大田区の「モノづくり」として有名な町工場と介護事業者が連携して車椅子を開発しました。現在は商品化の準備を進めているそうです。
「町工場」と「介護事業所」の連携イメージは少ないと思いますが、地域課題の解決として取り組んだ「車椅子開発」は新しい可能性を感じる連携として興味深く、この記事として紹介させて頂きます。
車椅子を開発するきっかけは、「勾配のある屋外では車椅子をまっすぐ進めることが難しい。」という介護事業所からの声。町工場の精密な技術力が車椅子開発に活かせないかという発想へと繋がり、関鉄工所の制作が始まったそうです。
まずは、業界の中だけでなく、その垣根を超えて課題やニーズを知る、顔と顔の見える地域づくりは理想に思います。そんな繋がりから車椅子の開発の話がスタート。
大田区には約3,500の町工場があり、「ものづくりのまち」として知られています。大田区の町工場はここ近年では減少の傾向もありますが、職人たちの高い技術力は健在です。
大田区に集まる工場が協力して、工場から工場へと加工をまわす「仲間まわし」が有名です。町工場の技術が結集した「下町ボブスレー」の挑戦は全国からも注目を集めました。
今回、制作に携わった関鉄工所の関英一さんは、「昔から培ってきた技術が、地域の困りごとの解決、人助けになるとは思わなかった。街とのつながりが大切であることを経験した貴重な機会となりました。」と想いを述べられています。
現場の切実な問題を地域の技術力で解決し、高齢者の「気軽な外出」を支援する。
今回の連携は、段差のみならず ”まちの課題” も乗り越える、新しい地域連携の可能性を伝えています。
この記事を書いた人
友清直樹
PT-OT-ST.NET代表
1998年に学生時代に立ち上げたホームページを運営し、現在、PT-OT-ST.NETの代表。また、山王リハビリ・クリニックに勤務し、在宅リハビリテーションの現場に携わる。地域や予防の活動にも積極的に関わる。