ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は2026年6月、リハビリテーション業界向け総合AIソリューションブランド「RenaX(レナクス)」を発表しました。
書類や実績指数などの算出をAIで効率化し、セラピストが本来の業務に注力できる持続可能な環境構築を目指す“現場支援サービス”として開発。
2025年7月より提供していた予後予測AI「Prediction One for Rehabilitation」をベースに、機能を拡充したものとなっています。
RenaXで現場の業務効率化を支援
RenaXは予後予測AIと生成AIを使い、リハビリテーション現場の業務効率化を総合的に支援するとしています。
書類作成支援およびシフト作成支援については順次提供予定とのことです。
● ADL予後予測
● 加算取得の支援
● 施設基準の維持をサポート
● 過去症例との比較(順次提供予定)
● 書類作成支援(順次提供予定)
● シフト作成支援(順次提供予定)
ADL予後予測
「Prediction One for Rehabilitation」の学習済みAIを用いて、FIM全18項目と入院期間をAIが予測します。
予測に使用するデータは以下の通りです。
● 入院時のFIM18項目
● 年齢
● 算定区分
● 発症から入院までの日数
● BMI
● 10m歩行速度(快適・最大)
● MMSE
● BBS
● FACT
● コースIQ
「歩行・車椅子動作」「トイレ動作」の退棟時自立予測においてAUC92%以上の精度を実現しており、令和8年度の診療報酬改定にも対応しています。
これにより、入棟時点から退棟時のADL像を予測し、早期からのリハビリ計画立案に役立てられる可能性があります。
加算取得を目指す病棟運営を支援
RenaXでは、退棟時の「トイレ動作」「移動動作」の自立をAIが予測し、加点候補となる患者の抽出と自立獲得に向けた要因分析を支援。
現場の管理業務の一環として、強化体制加算の達成を目指す病棟運営にも役立てることができるとしています。
また、運動項目合計と入院期間の予測を活用することで、実績指数の先読みが可能になるとしています。
令和8年度の診療報酬改定で厳格化された施設基準への対応として活用が期待されています。
過去症例との比較
看護記録との連携により、予測対象と類似する過去症例が抽出できる機能が実装されています。
予測結果と過去症例の介入内容を照らし合わせることで、リハビリテーション計画の立案や、カンファレンスでの説明の根拠として活用できる可能性が考えられています。
RenaX導入で、現場はどう変わるのか
これまで、現場ではリハビリテーション介入以外にも、実績指数の管理や書類作成など、事務的な業務に時間を取られることが多い実態が国の検討会などでも指摘されてきました。
令和8年度の診療報酬改定では、「歩行・車椅子」「トイレ動作」の自立支援に新たな加算が設けられたことで、こうした業務はこれまで以上に重要になっています。
RenaXは、これらの背景を踏まえた「実績指数管理を支援するサービス」として開発されました。
ただし現時点でリリースされている機能を見る限り、病棟運営・管理職目線のサービスとしての色合いが強い印象です。
現場で日々患者と向き合うセラピストにとって「自分の仕事がどう変わるか」を実感できるのは、もう少し先の未来かもしれません。
【関連記事】【令和8年度診療報酬改定】リハビリテーション実績指数の算出方法及び除外対象患者等の見直し(PT-OT-ST.NET特設サイト)
RenaXが目指すもの
同社の開発担当者は、今後の展望について以下のコメントを寄せています。
「Prediction One for Rehabilitation」は、サービス開始から1年足らずで全国約30病院からのお申し込みを頂き、予後予測AIの普及を牽引してきました。
この歩みをさらに加速させるため、私たちはリハビリテーションAIソリューションを「RenaX(レナクス)」としてリブランディングします。
「RenaX」が目指すのは、単なる一方向の予測AIツールの枠を超え、全国の病院やセラピストの知見が循環するオープンなAI活用プラットフォームです。
将来は、各現場のセラピストが独自に開発した多様な予測モデルを発表し、相互に活用し合える環境を整えることで、ナレッジシェアリングを推進し、リハビリ医療全体の質の向上に貢献したいと考えています。
今後はさらに、ソニーグループ内の技術連携を深め、現場のセラピストの情熱を融合させ、リハビリテーションの新たな未来を切り拓いていきます。
リハビリテーションに特化した総合AIソリューションとして、今後の発展に注目です。
引用・参考
■ リハビリ業界向けAIソリューションを「RenaX」としてブランド化・機能拡充(ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)
■ 【ソニー系AI】回復期リハビリのFIM全項目と入院期間を予後予測、一般向け提供開始(PT-OT-ST.NET)
■ 回復期リハビリ病棟でAI予後予測、ソニーと十勝リハセンターが共同開発(PT-OT-ST.NET)
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