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2026.07.09

【第4期スポーツ基本計画】中間報告案に「理学療法士」明記 アスリート支援、妊娠期・産後の女性向けスポーツを促進



スポーツ庁は、「第4期スポーツ基本計画」の策定に向けた部会にて中間報告案を示し、「理学療法士」に関する記載が盛り込まれました。

6月29日のスポーツ審議会スポーツ基本計画部会で示された中間報告案では、理学療法士についてハイパフォーマンススポーツにおけるアスリート支援と、妊娠期・産後の女性向けスポーツ促進の双方で記載されました。

第4期計画は、2027年度から2031年度までの5年間を対象とする、今後のスポーツ政策の基本方針です。

現行の第3期スポーツ基本計画でも、東京2020大会の選手村における医科学サポート体制などの文脈で、理学療法士等のコメディカルスタッフについて記載されていました。

第4期ではその流れを引き継ぎつつ、女性の健康課題や妊娠期・産後のスポーツ促進にも理学療法士の関与が示されています。




スポーツ基本計画とは

スポーツ基本計画は、スポーツ基本法に基づき、文部科学大臣が定める国の基本計画です。

スポーツに関する施策を総合的・計画的に進めるためのもので、地方自治体が策定する地方スポーツ推進計画も、この国の基本計画を踏まえて判断することとされています。



第3期計画でも理学療法士を記載

理学療法士については、現行の第3期スポーツ基本計画でも記載がなされています。

第3期計画では、東京2020大会で選手村にポリクリニックとフィットネスセンターが一体的に設置され、医師、歯科医師、看護師に加え、理学療法士等のコメディカルスタッフを含む多様な職種が配置されたことが紹介されました。

そのうえで、大規模国際競技大会に限らず、アスリートが競技や練習に取り組む際に、多様な職種が連携して支援する体制整備に取り組むことが示されていました。



第4期では「健康インフラ」としてのスポーツを重視

第4期中間報告案では、重点課題の一つとして「国民のスポーツ実施促進と『健康インフラ』構築」が掲げられました。

スポーツを競技力向上のためだけでなく、健康長寿社会、共生社会、地域・経済の活性化など、社会課題の解決に資するものとして位置づける方向性が示されています。

この文脈の中で、理学療法士に関係する記載として注目されるのが、「女性の健康・体力向上のための環境整備とスポーツ実施の促進」です。



妊娠期・産後の女性向けスポーツ促進で連携明記

第4期中間報告案では、女性特有の健康課題として、やせ、月経随伴症状、更年期症状、骨粗しょう症、妊娠・出産等への対応を挙げています。

そのうえで、医療とスポーツの連携によるエビデンスの普及や、安全にスポーツに取り組める環境・支援体制の整備が求められるとしています。

具体的な施策としては、「日本産科婦人科学会、スポーツドクター、理学療法士等と連携した妊娠期・産後の女性向けのスポーツの促進を図る」と明記されました。

これは、理学療法士の専門性が、従来からのアスリート支援や競技スポーツ領域に加え、妊娠期・産後の女性の身体機能、運動再開、健康・体力づくりといったライフステージに応じたスポーツ支援にも関わるものとして、政策文書上に位置づけられたことを意味します。



ハイパフォーマンススポーツでも多職種連携を記載

第4期中間報告案では、ハイパフォーマンススポーツにおけるアスリート支援の文脈でも、理学療法士に関する記載が示されました。

同案では、東京2020大会を契機に、スポーツ医・科学の素養を持つ多様な職種を配置してアスリートを支援する体制の充実が進んできたことに触れています。

その中で、医師、歯科医師、看護師に加え、理学療法士等のコメディカルスタッフも含めた多職種による支援体制が示されています。

今後についても、アスリートの身体的・精神的・社会的な観点から、安心して競技活動に取り組むことができる環境整備を進める方向性が示されており、スポーツ医科学支援における理学療法士の役割は引き続き重要な位置づけとして明記されました。




アスリート支援から国民の健康支援へ

第3期計画では、理学療法士等のコメディカルスタッフは、主に東京2020大会のレガシーやアスリート支援、多職種連携によるスポーツ医科学サポートの文脈で記載されていました。

第4期中間報告案では、その流れを継続しながら、女性の健康課題や妊娠期・産後のスポーツ促進にも記載が広がっています。

この変化は、理学療法士の役割が「競技力向上を支える専門職」にとどまらず、誰もが安全に、継続してスポーツに親しむための身体機能・健康支援を担う専門職として、スポーツ政策の中で捉えられつつあることを示すものといえます。


今後の施策化に向けた足がかりに

スポーツ基本計画に記載されたことが、直ちに理学療法士を対象とした新規予算や事業創設を意味するわけではありません。

一方で、国のスポーツ政策の基本方針に位置づけられることで、今後のスポーツ庁の施策や自治体の事業設計、関係団体との連携に影響を与え得る重要な文書です。

スポーツ基本計画に「理学療法士」が明記されることは、今後の施策化や予算要求、自治体・関係団体による事業展開の根拠となり得ます。

特に、女性の健康、産前産後支援、障害者スポーツ、地域スポーツ、子どものスポーツ環境、アスリート支援などは、医療・福祉・教育・地域づくりとも重なる領域です。

理学療法士がスポーツ庁や自治体、競技団体、医療関係団体とどのように連携していくかが、今後の具体的な展開の焦点となります。


第4期計画は令和9年4月から運用開始へ

今後、第4期スポーツ基本計画は、スポーツ審議会総会での中間報告案の決定、パブリックコメント、答申、関係省庁との協議を経て、大臣決定・官報告示される見通しです。

第4期計画の運用開始は令和9年4月とされています。



現時点では中間報告案の段階であり、最終的な計画内容や具体的な予算措置は今後の手続きを経て決まります。

ただし、第3期から続くスポーツ医科学支援の文脈に加え、第4期では妊娠期・産後の女性向けスポーツ促進にも理学療法士が明記されました。

スポーツ政策における理学療法士の役割が、アスリート支援にとどまらず、国民の健康づくりやライフステージに応じた運動支援へと広がりつつあることを示す動きとして、今後の議論も注目されます。

引用・参考:
スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第3期)(第12回)(スポーツ庁HP)
スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第3期)(第11回)(スポーツ庁HP)
スポーツ基本法(平成23年法律第78号)(条文)(文部科学省HP)
第3期スポーツ基本計画(スポーツ庁HP)

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