に記載すること。また、カンファレンスの結果に基づき、リハビリテーション計画の見直し及び嚥下調整食の見直し(嚥下機能の観点から適切と考えられる食事形態に見直すことや量の調整を行うことを含む。)を行うとともに、それらの内容を患者又は家族等に対し、要点を診療録に記載すること。なお、内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施した日付及びカンファレンスを実施した日付を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

  8. 「注2」に掲げる経口摂取回復促進加算1又は2を算定する場合は、当該患者のリハビリテーションの効果や進捗状況を確認し、診療録に記載すること。

  9. 当該患者の転院時又は退院時には、患者又はその家族等に対して、嚥下機能の状態の説明並びに誤嚥予防のための食事内容及び摂食方法の指導を行うとともに、転院後又は退院後のリハビリテーションを担う他の保険医療機関等の医師及びその他職種に対して、患者の嚥下機能の状態並びに患者又は家族等への説明及び指導の内容について情報提供を行うこと。

  10. 「注2」に掲げる経口摂取回復促進加算1又は2を算定する月においては、区分番号「D298-2」内視鏡下嚥下機能検査又は区分番号「E003」造影剤注入手技の「7」嚥下造影は別に算定できない。ただし、胃瘻造設の適否を判断するために事前に内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を行った場合は、行った日付及び胃瘻造設術を実施した日付を診療報酬明細書の摘要欄に記載したうえで、別に算定できる。

厚生労働省: III-1 通知その02-2 [4,600KB]

第45の2 経口摂取回復促進加算に関する施設基準

経口摂取回復促進加算1に関する施設基準

  1. 当該保険医療機関において、摂食機能療法に専従の常勤言語聴覚士が1名以上勤務していること。当該専従の言語聴覚士は、ADL維持向上等体制加算、回復期リハビリテーション病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料を算定している病棟の配置従事者と兼任はできないが、摂食機能療法を実施しない時間帯において、脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、集団コミュニケーション療法、がん患者リハビリテーション、障害児(者)リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションに従事することは差し支えない。また、前月の摂食機能療法の実施回数が30回未満である場合に限り、第7部リハビリテーション第1節の各項目のうち専従の常勤言語聴覚士を求める別の項目について、兼任は可能であること。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週24時間以上の勤務を行っている専従の非常勤言語療法士を2名以上組み合わせることにより、常勤言語聴覚士の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤言語聴覚士が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる。
  2. 以下のいずれかに該当する患者の数が合わせて年間2名以上であること
     ア 新たに他の保険医療機関等から紹介された患者で、胃瘻を造設している患者
     イ 当該保険医療機関で新たに胃瘻を造設した患者

  3. 経口摂取以外の栄養法を行っている患者であって、以下のいずれかに該当する患者(転院又は退院した患者を含む。)の合計数の3割5分以上について、鼻腔栄養を導入した日又は胃瘻を造設した日から起算して1年以内に栄養方法が経口摂取のみである状態へ回復させていること。
    ア 他の保険医療機関等から紹介された患者で、かつ、鼻腔栄養を実施している者又は胃瘻を造設している者であって、当該保険医療機関において摂食機能療法を実施した患者
    イ 当該保険医療機関で新たに鼻腔栄養を導入した患者又は胃瘻を造設した患者

  4. 以下のいずれかに該当する患者は、3.の合計数には含まないものとする。ただし、エからカまでに該当する患者は、摂食機能療法を当該保険医療機関で算定した場合であって、胃瘻造設した日から1年を経過していない場合は、3.の合計数に含むものとする。
    ア 鼻腔栄養を導入した日又は胃瘻を造設した日から起算して1年以内に死亡した患者(栄養方法が経口摂取のみの状態に回復した患者を除く。)
    イ 鼻腔栄養を導入した日又は胃瘻を造設した日から起算して1か月以内に栄養方法が経
    口 摂取のみである状態へ回復した患者
    ウ 3. アに該当する患者であって、当該保険医療機関に紹介された時点で、鼻腔栄養を導入した日又は胃瘻を造設した日から起算して1年以上が経過している患者
    エ 消化器疾患等の患者であって、減圧ドレナージ目的で胃瘻造設を行う患者
    オ 炎症性腸疾患の患者であって、成分栄養剤の経路として胃瘻造設が必要な患者
    カ 食道、胃噴門部の狭窄、食道穿孔等の食道や胃噴門部の疾患によって胃瘻造設が必要な患者

