12月4日、Apple Watchに新たな機能「高血圧パターンの通知」が日本国内でも利用可能となりました。血圧を測るのではなく、傾向を分析して高血圧の兆候を通知する機能です。
FORTUNE BUSINESS INSIGHTSによると、スマートウォッチ市場は日本でも急速に拡大しています。心拍数や睡眠、活動量のモニタリングといった健康管理機能が重視される中、Apple Watchをはじめとする腕時計型ウェアラブルデバイスは、日常生活の中で活用の場が広がっています。
Apple Watchは、心拍や活動量、呼吸数などを日常的に記録するウェアラブルデバイスとして広く知られています。新たに追加された高血圧通知機能は、これらのデータをもとに、自覚しづらい体調の変化を検出し、ユーザーに知らせる役割を果たします。
本記事では、その仕組みと活用方法に加え、注意すべき点についてまとめました。
Apple Watchに追加された「高血圧パターン通知」機能
Apple Watchに新たに追加された「高血圧パターン通知」は、日々の生体データをもとに高血圧の“兆候”を検知する機能です。日常生活の中で見落とされやすい高血圧リスクに、Apple Watchを身につけているだけで早めに気づけるよう設計されています。
高血圧は、喫煙と並び、日本人の生活習慣病による死亡に最も大きな影響を与える要因です。厚生労働省によれば、高血圧を完全に予防できれば、年間10万人以上の死亡を防げると推計されています。
こうした現状に対して、Appleは次のような考えを示しています。
「ユーザーに自身の健康に関する貴重な洞察が提供され、命を救うことにつながり得る習慣に変え始めたり、長期にわたる深刻な健康問題のリスクを減らすために治療を始めることができます」
引用:Apple公式. プレスリリース
高血圧パターン通知は、数値を示す機能ではなく、身体の変化に気づくための補助的なサインを提供するものです。
ユーザーが自覚しにくい傾向を早期に把握し、必要に応じて行動につなげるきっかけとなることを目指しています。
測定せずに「傾向」を検知する仕組み
この機能は、血圧計のように数値を測定するものではありません。Apple Watchに搭載された光学式心拍センサーから得られるデータをもとに、心臓の拍動に対する血管の反応などを解析し、身体の状態を判断します。
解析はユーザーの操作を必要とせず、日常生活の中で自動的に行われます。30日間にわたって蓄積されたデータを確認し、高血圧のパターンが一貫して見られた場合にのみ、通知が表示される仕組みです。
なお、Appleのすべての健康機能と同様に、高血圧パターンの通知は厳格な科学的検証にもとづいて開発されています。
こうした根拠により、Apple Watchは数値を測らずとも傾向を読み取る補助的な機能として、信頼性を担保しています。
また、通知が届いた際は、医療機関に相談することが推奨されています。高血圧のリスクに早く気づき、行動するきっかけとして、この機能を役立てることが大切です。
使用方法
高血圧パターンの通知は、Apple WatchとiPhoneを連携させることで利用できます。
通知の設定から記録の管理まで、以下の手順で進めることができます。
【通知を設定する】
① iPhoneで「ヘルスケア」アプリを開く
② 画面右上のプロフィールアイコンをタップする
③ 「ヘルスケアチェックリスト」を選ぶ
④「高血圧パターンの通知」の項目で「設定」をタップし、表示される案内に従って操作する
【通知を受け取ったら】
① 血圧計を準備し、朝と晩の1日2回、7日間にわたり血圧を測定する
② 測定忘れを防ぐため、リマインダーの設定も可能
③ 測定した数値は、iPhoneの「ヘルスケア」アプリに記録する
【血圧を記録する】
① ヘルスケアアプリの「検索」から「心臓」→「血圧」を開く
② 「血圧の記録」内の「測定値を追加」をタップする
③ 測定した日時、収縮期血圧(最高)と拡張期血圧(最低)を入力して保存する
ウェアラブルデバイスで広がる、ヘルスケアの可能性
Apple WatchとiPhoneを日常的に活用することで、無理なく体調の傾向を把握し、健康に対する意識を高めることができます。
日々の健康管理への関心が高まる中、Apple Watchの高血圧パターン通知は、専門的な知識がなくても取り入れやすいシンプルなヘルスケア機能です。
毎日の生活の中で、自分の体の変化に早く気づき、行動につなげるためのサポートとして。Apple Watch等のウェアラブルデバイスによるヘルスケアは、今後ますます注目の領域です。
引用・参考
■ 本日より、Apple Watchで高血圧パターンの通知が利用可能に(Apple公式HP)
■ Apple Watchで高血圧パターンの通知を受け取る(Apple公式HP)
■ Hypertension Notification Feature on Apple Watch 臨床試験レポート(Apple公式HP)
■ 健康日本21アクション支援システム(厚生労働省HP)
■ スマートウォッチの市場規模、シェアおよび業界分析、オペレーティングシステム(iOS、Androidなど)、エンドユーザー(男性および女性)、アプリケーション(ランニング、通知のチェック、水泳、サイクリングなど)、および地域予測、2025-2032(FORTUNE BUSINESS INSIGHTS)