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2026.02.03

75歳以上の急性期患者『5割』は包括期で算出—入院料別の病床機能報告目安も提示



厚生労働省は、第9回「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」を開催し、75歳以上の急性期患者のうち5割を包括期の需要として算出する方針など、新たな地域医療構想策定ガイドラインについて議論を行いました。

今回の検討会では、医療需要の推計方法や改革モデルの反映、そして病床機能報告における入院料との対応関係など、ガイドライン策定に向けた具体的な論点が示されました。

(目次) 1. これまでの議論の振り返り
2. 今回の議論のポイント  
 2.1. 医療需要の推計方法  
 2.2. 改革モデルの反映(包括期機能・75歳以上患者の取扱い)  
 2.3. 病床機能報告における報告の目安  
 2.4. 高度急性期・急性期の一体的検討  
 2.5. 定期的な見直しと病床数適正化支援  
 2.6. 外来・在宅医療の需要推計
 2.7. 急性期拠点機能に係る議論の進め方
3. 新たな地域医療構想がリハビリテーションに与える影響

1.これまでの議論の振り返り

これまでの検討会では、2040年に向けて増加する高齢者救急等への対応として、病床機能区分の見直しが議論されてきました。

従来の「回復期機能」を「包括期機能」として再定義し、高齢者等の急性期患者に対して治療と入院早期からのリハビリテーション等を行い、早期の在宅復帰を目指す「治し支える医療」を提供する機能として位置づける方向性が示されています。

また、75歳以上の高齢者について、医療資源投入量からは急性期と見込まれる患者であっても、一定割合は包括期機能として必要病床数を算出するという考え方も整理されてきました。

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2.今回の議論のポイント

(1)医療需要の推計方法

今回の検討会では、医療需要の設定について以下の方針が示されました。

● 構想区域ごとに、診療実績データ(NDBデータ)に基づき患者単位の日ごとのデータを用いて推計
● 最新の医療需要を反映させる観点から、2024年度のNDBデータを使用
● NDBに含まれない自然分娩、労災保険、自賠責保険の患者についても按分して推計

「必要病床数」と「病床機能報告」には構造的な違いがあります。

必要病床数は、患者単位で需要に基づき算出されます。一方、病床機能報告は、医療機関が病棟ごとに役割を報告するものです。

こうした算出方法や目的の違いについて、関係者が理解できるようガイドラインに記載することが提案されました。




(2)包括期機能の改革モデルの反映

病床利用率は長期的に低下傾向にあります。その要因として、医療の高度化・低侵襲化、在院日数短縮、在宅医療や外来医療の充実などがあり、こうした効果を必要病床数に反映することが議論されました。

包括期機能については、以下の改革モデルを組み込むことが提案されています。

<改革モデル(案)>
● 75歳以上の急性期患者のうち5割を包括期の需要として見込む(残り5割は引き続き急性期として算出)

● 回復期リハビリテーション入院料を算定している整形外科疾患患者について、さらなる効果的・効率的な提供の推進による平均在院日数の短縮を見込んで推計

● 介護老人保健施設でのリハビリテーション提供など、介護との連携についてもガイドラインに位置付け

病床稼働率については、現構想と同様に高度急性期75%、急性期78%、包括期90%、慢性期92%とすることが提案されました。




(3)病床機能報告明確化のための報告の目安

現在、病床機能報告における報告実態は都道府県によって大きなばらつきがあります。

● 急性期一般入院料1を算定する病床について「急性期」として報告されている割合は、都道府県によって約55%~100%まで差がある

● 地域包括ケア病棟入院料を算定する病床について「回復期」として報告されている割合も、約20%~100%まで差がある

こうした状況を踏まえ、今回の検討会では各入院料と病床機能区分の対応関係を明確化する目安が示されました。




(4)高度急性期・急性期の一体的検討

高度急性期と急性期の区分については、医療機関内で同じ入院料を届け出ている場合でも区別が難しいとの指摘があります。

これについて今回、医療需要の推計や病床機能報告はこれまでどおり高度急性期・急性期として行いつつ、地域での協議においては両機能の病床数を一体として検討することが提案されました。


(5)定期的な見直しと病床数適正化支援

必要病床数については、医療計画の見直しのタイミングにあわせ、2030年・2036年に都道府県ごとの取組状況等を踏まえて必要に応じて見直しを行うことが提案されています。

また、令和7年度補正予算(3,490億円)では病床数適正化緊急支援基金が創設され、病床削減に対して1床あたり約410万円(休床の場合は約205万円)の支援が行われることになっています。


(6)外来医療需要は減少だが、在宅医療需要は増加

新たな地域医療構想では、入院医療だけでなく外来医療や在宅医療についても医療需要を確認し、提供体制の確保に向けた取組を進めることとしています。

日本全体で見ると、外来医療の需要は今後減少する一方、在宅医療の需要は増加が見込まれています。特に、在宅医療は2040年に向けて約1.5倍に増加する見通しです。




(7)急性期拠点機能に係る議論の進め方

急性期拠点機能の確保に向けては、以下のスケジュールが示されています。

2026年
協議開始、2040年の人口構成や想定される医療需要等を踏まえて必要となる急性期拠点機能の数等について検討

2028年頃まで
急性期拠点機能を報告する医療機関を決定、連携・再編・集約化の方向性を策定

2035年
取組を完結し、目標とした急性期拠点機能を確保

急性期拠点機能の数については、20〜30万人に1医療機関を目安とし、手術件数等や他区域からの流入が多い場合に2つとすることが検討されています。

また、人口が30万人超であっても流出が多く症例数が少ない場合に1医療機関を目安として取り組むことが提案されています。


3. 新たな地域医療構想がリハビリテーションに与える影響

今回の検討会では、「新たな地域医療構想策定ガイドライン」に向けて、医療需要推計の具体的方法や病床機能報告の目安など、実務的な論点が詳細に議論されました。

特にリハビリテーション関連では、包括期機能として地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟が位置づけられ、入院早期からのリハビリテーション提供と効率的な在院日数管理が求められる方向性が明らかになってきました。

今後、各都道府県でガイドラインに基づく取組が本格化していく中で、リハビリテーション専門職の役割はますます重要になると考えられます。

引用・参考
地域医療構想及び医療計画等に関する検討会(厚生労働省HP)
新たな地域医療構想策定ガイドラインについて(PDF)

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