厚生労働省は13日、「ケアプランデータ連携システム」の導入支援として、システム利用を1年間無料、助成の対象とすることを事務連絡しました。
ケアプランデータ連携システムは、介護事業所間でのケアプランのやり取りを、紙やFAXではなく、デジタルでスムーズに行えるようにする仕組みです。
このシステムは、令和8年4月から本格運用される「介護情報基盤」との連動を前提に、厚生労働省から強く普及が促されています。
厚生労働省の通知では、ケアプランデータ連携システムの1年間の利用無料に加えて、導入時の設定や接続などにかかるサポート費用も、助成の対象になる旨が通知されました。
これまでこのシステムは年間21,000円の費用がかかっていたため、導入に踏み切れない事業所も少なくありませんでした。今回の無償化と助成によって、負担なく導入を始められる環境が整いつつあります。
この記事では、制度の内容や導入の流れ、現場にとってのメリットをわかりやすくお伝えします。
ケアプランデータ連携システムが「1年間無料+助成」に
厚生労働省が13日に通知した事務連絡では、利用料の無料化(いわゆるフリーパス)を令和8年度まで延長することや、導入にかかるサポート費用の助成対象を広げることが明記されています。
具体的な内容は、以下の通りです。
1. システム利用料の無償化(フリーパスキャンペーン)
通常は年間21,000円かかるライセンス料が、予算措置により実質的に無料となります。
「フリーパスの実施期限を延長するための所要の予算を盛り込んだ令和7年度補正予算の成立により、令和8年度中は引き続き無料で利用いただくことができます。」
引用:厚生労働省.介護保険最新情報Vol.1460
このキャンペーンは、初めて利用する事業所だけでなく、現在利用中の事業所や、一度利用をやめた事業所もすべて対象となります。
2. 導入・接続サポート費用の助成
システムを導入する際の技術的なサポート費用についても、新たに助成の対象に含まれることになりました。
「介護事業所が、導入支援事業者から、介護情報基盤の接続サポートとケアプランデータ連携システムの接続サポートに必要な支援を一体的に受ける場合には、その費用も支援の対象とすることとしています。」
引用:厚生労働省.介護保険最新情報Vol.1460
これにより、自力での設定が難しい事業所が、専門家から支援を受ける際の負担も軽くなります。
費用負担を抑えた導入が可能となる今回の対応は、制度面でも大きな変化といえます。
なぜ「1年間無料+助成」になったのか
ケアプランデータ連携システムは、2023年4月に正式に提供が始まりました。
しかし、年間21,000円という利用料がかかることから、導入に踏み切れない事業所も多く、想定ほど普及が進んでいない状況が続いていました。
以下は、令和8年1月現在の使用状況です。
普及の壁となっている現状をふまえ、無償化と助成には費用負担の軽減に加えて、制度設計上の明確な目的が込められています。
具体的な目的は、以下の2点です。
介護情報基盤への円滑な移行
令和8年4月から順次運用が始まる「介護情報基盤」には、ケアプランデータ連携システムも統合される予定です。現場では、データ連携を前提とした業務体制への移行が求められ、
厚生労働省は「介護情報基盤ポータル」を公開し、助成金申請機能などの整備も進めています。
処遇改善加算との連動
今後の加算(上乗せ分)を受け取るための要件として、システムの活用や業務効率化への取り組みが条件となる見通しです。
デジタル化が避けられない状況をふまえ、 制度と現場の両面を支援する目的で、無償化と助成が実施されています。
リハビリテーション専門職への影響は?
今回の制度変更は、ケアマネジャーや介護職の業務効率化を目的としたものですが、リハビリテーション専門職にとっても関わりのある内容です。
とくに施設では、介護職員の人手不足を補う形で、リハビリテーション専門職が介護業務を担う場面も少なくありません。
それが利用者理解や機能評価に役立つ面もありますが、専門業務に集中できる体制が整えば、リハビリテーションの質をさらに高めることにもつながります。
介護職の処遇改善や職場環境の整備が進めば、人材も確保しやすくなり、リハビリテーション専門職が介護業務を兼ねる場面も徐々に減っていくことが想像されます。こうした流れを支援することは、制度が目指す成果の一つでもあります。
そのため、制度の変化に目を向けておくことは、働き方やチームでの関わりを見直すヒントにもなりそうです。
引用・参考
■ 介護保険最新情報Vol.1460(厚生労働省HP)
■ ケアプランデータ連携システム利用状況(WAM NET)
■ 介護DXを支える「介護情報基盤ポータル」機能強化 助成金の申請受付を開始(PT-OT-ST.NET)