理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が集うリハビリ情報サイト

PT-OT-ST.NET

トピックス

2026.05.22

「新たな地域医療構想に対する作業療法提供体制の在り方提案」公開【日本作業療法士協会】



日本作業療法士協会(以下、OT協会)は、「2040年を見据えた地域医療構想に対する作業療法提供体制の在り方提案」を公開しました。

2024年12月にとりまとめられた新たな地域医療構想では、地域完結型の医療・介護提供体制の構築を目指す必要性が示されました。「在宅医療」「精神医療」「保育から障害児支援」などの在り方について、作業療法士の活動領域とそこでの役割を明らかにすることが求められています。

そこでOT協会は、その機能と役割を整理し、2040年に向けた作業療法提供体制の在り方を提案しました。

<2040年に向けた作業療法提供体制の在り方>
Ⅰ.医療、福祉、学校等のこども領域における作業療法
Ⅱ.地域医療構想にも対応した精神科医療における作業療法
Ⅲ.高齢者に対する救急と増加する在宅医療における作業療法

「2040年を見据えた地域医療構想に対する作業療法提供体制の在り方提案」(PDF)



Ⅰ.医療、福祉、学校等のこども領域における作業療法

少子化傾向が予測より10年前倒しで進行しており、対応は急務となっています。2023年にこども家庭庁が発足し、こども基本法・こども大綱のもと「こどもまんなか社会」の実現に向けた包括的な方針が示されました。

2005年に発達障害者支援法が施行され、2007年には特別支援教育の推進が開始し、作業療法士も外部専門家として関与しています。現在は2回目の法改正に向けた検討が進行中です。

検討会では、早期 発見・早期支援の必要性と住み慣れた地域で一貫した継続支援の重要性が提示され、2040年に向けて、以下の3点が議論されています。

1.人口減少・サービス需要の変化に応じたサービスモデルの構築や支援体制について
2.人材確保と職場環境改善・生産性向上(DX)について
3.経営支援についての福祉サービスに係わる共通課題

作業療法士は、各ライフステージにおいて生じる個と集団(環境)の問題や課題に対し保育等とは異なる観点から状況を把握して支援を提供する専門職として、作業の特性を活かした専門性を提示する必要があるとしています。




Ⅱ.地域医療構想にも対応した精神科医療における作業療法

2017年2月には「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築が示され、2024年12月の検討会では、精神医療が新たな地域医療構想に位置付けられました。

これにより、病棟機能の分化、外来・診療所・精神科かかりつけ医制度・訪問看護指導・通所リハビリテーション・デイケア・介護連携など、入院から地域にわたる各領域で精神科作業療法の機能と役割を明確にすることが重要な課題となっています。

こうした状況を踏まえ、作業療法士には各領域において専門性を発揮できるよう、協会として支援体制を含め、取り組みを検討していくことが期待されています。

特に、精神科デイケアでのリワーク・予防的関与、ハローワークや障害福祉の就労継続支援事業との連携を通じ、効果的・効率的な作業療法の在り方を示していくことが求められています。




Ⅲ.高齢者に対する救急と増加する在宅医療における作業療法

2040年に向けて85歳以上の人口の増加に伴い、認知症高齢者・独居高齢者が増加し、医療と介護の複合ニーズが拡大するとされています。

一方で、高齢者人口や介護サービスの需要には地域差が生じており、介護人材確保・定着、テクノロジー導入やタスク・シフト/シェア含めた生産性向上における業務改善が急務となっています。

新しい地域医療構想においては、地域完結型の医療・介護提供体制を構築する方向性が示されました。

高齢者を対象とするため、予防・急性イベントへの対応から、退院支援による早期退院など、医療介護の連携により切れ目のない支援体制を整えることが求められています。




OT協会は、本提案に基づき、2026年度は同協会の重点活動項目も踏まえて、渉外活動や会員への情報提供、意見交換会など総合的対策を推進する予定としています。

引用・参考
「2040年を見据えた新たな地域医療構想に対応する作業療法提供体制の在り方提案」を公開しました(日本作業療法士協会 HP)
「2040年を見据えた地域医療構想に対する作業療法提供体制の在り方提案」(PDF)

関連タグ
地域医療構想 日本作業療法士協会
PT-OT-ST.NET:LINE公式アカウント「最新ニュースをLINEでお届け」友達追加

この記事が気に入ったらいいね!しよう

もっと見る 省略する

情報提供

ページ上部へ戻る