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「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」

【掲載内容にの取り扱いについて】
令和3年3月16日に通知された「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」をインデックスして掲載してます。

【INDEX】
第1 リハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理の一体的な実施に関する基本的な考え方及び様式例の提示について


第2 リハビリテーションマネジメント加算等の基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について


第3 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務 処理手順例及び様式例の提示について


第4 施設サービスにおける栄養ケア・マネジメント及び経口移行加算等に関 する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について


第5 居宅サービスにおける栄養ケア・マネジメント等に関する事務処理手順 例及び様式例の提示について


第6 口腔・栄養スクリーニング加算に関する基本的考え方並びに事務処理手 順例及び様式例の提示について


第7 口腔衛生の管理体制に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様 式例の提示について


第8 口腔機能向上加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について 




第7 口腔衛生の管理体制に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について

1 口腔衛生の管理体制の基本的な考え方

口腔衛生の管理体制は、ケアマネジメントの一環として、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士(以下「歯科医師等」という。)及び関連職種の共同により、口腔衛生に係る課題把握・改善を行い、入所者に適した口腔清掃等を継続的に行うための体制をいう。

歯・口腔の健康の保持・増進を図ることは、自立した質の高い生活を営む上で重要であり、介護保険施設における口腔衛生等の管理は、利用者の口腔の健康状態に応じた効率的・効果的な口腔清掃等が行われるだけでなく、摂食・嚥下機能の維持・向上、栄養状態の改善等にもつながるものである。

口腔衛生の管理については、平成21年に口腔機能維持管理加算が新設、平成27年に口腔衛生管理体制加算に名称変更され、介護保険施設の入所者に対して計画的な口腔ケア・マネジメントを行うことができるよう、歯科医師等が日常的な口腔清掃等のケアに係る技術的指導・助言を行う場合の評価を行ってきた。

令和3年度介護報酬改定において、全ての施設系サービスにおいて口腔衛生の管理体制を整備し、入所者の状態に応じた丁寧な口腔衛生の管理を更に充実させる観点から、施設系サービスにおける口腔衛生管理体制加算を廃止し、基本サービスとして行うこととした。歯科医師等に技術的指導・助言を受ける体制を整備していない介護保険施設においては、郡市区歯科医師会等と連携を図りながら、施設における口腔衛生の管理体制の整備を進められたい。

2 口腔衛生の管理体制の整備にかかる実務について

(1)口腔衛生管理体制計画の立案

歯科医師等は、介護保険施設における口腔清掃等の実態の把握、介護職員からの相談等を踏まえ、当該施設の実情に応じ、口腔衛生の管理に係る技術的助言・指導を行うこと。

介護職員は、当該技術的助言・指導に基づき、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式3及び「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式1を参考に、以下の事項を記載した口腔衛生管理体制計画を作成すること。

ア 助言を行った歯科医師等
イ 歯科医師からの助言の要点
ウ 当該施設における実施目標
エ 具体的方策
オ 留意事項・特記事項

(2)入所者の口腔の状況の確認

口腔衛生管理体制計画に基づき、介護職員が口腔の健康状態のスクリーニングを行い、入所者の口腔清掃の自立度、口腔の健康状態等について把握すること。スクリーニングを行うに当たっては、利用者について、それぞれ次に掲げる確認を行うこと。

【スクリーニング例】
・歯や入れ歯が汚れている
・歯が少ないのに入れ歯を使っていない
・むせやすい

歯・口腔の疾患が疑われる場合や介護職員による口腔清掃等が困難な場合等は、歯科医師による訪問診療等の際、各利用者の口腔の健康状態に応じた口腔健康管理が行われるよう、当該歯科医師に相談することが望ましい。

(3)口腔清掃の用具の整備

口腔清掃には、歯の清掃に用いる歯ブラシ、ワンタフトブラシ、舌に用いる舌ブラシ、口腔粘膜に用いるスポンジブラシ、義歯に用いる義歯ブラシ等の清掃用具が用いられる。利用者の口腔の健康状態や自立度等を踏まえ、歯科医師等の技術的助言・指導に基づき、口腔清掃の用具を選択すること。

(4)口腔清掃の実施

口腔清掃の実施担当者及び実施時刻等を、口腔清掃の実施回数・方法・内容等を踏まえて検討し、施設におけるサービス提供に係るタイムスケジュールに組み込むこと。

(5)介護職員の口腔清掃に対する知識・技術の習得、安全確保

口腔清掃は、正しい知識をもって行わない場合、歯や粘膜を傷つけるだけでなく、食物残渣や唾液等の誤嚥による肺炎を引き起こすおそれもあるため、歯科医師等から口腔清掃の用具の使用方法の指導を受けることは重要である。また、口腔清掃に携わらない職員についても、口腔衛生、口腔機能の維持・向上、誤嚥性肺炎等について理解を深めることは重要である。なお、歯科医師等が単独で介護職員への研修会等を開催することが困難な場合は、都道府県や都道府県歯科医師会等で実施されている介護職員向けの研修を紹介することでも差し支えない。

(6)食事環境をはじめとした日常生活における環境整備

介護職員は、歯科医師等に入所者の口腔機能等に応じた食事の提供、食形態等について必要に応じて相談し、食事環境等の整備に努めること。

(7)歯科医師等からの技術的助言・指導と計画の見直し

介護職員は、口腔清掃等を含めた施設における課題や疑問等を、適宜、歯科医師等に相談する。歯科医師等は、概ね6か月毎に、施設における口腔清掃の実態、介護職員からの相談等を踏まえ、当該施設の実情に応じた口腔衛生管理体制計画に係る技術的助言・指導を行うこと。介護職員は、当該技術的助言・指導を踏まえ、口腔衛生管理体制計画の見直しを行い、口腔衛生の管理体制の充実を図ること。









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