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2018.11.10

大多数ではなく個人に注目 選択肢が広がる『041 FASHION』とは


「障害攻略課プロジェクト」が進めている『041FASHION』は、ひとりを起点に新しいファッションを作るという取り組みである。「041」というのは、「ALL FOR ONE」という文字を数字化しているのが面白い。㈱ユナイテッドアローズと連携して、インクルーシブな服を開発している。

私自身、車椅子ユーザーだが、既存の服がなかなか合わなかったり、自分の身体に麻痺している部分があると、着脱が難しかったりすることが多い。なぜなら、脊髄損傷の胸椎5番の完全損傷なだけに、腹筋・背筋が効かない。車椅子に座りながら着脱するのではなく、ベッドへ横になって服を着ることがほとんどである。

障害レベルは、人によって様々だから、余計に既存の服だと難しくなる。それを個人に合わせて考えて開発した「041FASHION」の取り組みは興味深い。




ラインナップされた商品はいずれも1人の障害当事者にスポットを当てて、どうやったら着脱がしやすいのか、着心地がいいのかなどを決めた上で、開発された夢のような企画である。

しかも1人の障害当事者とはいえ、商品そのものはクラウドファンディング型受注生産商品になっており、一定数の注文が集まったら製造に着手するものである。逆に言えば、一定数の注文が集まらなかったら、製造されないため、ある意味、ものすごい挑戦である。

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こういった商品は、一見すると障害者だけが使いやすいようにも思えるが、ユニバーサルデザイン的な観点から考えると、一般の方々にとっても着脱が便利だったりするのかもしれない。

今回、障害当事者のモデルになった女性は、車椅子ユーザーとしてスカートを穿くことは諦めていたようだ。着脱の難しさだけでなく、褥瘡の心配もあるからだ。このプロジェクトを通して、諦めていた人に大きな光が差したのかもしれない。私自身が障害者だからその気持ちがよく分かる。私の場合、24歳のときにスクーターのもらい事故に遭い、それ以降22年間車椅子生活をしている中で、学生のときに穿いていたようなジーンズは、一度も着用していない。でも褥瘡の心配もないジーンズが誕生すれば、ぜひともおしゃれに着こなしてみたい気がする。

そういった思いは、障害者になってから諦めるのが当たり前になっていたのかもしれない。今回の「041FASHION」のような取り組みが広がっていくことで、障害者にも選択肢が与えられて、自分自身の意志で選べるようになる。「障害者だから○○しかない」ではなく、「障害者でも〇〇も△△も選べる」になることが生活しやすい社会になるだろう。

この記事を書いた人

白倉栄一

バリアフリースタイル代表

1972年千葉県生まれ。1995年イオンリテール(株)入社。 1年後の24歳で交通事故に遭い、一生車椅子生活の宣告を受ける。仕事の傍ら、2005年から車椅子利用者向けの情報ブログを作り、1000件以上のバリアフリースポットを調査。2016年には念願だった日本1周を果たす。同社を退社後、2017年8月に「バリアフリースタイル」を起業。車椅子でも利用できる環境を創っていくための活動を開始。長年のバリアフリー調査の実績と店舗における従業員満足・お客さま満足に取り組んだ経験を活かしながら、小売・飲食・宿泊施設のバリアフリー化を進めている。



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