ADL維持向上等体制加算のアウトカム指標である院内褥瘡発生率の基準を見直しとなりました。
第1基本的な考え方
入院患者に対する褥瘡対策を推進するため、褥瘡のハイリスク患者に関する危険因子の追加や褥瘡に係る評価の算定要件等を見直す。
第2具体的な内容
1. 入院中の新たな褥瘡発生を予防するため、入院時に行う褥瘡に関する危険因子の評価に、「スキン-テア」を加える。
2.褥瘡ハイリスク患者ケア加算の対象患者に、「皮膚に密着させる医療関連機器の長期間持続的な使用が必要であるもの」を追加する。
現行 | 改定案 |
【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】 褥瘡予防・管理が難しく重点的な褥瘡ケアが必要な患者とは、ベッド上安静であって、次に掲げるものをいう。 ア ショック状態のもの イ 重度の末梢循環不全のもの ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要であるもの エ 6時間以上の全身麻酔下による手術を受けたもの オ 特殊体位による手術を受けたもの カ 強度の下痢が続く状態であるもの キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸等)であるもの (新設)
ク 褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有するもの |
【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】 褥瘡予防・管理が難しく重点的な褥瘡ケアが必要な患者とは、ベッド上安静であって、次に掲げるものをいう。 ア ショック状態のもの イ 重度の末梢循環不全のもの ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要であるもの エ 6時間以上の全身麻酔下による手術を受けたもの オ 特殊体位による手術を受けたもの カ 強度の下痢が続く状態であるもの キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸等)であるもの ク 皮膚に密着させる医療関連機器の長期間持続的な使用が必要であるもの
ケ 褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有するもの |
3. ADL維持向上等体制加算のアウトカム指標である院内褥瘡発生率の基準を見直す。
現行 | 改定案 |
【ADL維持向上等体制加算】 アウトカム評価として、以下の基準を全て満たすこと。患者のADLは、基本的日常生活活動度(BarthelIndex)(以下「BI」という。)を用いて評価することとする。 ア(略) イ 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡(DESIGN-R分類d2以上とする。)を保有している入院患者の割合が1.5%未満であること。 |
【ADL維持向上等体制加算】 アウトカム評価として、以下の基準を全て満たすこと。患者のADLは、基本的日常生活活動度(BarthelIndex)(以下「BI」という。)を用いて評価することとする。 ア(略) イ 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡(DESIGN-R分類d2以上とする。)を保有している入院患者の割合が2.5%未満であること。ただし、調査日における当該病棟の入院患者数が80人以下の場合は、本文の規定にかかわらず、当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡を保有している入院患者が2人以下であること。 |
4. 療養病床における褥瘡に関する評価を、入院時から統一した指標で継続的に評価し、褥瘡評価実施加算にアウトカム評価を導入するとともに、名称を変更する。
現行 | 改定案 |
【褥瘡評価実施加算 注4入院患者が別に厚生労働大臣が定める状態の場合は、当該基準に従い、当該患者につき、褥瘡評価実施加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。
[留意事項] (新設) |
【褥瘡対策加算 注4 当該病棟に入院している患者のうち、別に厚生労働大臣が定める状態の患者に対して、必要な褥瘡対策を行った場合に、患者の褥瘡の状態に応じて、1日につき次に掲げる点数を所定点数に加算する。 イ 褥瘡対策加算1 15点 [留意事項] 患者の褥瘡の状態を、DESIGN-R分類を用いて定期的に評価し、下記の要件に該当する場合に算定する。 ア DESIGN-Rの合計点が直近3か月連続して前月の合計点に比べ上回っていない場合は、褥瘡対策加算1を当該月から算定すること。 イ DESIGN-Rの合計点が直近3か月連続して前月の合計点に比べ上回った場合は、褥瘡対策加算2を当該月から算定すること。なお、入院後暦月で3月を超えない間は、褥瘡対策加算1を算定すること。 ※有床診療所療養病床入院基本料における当該加算についても同様 |
【参照元】
厚生労働省 平成30年度診療報酬改定説明会 2018年3月5日 資料
平成30年度診療報酬改定の概要 医科I
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