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2025.10.01

【PT協会】理学療法士の未来を開く4つの柱「2040年までのロードマップ」公開



日本理学療法士協会(PT協会)は、2040年を長期的な目標年と定め、「中長期計画」の骨子を公表しました。

計画の策定にあたっては、「2030年の国民の生きがいを支える理学療法士のビジョン」を中軸に据え、2027年の中期ゴール、そして2030年・2040年の長期ゴールへと段階的に進めるロードマップが示されています。

この計画は、2022年に開始された「中長期的な戦略目標の検討」を起点に、内部・外部環境の整理、クロスSWOT分析、財務的な見通しの検討など、多岐にわたる議論と準備を経て、段階的に骨子案が作成されました。

具体的な事業や数値目標を設定し、PDCAサイクルを確立することで、持続的に評価・改善を行う体制を築くとしています。




計画を支える4つの戦略的柱

PT協会は、理学療法の価値を高め、社会のニーズに応える活動を展開するため、以下の4つの柱を設定しました。

1.疾病や障がいとともに安心して暮らせる社会の実現
2.心身ともに健やかに暮らせる社会の実現
3.国民が相互に支え合って、住みたい地域で人生を過ごせる社会の実現
4.安定した組織基盤の構築

各柱に設定された具体的な注力領域

中長期計画では、各柱ごとに注力領域が示されています。

疾病・障がいと共生する社会の実現
理学療法の提供体制と質の確保を重視。保険領域や医療・介護・福祉連携の強化、発達障害を含む福祉領域のサービス向上を推進。標準化のための科学的根拠の収集や学会連合との連携、報酬改定や処遇改善による人材確保も重要課題。

心身ともに健やかな社会の実現
公衆衛生及び保健分野での活躍と、予防への寄与。スポーツ領域での活躍。タスクシフト・タスクシェアの推進と職域の開拓。

地域共生社会の実現
地域に根ざした活動を強化し、住民が望む生活を地域で支えられる体制を整備。都道府県士会・市区町村での事業活性化、地方行政や他職種との連携深化を図る。国際活動や地域共生(CBID)への取り組みも重視。

安定した組織基盤の構築
持続可能な運営に向け、会員サービスや組織体制を強化。DX推進、緊急対応力、多様性・公平性・包摂性を確保。学習制度や資格制度の充実で職能団体としての信頼を高める。国政との連携強化。会費や支援金の見直しによる財政基盤強化。


計画策定に至るまでの道のり

この中長期計画の骨子は、3年間にわたる検討の集大成としてまとめられました。

2022年度には、「中長期的な戦略目標の検討」が始まり、「2030年の国民の生きがいを支える理学療法ビジョン」が公開されました。この時点で掲げられた重点課題には、組織基盤の強化や質の保証、人材育成、地域包括ケアの推進、さらには国際活動の展開などが含まれていました。

続く2023年度には、2022年度に示された方向性を踏まえて戦略目標の素案が取りまとめられ、重点領域は「医療・介護連携」「質保証」「人材育成」「組織安定」「国際・地域共生」という5つの分野に整理されました。

そして2024年度には、理事会において最終的な「中長期計画 骨子」が報告され、現在示されている4つの柱と注力分野が確定しました。同時に、2027年・2030年・2040年に向けた具体的なロードマップが提示され、理学療法士の未来を見据えた段階的な道筋が明らかにされました。

協会は、「今後も会員の皆さまと共有しながら、理学療法の価値を高め、社会のニーズに応える活動を展開してまいります」とコメントしており、2025年10月9日掲載予定の会長メッセージ動画(会員限定コンテンツ)でも説明される予定です。


引用・参考
◾️ 中長期計画(日本理学療法士協会)
   https://www.japanpt.or.jp/about/plan/

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