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2026.05.25

専修学校の役割と地域偏在が論点に 医療関係職種の養成・確保検討会



厚生労働省は25日、「第2回 医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」を開催しました。

衆議院厚生労働委員会では、「理学療法士及び作業療法士法」の改正に関連して本検討会に言及する答弁もあり、その動向が注目されていました。

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第1回では、2040年に向けた少子化や進学者数減少といった全国的な課題整理が中心でしたが、今回は「都道府県や二次医療圏といった地域レベルで、具体的にどのような対策を行っていくか」へと議論の焦点が移りました。




データが示す「専修学校の重要性」と「医療圏での偏在」

議論を地域レベルに落とし込むため、厚生労働省からは今回、より詳細なデータが新たに提示されました。特に注目すべきは以下の点です。

「民間」への高い依存度と専修学校の役割

多くの都道府県において、医療関係職種の養成校の設置主体は、国や自治体よりも学校法人等の民間が圧倒的な割合を占めています。

また、学校分類別のデータでは、大学(特に国公立)に比べて、私立専修学校は「県内高校出身率」や「県内就職率」が高く、地域への人材供給を支える中心的な役割を担っている実態が示されました。






「二次医療圏」での偏在

卒業生の就職先は都道府県内にとどまるだけでなく、「学校が所在する二次医療圏内」に集中する傾向が強いことが、高知県のデータなどから示されました。

養成校の偏在が、そのまま医療人材の偏在につながりやすい構造が示されました。




地域の「施策メニュー」による対策の提示

民間主体の専修学校等が定員割れ等による経営難で撤退することは、地域から医療人材の供給源が失われることにもつながります。

こうした事態を防ぐため、国が全国一律の規制をかけるのではなく、「都道府県が主導して、地域の実情に応じた施策メニューを選択・実施していく」という方向性が示されました。

資料では、小中学生へのアプローチや奨学金による県内定着といった第1回に紹介された取組などに加えて、自治体による具体的な先行事例が新たに紹介されました。

サテライト教室の設置

高知県における、養成校のない遠隔地にサテライト教室を設け、オンライン講義と地元実習を組み合わせる取り組み。


通学経費・家賃支援

新潟県十日町市による、学生への家賃補助や通学定期券購入費の補助。

医療関係職種の「養成・確保」検討会が始まる

2026.05.08

「教育体制の柔軟化」につながるか?地域高等教育機会確保特例制度

今回の会議では、文部科学省より大学・短期大学向けの「地域高等教育機会確保特例制度等」に関して説明がされました。これは大学間での遠隔授業の上限緩和などを特例的に認める仕組みです。

第1回検討会では、地域構想推進プラットフォームを進める文部科学省との連携を求める意見が出ており、今回その関連制度について説明が行われました。関連して第1回の会議においては、「遠隔授業やサテライト校の導入」「指定規則の柔軟化」を求める意見が出ていました。

「地域からの学びの場の消滅」という危機感は文部科学省も厚生労働省も共通しています。大学の基準緩和の制度とは異なり、現時点では、医療関係職種養成における指定規則の柔軟化へ直接つながるかは明確になっていません。



今後の論点:都道府県の医療計画への反映

会議の論点資料では、各都道府県に対し、医療関係職種の需要・供給を把握し、必要な「なり手」の確保策や養成体制の連携・再編等の方策を計画的に実施していくことが挙げられました。

一方で、現在の各都道府県の「医療計画」における医療従事者の確保策の項目を見ると、看護職については具体的な記載があるものの、PT・OT・ST等の職種については具体的な記載がない県が多いのが実情です。

今後は、都道府県が地域の需給を把握し、今回示された施策メニューを用いて、どのように医療計画に確保策を位置づけていくかが議論の中心となると考えられます。リハビリテーション専門職としても、地域の養成体制の維持に向けた行政の動向を注視する必要があります。


示された論点に対する関係者の発言



リハビリテーション専門職3団体は、それぞれの職種が直面する課題を報告しながら、地域の養成体制の維持に向けた具体的な対応を求めました。

斉藤構成員(日本理学療法士協会)
PT協会の斉藤会長は、専修学校の教員が事務・総務を兼務しているケースや、給与・待遇が大学・地域間で異なる実態を挙げ、まず現状の調査が必要だと指摘しました。

また、養成校と介護施設・病院等との連携法人化の検討や、設立申請時の計画値と現在の実績との照合による説明責任の確認も提案しました。

山本構成員(日本作業療法士協会)
OT協会の山本会長は、高卒者だけを対象とした養成モデルでは人材確保に限界があるとし、進路転換者や既卒者など社会人経験を持つ人材の受け入れ体制の整備を主張。そのためには給付型奨学金や国の財政的支援による学生の経済的負担軽減が不可欠であるとしました。

また、高校の進路指導担当者が職種に対して誤解を持っている場合があることにも言及し、説明会の開催など現場教員だけに負担を集中させない仕組みの必要性も提案しました。

内山構成員(日本言語聴覚士協会)
ST協会の内山会長は、言語聴覚士の養成校が存在しない県が12県あり、慢性的な人材不足によってサービス提供を断念している地域があると説明。自治体が実施する奨学金制度や体験イベントといった確保策から言語聴覚士が対象外となっているケースが多いと指摘しました。

需給把握についても、資格保有者数や養成校数だけを指標とするのではなく「支援を必要とする対象者数」を把握する視点が重要だと強調しました。コミュニケーション障害は外見からは見えにくく障害者手帳の取得に結びつかないケースも多いため、単純な推計では真のニーズを見落とすと述べました。

引用
第2回 医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会厚生労働省HP)

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