日本理学療法士協会は7月17日、「理学療法の日」に創立60周年を記念してPR動画を公開しました。
2025年、公益社団法人日本理学療法士協会は創立60周年を迎えました。これを記念し、国民に理学療法士の魅力や社会的役割を広く知ってもらうことを目的として、全5本のPR動画が制作・公開されています。
今回の動画のテーマは、「その一歩に寄り添う、理学療法のチカラ」。
脳卒中・変形性膝関節症・スポーツ・フレイルといったさまざまな分野を取り上げ、理学療法士が単に身体機能の改善だけでなく、食事や社会参加、生活の質の向上をサポートするなど、幅広い役割を果たしていることが伝えられています。
現場の声と、当事者の想いを届ける
各動画では、リハビリテーションを経験した当事者の方々へのインタビューを通じて、理学療法士との関わりや支援への感謝の声がリアルに語られています。
スポーツ編では、スケートクロス競技で日本代表に選出された遠藤大樹さんが登場し、怪我からの復帰という厳しい状況のなかで、理学療法士の支えを受けながら再び競技の場に戻るまでの歩みが、力強い言葉とともに紹介されています。
また、脳卒中を発症した当事者の方へのインタビューでは、発症後の混乱や不安、そして社会復帰を目指すリハビリテーションの日々が率直に語られています。動画では、理学療法士がただ“訓練を指導する人”ではなく、「その人自身が自ら人生を取り戻す伴走者」として在る姿が映し出されています。
理学療法士は、生活に“希望の一歩”を添える存在
動画では、変形性膝関節症やフレイルといった高齢期の課題に対しても、“運動”という枠を超え、その人がその人らしく生きるための環境づくり、社会とのつながりの支援といった多面的な関わりが描かれています。
理学療法士は、「もう一度、自分らしい生活を取り戻したい」という思いに寄り添い、日々の小さな一歩を支える専門職です。今回の動画では、そうした理学療法士の姿が丁寧に描かれており、当事者の言葉と共に、理学療法士の存在意義を感じるメッセージが届けられています。
“これから”の理学療法
ダイジェスト版では、「理学療法士はこれからの社会の変化をとらえ、国民の生きがいを支えるために一人ひとりの力を重ね、人と社会の健康づくりに貢献します。誰かの一歩を支え、その一歩が笑顔をつくる。私たちはあなたと共に歩みます」とのメッセージが込められています。
理学療法士がこれからの社会で果たす役割として、地域や職場、スポーツや高齢者福祉などあらゆる場面で“人の生き方”に関わる専門職として、さらなる活動の発展が求められています。
国民向けに制作されていますが、理学療法士自身にとっても「なぜこの仕事を選んだのか」「何を大切にしているのか」といった原点を、あらためて思い返すきっかけになるかもしれません。
引用・参考
▪️PR動画「その一歩に寄り添う、理学療法のチカラ」が公開されました(日本理学療法士協会HP)
▪️創立60周年記念事業PR動画ダイジェスト版(日本理学療法士協会 公式YouTube)