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2026.01.26

【介護報酬改定】訪問リハビリも処遇改善加算の対象に、PT・OT・STの給与改善へ ー 令和8年度・期中改定



昨年12月に報じた介護報酬の期中改定について、1月16日の社会保障審議会介護給付費分科会(第253回)で答申されました。改定率は+2.03%で、施行は本年6月からとなります。

本記事では、特に訪問リハビリテーション分野に焦点を当て、改定の詳細と現場への影響について解説します。




訪問リハビリに初めて処遇改善加算を新設、PT・OT・STの給与改善が実現

今回の改定で最も注目すべき点は、処遇改善加算の対象が「介護職員」から「介護従事者」へと拡大されたことです。

これにより、訪問リハビリテーションに従事する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も、初めて「処遇改善加算」の対象となりました。

訪問リハビリテーション(および介護予防訪問リハビリテーション)には、以下の加算率が設定されています。

● 加算率:1.5%
● 算定要件: キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱおよび職場環境等要件、または令和8年度特例要件のいずれか



同様に、訪問看護には1.8%、居宅介護支援・介護予防支援には2.1%の加算率が設定されました。


通所リハ・老健では最大月1.9万円の賃上げ、生産性向上で上乗せも

従来から処遇改善加算の対象だったサービス(通所リハビリテーション、介護老人保健施設など)においても、以下の拡充が行われました。


①対象職種の拡大

介護職員のみならず、リハビリテーション専門職、看護職、介護支援専門員など、「介護従事者」全体が対象となり、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げが実現。

②生産性向上への上乗せ措置

生産性向上や協働化に取り組む事業所の介護職員を対象に、さらに月0.7万円(2.4%)を上乗せする新加算区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)が創設。

これにより、介護職員については定期昇給0.2万円を含め、最大月1.9万円(6.3%)の賃上げが可能となります。


加算は6段階に再編、訪問リハ1.5%・通所リハ最大11.1%

従来の加算体系(加算Ⅰ〜Ⅳ)は以下のように再編されました。「イ」は従来型、「ロ」は生産性向上の上乗せありです。

加算Ⅰ・Ⅱはそれぞれ「イ」と「ロ」の2パターンに分かれ、「ロ」は生産性向上や協働化に取り組む事業所向けの上乗せ措置となります。加算Ⅲ・Ⅳは従来通りの要件です。



なお、令和8年度特例要件を満たす場合、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳおよび職場環境等要件については、令和8年度中の対応の誓約でも対応可能とされています。

リハビリテーション専門職が多く働くサービスの加算率を見ると、訪問リハビリテーションは1.5%の単一加算、通所リハビリテーションは7.0%〜11.1%の6段階、介護老人保健施設は5.9%〜9.7%の6段階となっています。

通所リハと老健では、生産性向上に取り組む事業所ほど高い加算率を取得できる仕組みです。




申請時は「誓約」でOK、ケアプランデータ連携システムなどで算定可能に

新たに加算対象となったサービスでは、「令和8年度特例要件」が設けられ、要件整備に一定の期間を要することへの配慮がされています。

訪問リハビリテーションの場合、以下のいずれかを満たすことで算定可能です。

1. ケアプランデータ連携システムへの加入および実績報告
2. 社会福祉連携推進法人への所属

なお、事務負担への配慮措置として、加算の申請時点では「加入または取得の誓約」でも算定可能とされています。

ケアプランデータ連携システムに関しては、システム利用料1年間無料や助成金の対象となるなど、国が導入を後押ししています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ケアプラン連携システム「1年間無料+助成金」で支援 ー 厚労省が導入を後押し

2026.01.19




長年の格差が解消へ、訪問リハ事業所が準備すべき4つのポイント

今回の改定により、訪問リハビリテーション事業所は初めて処遇改善加算を算定できるようになりました。

事業所が準備すべきポイントとして、以下に整理しました。

実務上のポイント

1. 加算取得の準備
6月施行に向けて、キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱおよび職場環境等要件の整備、または令和8年度特例要件への対応が必要です。

2. 誓約による対応
申請時点では「令和8年度中の対応の誓約」で算定可能なため、準備期間を確保しつつ早期に加算を取得できます。

3. 賃金配分の検討
加算で得られた収入をどのように職員の処遇改善に配分するか、事業所内で検討・計画する必要があります。

4. ケアプランデータ連携システム
特例要件を活用する場合、システムへの加入が求められるため、早めの対応が推奨されます。


2027年4月の本格改定に向けて、効率化・適正化も検討課題に

今回の期中改定は、令和9年度(2027年度)の本格的な介護報酬改定の前哨戦ともいえます。

大臣折衝事項では、令和9年度改定において以下の方針が示されています。

● 介護事業経営実態調査等で事業者の経営状況を把握
● 物価や賃金上昇を適切に反映するための対応を実施
● 介護給付の効率化・適正化への取り組み
● サービスの提供形態に応じた評価のあり方を検討

特に、有料老人ホームに関する制度改正の内容も踏まえた評価の見直しが検討されており、今後の動向に注視が必要です。

引用・参考:
◾️第253回社会保障審議会介護給付費分科会(厚生労働省)
令和8年度介護報酬改定について(PDF)
■ 令和8年度予算に関する「大臣折衝事項」について(厚生労働省)
■ ケアプラン連携システム「1年間無料+助成金」で支援 ー 厚労省が導入を後押し(PT-OT-ST.NET)

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