日本地域理学療法学会は、要介護高齢者に対する地域理学療法の評価の標準化と質の向上を目的に、「コアアウトカムセット活用マニュアル」を作成、学会ホームページで公開した。
同学会は、「要介護高齢者に対する地域理学療法のコアアウトカムセット」について令和6年6月にパブリックコメントを募集。活用方法や結果の解釈を知りたいという声に応えて、活用マニュアルが作成された。
活用マニュアルでは、評価指標の概要・評価方法・得点の意味(カットオフ等)・変化の解釈の項目に分けて説明がされており、非常にわかりやすい作りになっている。
マニュアルの冒頭では、コアアウトカムセットの目的・適用範囲・使用方法に加え、用語の説明も掲載されている。
たとえば「感度・特異度」「最小可検変化量(MDC)」「最小臨床的重要差(MCID)」など、初学者には難解になりがちな用語も丁寧に解説されており、幅広い層の理学療法士にとって活用しやすい構成となっている。
また、本マニュアルは、コアアウトカムセットに含まれる各評価指標について、日常臨床での活用を前提に設計されており、評価方法の確認や結果の解釈、対象者へのフィードバックにも利用できる。
評価の“標準化”だけでなく、“現場での活用”まで見据えた内容は、臨床の質向上にもつながると期待される「活用マニュアル」は、同学会ホームページにて閲覧、ダウンロードが可能となっている。
本マニュアルの広範な活用を通じて、地域理学療法における評価の標準化と質の向上が進むことが期待される。
引用・参考
■ 要介護高齢者に対する地域理学療法のコアアウトカムセット(日本地域理学療法学会HP)
■ コアアウトカムセット活用マニュアル (PDF)