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2013.04.10

長期的なリハビリテーション介入が効果的な状態像について:調査報告より

日本理学療法士協会は、「長期的な医療介入が必要なリハビリテーション患者・利用者に対するリハビリテーションのあり方に関する調査研究事業」を平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等国庫補助金事業を受けて調査を実施。その調査結果から長期的なリハビリテーションの介入が有効な状態像が明らかにされた。 調査結果の概要 リハビリ平成18年に医療保険におけるリハビリテーションについては算定日数制限が設けられ、維持期のリハビリテーションは介護保険で支えるという原則が示された。また、平成26年の診療報酬改定では、維持期リハビリテーション(要介護被保険者等に対するリハビリテーション)における13単位枠は廃止が予定されており、介護保険における受け皿の拡大や、医療保険におけるリハビリテーションのあり方が問われている。 長期リハビリ介入を必要とした理由は 医療リハビリテーションに関わるリハ部門責任者にアンケート(回収率40.4% 1936票/4787票)を実施した結果によると、長期リハビリ介入を必要とした理由は運動器疾患では「疼痛の治癒に時間を要した」が最も多く、「骨・関節を含む創傷治癒が遅延したため」「重複障がいのため」の順となった。 また、脳血管疾患では、「高次脳機能障害(失語、失行、失認、記憶障害)のため」が最も多く、「重複障がいのため」「介護保険等による地域のリハサービス不足」「合併症などにより、標準的なリハビリが遂行できなかったため」などの理由があげられた。 介護側の受け入れの可能性について、 介護事業所・施設における、受け入れ状況を介護保険リハビリに関わるリハ部門責任者にアンケート(回収率40.3% 4086票/9439票)を実施した結果によると介護側の受け入れの可能性について「病態の安定」「医学的管理」「リスク管理」「急変時の対応」などの受け入れ可能な条件とすることが有意に高く、「個別リハビリを受ける理解・了解」や「マンパワーの問題の解決」についても選択頻度が高い結果となった。 長期リハビリを必要とする患者の特徴 長期リハビリ介入を必要とする患者については、一つは、医療リハビリの開始の遅れまたは十分な量が提供されなかったことにより標準的算定日数を経過しても回復する過程にある場合や、合併症や重複障害、高次脳機能障害などの様々な障害像により標準日数では十分なリハビリが遂行できなかった場合や、回復や改善が遅延・継続するケースなどがあがる。また、介護保険施設での受け入れ困難な理由として、高度な医療管理が必要で、介護側での設備・治療方法等が充分ではなく医療保険リハビリに留まる場合があがるとされた。 就労・復職支援を理由に長期のリハビリは医療保険の継続が適当 医療保険におけるリハビリテーションを継続する理由の一つに、就労・復職支援を理由とする場合も含まれた、現状では、介護保険での復職支援は困難であり、引き続き医療保険で行うことが妥当ではないかと考えられる結果となった。 感想 これからの社会保障制度の改訂で在院日数短縮や維持期リハビリのあり方などが段階的に見直されることが予測される。このように長期リハビリテーション介入の必要性が明らかとなる中で、早期リハビリテーションの充実とともに、退院後も安心して医療でリハビリテーションが必要にして継続出来るための外来リハビリの充実や訪問リハビリや通所リハビリなどの介護保険におけるリハビリの質的、量的なリハビリテーションの充実が早急に求められる。また、一人ひとりにあったオーダーメイドの医療、介護、リハビリテーションの仕組みつくりが必要と言える。 (記:理学療法士 友清直樹) ■日本理学療法士協会「長期的な医療介入が必要なリハビリテーション患者・利用者に対するリハビリテーションのあり方に関する調査報告」 ・報告書 【PDF:1.59MB】 ・エグゼクティブサマリー 【PDF:655KB】 サマリー 【PDF:504KB】
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