  5. リハビリテーションに関する記録(医師の指示、実施時間、訓練内容、担当者等)は患者ごとに一元的に保管され、常に医療従事者により閲覧が可能であること。
  6. 3.のア又はイのいずれかに該当する患者(転院又は退院した患者を含む。)((4)のアからカまでのいずれかに該当する患者を含む。)について、氏名、鼻腔栄養導入・胃瘻造設・紹介等の日時、経口摂取への回復の状態等を一元的に記録しており、常に医療従事者により閲覧が可能であること。また、当該患者の記録については、鼻腔栄養導入、胃瘻造設、又は他の保険医療機関から紹介された日を起算日として、少なくとも5年間は保管していること。なお、「経口摂取への回復の状態」は、鼻腔栄養を導入した日又は胃瘻を造設した日から起算して1年後の状態又は経口摂取に回復した年月日について、患者ごとに記録してあれば足りるものとする。

  7. 3.のア又はイのいずれかに該当する患者(転院又は退院した患者を含む。)(4.のアからカまでのいずれかに該当する患者を除く。)について、鼻腔栄養を導入した日又は胃瘻を造設した日から起算して1年以内に栄養方法が経口摂取のみである状態へ回復した割合を毎年地方厚生(支)局長に報告していること。

  8. 3.の栄養方法が経口摂取のみである状態とは、以下の状態をいう。
    ア 鼻腔栄養の患者にあっては、経鼻経管を抜去した上で、1か月以上にわたって栄養方法が経口摂取のみである状態
    イ 胃瘻の患者にあっては、胃瘻抜去術又は胃瘻閉鎖術を実施しており、かつ、1か月以上にわたって栄養方法が経口摂取のみである状態

  9. 栄養方法が経口摂取である状態に回復した日とは、鼻腔栄養の患者にあっては、経鼻経管を抜去した日、胃瘻の患者にあっては、胃瘻抜去術又は胃瘻閉鎖術を実施した日とする。ただし、8.の条件を満たすこと。

経口摂取回復促進加算2に関する施設基準

  1. 当該保険医療機関において、摂食機能療法に専従の常勤言語聴覚士が1名以上勤務していること。当該専従の常勤言語聴覚士は、ADL維持向上等体制加算、回復期リハビリテーション病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料を算定している病棟の配置従事者と兼任はできないが、摂食機能療法を実施しない時間帯において、脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、集団コミュニケーション療法、がん患者リハビリテーション、障害児(者)リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションに従事することは差し支えない。また、前月の摂食機能療法の実施回数が30回未満である場合に限り、第7部リハビリテーション第1節の各項目のうち専従の常勤言語聴覚士を求める別の項目について、兼任は可能である。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週24時間以上の勤務を行っている専従の非常勤言語療法士を2名以上組み合わせることにより、常勤言語聴覚士の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤言語聴覚士が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる。

  2. 4月前までの3か月間に当該保険医療機関で摂食機能療法を開始した入院患者(転院及び退院した者を含む。)で、摂食機能療法の開始時に胃瘻を有し、胃瘻の造設後摂食機能療法開始までの間又は摂食機能療法開始前1か月以上の間経口摂取を行っていなかったもの(以下に掲げるものを除き、10例以上の場合に限る。)の3割以上について、摂食機能療法を開始した日から起算して3月以内に栄養方法が経口摂取のみである状態(内服薬及び水分を不定期に経口摂取以外の方法で摂取する状態を含む。)へ回復させていること。
    ア摂食機能療法を開始した日から起算して3月以内に死亡した患者(栄養方法が経口摂取のみの状態に回復した患者を除く。)

    イ消化器疾患等の患者であって、減圧ドレナージ目的で胃瘻造設を行った患者
    ウ炎症性腸疾患の患者であって、成分栄養剤の経路として胃瘻造設が必要であった患者エ食道、胃噴門部の狭窄、食道穿孔等の食道や胃噴門部の疾患によって胃瘻造設が必要であった患者

  3. リハビリテーションに関する記録(医師の指示、実施時間、訓練内容、担当者等)は患者ごとに一元的に保管され、常に医療従事者により閲覧が可能であること。

  4. 摂食機能療法を開始した入院患者(転院及び退院した者を含む。)について、氏名、胃瘻造設・紹介等の日時、経口摂取への回復の状態等を一元的に記録しており、常に医療従事者により閲覧が可能であること。また、当該患者の記録については、摂食機能療法の開始日から起算して、少なくとも5年間は保管していること。なお、「経口摂取への回復の状態」は、摂食機能療法を開始した日から起算して3月後の状態又は栄養方法が経口摂取のみである状態に回復した年月日について、患者ごとに記録してあれば足りるものとする。

届出に関する事項

  1. 経口摂取回復促進加算1の施設基準に係る届出は、別添2の様式43の4及び43の5を用いること。経口摂取回復促進加算2の施設基準に係る届出は、別添2の様式43の6を用いること。
  2. 当該治療に従事する言語聴覚士その他の従事者の氏名、勤務の態様(常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任の別)等を別添2の様式44の2を用いて提出すること。

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)
平成30年3月5日 保医発0305第3号 [12,354KB]