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2026.02.25

世界理学療法士連盟、奈良勲氏を追悼

世界理学療法士連盟(World Physiotherapy)は2月10日、元理事会メンバーであり、日本理学療法士協会(JPTA)の元会長、奈良勲(ならいさお)氏の逝去を伝え、その功績を称える追悼を公式サイトに掲載しました。

奈良勲氏は、広島大学名誉教授、金城大学特任教授などを歴任され、2025年11月8日に逝去されました。満83歳でした。



国内外から寄せられる感謝と追悼の声

日本理学療法士協会の斉藤秀之会長は、奈良氏の歩みを次のような言葉で伝えています。

日本理学療法士協会第六代会長であり、現相談役として長年にわたり本会の発展に多大なるご尽力を賜りました奈良 勲先生がご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。

奈良先生は、生涯を通じて「理学療法を科学にする」ことを己の使命とされ、日本の理学療法の学術的確立と発展に心血を注がれました。経験や勘に頼るのではなく、根拠に基づき説明できる理学療法を社会に示すことの重要性を、早くから強く認識され、研究・教育・臨床の調和的発展を常に説き続けてこられました。その揺るぎない信念は、多くの理学療法士の進むべき道を照らし続けてきたと言えます。...(中略)...

私たちは、奈良 勲先生の高い志と不屈の探究心を受け継ぎ、国民の健康と幸福に資する理学療法のさらなる発展、そして国際社会から信頼される専門職としての歩みを、誠心誠意進めてまいります。

ここに奈良 勲先生のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様に深くお悔やみ申し上げます。

引用:奈良勲第六代会長・相談役を偲んで|日本理学療法士協会



奈良氏の歩まれてきたキャリア

奈良氏は、1942年鹿児島県出水市生まれ。まだ日本に理学療法の基礎がなかった時代から、臨床・教育・組織運営のすべてにおいて道を切り拓いてこられました。

1964年: 鹿児島大学を卒業。本郷高校の体育教諭として勤務
1969年: 米Loma Linda大学理学療法学部を卒業し、カリフォルニア州免許を取得
1974年: 帰国し海外実績による特例で、日本の「登録番号外1号」免許を取得
1983年: 金沢大学にて医学博士を取得
1989年: 日本理学療法士協会会長に就任。2003年まで14年間にわたり組織を牽引
1993年: 広島大学にて、国立大学初となる理学療法士教授に就任
1999年: 第13回世界理学療法連盟学会(WCPT横浜)にて学会長を務める
2005年: 広島大学名誉教授。その後、神戸学院大学、金城大学学長などを歴任
2016年: 教育・研究への多大な功績により「旭日小綬章」を受章


養成校や現場で親しまれる多くの書籍

リハビリテーションに関わる専門職の方は、「標準理学療法学(医学書院)」シリーズなどのテキストを、一度は手に取ったことがあるのではないでしょうか。

奈良氏は、私たちが普段から使っている数多くの教科書や専門誌の編集・監修にも深く関わってこられました。

「標準理学療法学」だけでなく、各領域のテキストなど、学校の講義や仕事でよく使う書籍を数多く手がけています。また、専門誌「PTジャーナル」の編集にも長年携わってこられました。


1989年 岩手総会でのスピーチ「理学療法士を愛しています」

1989年、岩手で開催された第24回日本理学療法士学会の総会。47歳で会長選に臨んだ奈良氏は、演説の最後にアドリブでこう語りかけました。

「貴方は理学療法を愛していますか。私は愛しています」

この演説が行われた総会での選挙を経て会長に初当選。以降、2003年まで7期14年にわたり日本理学療法士協会を牽引することとなりました。

これまでの多大なるご貢献に心からの感謝を捧げるとともに、安らかなるご冥福をお祈り申し上げます。

参考・引用
■ World Physiotherapy pays tribute to Isao Nara(World Physiotherapy HP)
■ 追悼 奈良勲 先生. PT ジャーナル. vol.60 No.1 | JAN. 2026
■ 奈良勲第六代会長・相談役を偲んで(日本理学療法士協会HP)

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