平成30年度、令和3年度、令和6年度と、介護報酬改定のたびに行われてきた、訪問看護における理学療法士等の訪問に対する減算。
これらはいずれも、制度設計上は「適正化」や「役割分担の明確化」を目的としたものでしたが、全国の訪問看護ステーションの現場からは、利用者のサービス継続や内容、職員の処遇、さらには事業所経営そのものへの影響が指摘され続けています。
こうした状況を受け、一般財団法人 訪問リハビリテーション振興財団は、全国の訪問看護ステーションを対象に、「訪問看護における理学療法士等の訪問における3つの減算が、利用者・職員・事業所経営にどのような影響を及ぼしているのか」を明らかにするためのアンケート調査を開始しました。
訪問看護における理学療法士等の訪問における3つの減算に関する利用者等への影響調査 ご協力のお願い回答はWEBアンケートフォームから※回答締め切り:令和8年2月28日(土)
集計・要望準備の都合上、2月14日までの早期回答が呼びかけられています
3回にわたり実施された理学療法士等の訪問「減算」
今回の調査では、以下の3つの減算措置が対象とされています。
● 平成30年度改定
要支援者に対する60分訪問の減算
● 令和3年度改定
介護予防訪問看護の「12か月超利用者」の減算
● 令和6年度改定
看護師と理学療法士等の訪問回数比率による減算
いずれも、訪問看護ステーションにおける理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の関わり方に、少なからぬ影響を与えてきた制度改定でした。
利用者の変化、処遇改善、経営への影響までを調査
本調査の特徴は、単なる算定状況の把握にとどまらず、現場の実態を多面的に把握しようとしている点にあります。
アンケート項目では、減算に伴い、やむを得ず取られた運営上の対応、給与・賞与・採用抑制など職員の処遇への影響、12か月超利用者におけるIADLの変化、減算が将来の賃上げ(令和8年度以降)に及ぼす影響などについて調査しています。
特に、12か月を超えてサービスを継続している利用者については、「改善」「維持」「低下」といった機能面の変化だけでなく、数値には表れにくい活動性の改善まで含めて調査項目が設定されています。
本調査の結果については、関係団体と共有、今後の制度要望・政策提言のエビデンスとして活用、財団ホームページ等での公表が予定されています。
減算の影響が「感覚的な声」にとどまらず、具体的なデータとして制度議論の場に提示されるかどうかは、今後の介護報酬・訪問看護制度を考える上で極めて重要です。
あなたの事業所の「実態」が、次なる介護報酬改定を動かす根拠になる
訪問看護における理学療法士等の訪問減算は、平成30年度以降、段階的かつ連続的に導入されてきました。
その一方で、これらの制度変更が利用者の生活機能やサービス継続にどのような影響を与えたのか、また現場の職員配置や処遇、事業所経営にどの程度の負担をもたらしたのかについては、十分に検証されてきたとは言い難い状況です。
今回の訪問リハビリテーション振興財団による調査は、「減算があった/なかった」という二元論ではなく、減算がある中で現場がどのような判断を迫られ、どのような選択をしてきたのかを、データとして可視化しようとする点に大きな意義があります。
特に、12か月超利用者におけるIADLの変化や、数値には表れにくい活動性の改善を調査項目に含めている点は、「期間で線を引く制度設計」と「生活機能の実態」との乖離を考える上で、重要な示唆を与える可能性があります。
制度は、理念だけでなく、現場と利用者の実態に基づいて検証され、修正されることが本来のあるべき姿と考えられます。
【訪問看護ステーション管理者・経営者の方へ】協力のお願い
本アンケートの回答対象は、訪問看護ステーションの管理者および経営者です。
令和7年9月末時点の状況をもとに、WEBフォームから回答できます。
現場で起きている影響を「見える化」するためにも、該当する事業所には回答への積極的な協力が求められています。
本調査の結果が、次期制度改定に向けた建設的な議論の土台となるかどうかは、どれだけ多くの現場の声が集まるかにかかっているともいえます。
訪問看護ステーションの管理者・経営者の皆さまには、現場の実情を「数字と言葉」で制度の場に届けるためにも、ぜひ本調査へご協力ください。
回答締切:令和8年2月28日(土)
※集計・要望準備の都合上、2月14日までの早期回答が呼びかけられています