令和8年診療報酬改定の内容

療養病棟入院基本料を算定する患者の病態や医療資源投入量をより適切に反映させる観点から、医療区分2又は3に該当する疾患や状態、処置等の内容を見直す。あわせて、より医療の必要性が高い患者の受入れを推進する観点から、療養病棟入院料2における医療区分2及び3の患者の割合を引き上げる。

【解説動画】*厚生労働省

【説明資料】

(参考:厚生労働省説明スライド 24頁より

第2 具体的な内容

1.処置に関する医療区分2のうち、感染症の治療に係る処置が、他の一部の処置と併せて行われている場合には、処置等に係る医療区分3の患者として入院料を算定することとする。

また、非がん疾患に対する緩和ケアを実施する観点から、悪性腫瘍以外の病態について、医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合を、疾患・状態に係る医療区分2に追加する。

さらに、医療的ケア児の受入について評価する観点から、超重症児(者)・準超重症児(者)に該当する小児について、それぞれ疾患・状態に係る医療区分3、2に追加する。

改定案現行
【別表】
[施設基準]
別表第五の二 療養病棟入院基本料(疾患・状態については、入院料1から入院料9まで及び入院料28から入院料30までに限り、処置等については、入院料1から入院料3まで、入院料10から入院料12まで及び入院料19から入院料21までに限る。)及び有床診療所療養病床入院基本料(入院基本料Aに限る。)に係る疾患・状態及び処置等
一 対象となる疾患・状態
スモン
医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態
区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1に規定する超重症の状態(15歳未満の小児患者に限る。)
二 対象となる処置等
中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻若しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は中心静脈栄養を開始した日から30日以内の場合に実施するものに限る。)
点滴(二十四時間持続して実施しているものに限る。)
人工呼吸器の使用
ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄
気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)
酸素療法(密度の高い治療を要する状態にある患者に対して実施するものに限る。)
感染症の治療の必要性から実施する隔離室での管理
別表第五の三の二の(1)及び(2)のいずれにも該当するもの
【別表】
[施設基準]
別表第五の二 療養病棟入院基本料(疾患・状態については、入院料1から入院料9まで及び入院料28から入院料30までに限り、処置等については、入院料1から入院料3まで、入院料10から入院料12まで及び入院料19から入院料21までに限る。)及び有床診療所療養病床入院基本料(入院基本料Aに限る。)に係る疾患・状態及び処置等
一 対象となる疾患・状態
スモン
医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態
(新設)


二 対象となる処置等
中心静脈栄養(療養病棟入院基本料を算定する場合にあっては、広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻若しくは急性膵炎を有する患者を対象とする場合又は中心静脈栄養を開始した日から30日以内の場合に実施するものに限る。)
点滴(二十四時間持続して実施しているものに限る。)
人工呼吸器の使用
ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄
気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)
酸素療法(密度の高い治療を要する状態にある患者に対して実施するものに限る。)
感染症の治療の必要性から実施する隔離室での管理
(新設)
別表第五の三 療養病棟入院基本料(疾患・状態については、入院料10から入院料18まで、処置等については、入院料4から入院料6まで、入院料13から入院料15まで及び入院料22から入院料24までに限る。)及び有床診療所療養病床入院基本料(入院基本料B及び入院基本料Cに限る。)に係る疾患・状態及び処置等
一 対象となる疾患・状態
筋ジストロフィー症
多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る。))その他の指定難病等(スモンを除く。)
脊髄損傷(頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る。)
慢性閉塞性肺疾患(ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る。)
末期呼吸器疾患(適切な治療が実施されているにもかかわらず、ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当し、呼吸困難に対して医療用麻薬の投与によるコントロールが必要な状態に限る。)
末期心不全(器質的な心機能障害により、適切な治療が実施されているにもかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回若しくは持続的に医療用麻薬の投与又はその他の点滴薬物療法による苦痛及び症状のコントロールが必要な状態に限る。)
末期腎不全(器質的な腎障害により、適切な治療が実施されているにもかかわらず、慢性的に日本腎臓学会慢性腎臓病重症度分類Stage G5以上に該当し、腎代替療法を必要とする状態であるが、透析療法の開始又は継続が困難である場合であって、医療用麻薬等の投与による苦痛のコントロールが必要な状態に限る。)

悪性腫瘍(医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る。)
消化管等の体内からの出血が反復継続している状態
他者に対する暴行が毎日認められる状態
区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注2に規定する準超重症の状態(15歳未満の小児患者に限る。)
別表第五の三 療養病棟入院基本料(疾患・状態については、入院料10から入院料18まで、処置等については、入院料4から入院料6まで、入院料13から入院料15まで及び入院料22から入院料24までに限る。)及び有床診療所療養病床入院基本料(入院基本料B及び入院基本料Cに限る。)に係る疾患・状態及び処置等
一 対象となる疾患・状態
筋ジストロフィー症
多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る。))その他の指定難病等(スモンを除く。)
脊髄損傷(頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る。)
慢性閉塞性肺疾患(ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る。)
(新設)


(新設)




(新設)





悪性腫瘍(医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る。)
消化管等の体内からの出血が反復継続している状態
他者に対する暴行が毎日認められる状態
(新設)
二 対象となる処置等
(削除)
二 対象となる処置等
中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から三十日を超えて実施するものに限る。)
肺炎に対する治療
尿路感染症に対する治療
傷病等によるリハビリテーション(原因となる傷病等の発症後、三十日以内の場合で、実際にリハビリテーションを行っている場合に限る。)
脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対して実施するものに限る。)
頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)
経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)
褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に実施するものに限る。)
末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療
せん妄に対する治療
うつ症状に対する治療
人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法
一日八回以上の喀痰吸引
気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものを除く。)
頻回の血糖検査
創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療
酸素療法(密度の高い治療を要する状態にある患者に対して実施するものを除く。)
(1) 感染症の治療に係る処置
肺炎に対する治療
尿路感染症に対する治療
脱水に対する治療(発熱を伴う状態の患者に対して実施するものに限る。)
頻回の嘔吐に対する治療(発熱を伴う状態に限る。)
経鼻胃管及び胃瘻等の経腸栄養(発熱又は嘔吐を伴う状態の患者に対して行うものに限る。)
(2) 創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置
褥瘡に対する治療(皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に実施するものに限る。)
末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療
創傷(手術創や感染創を含む。)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療
中心静脈栄養(広汎性腹膜炎、腸閉塞、難治性嘔吐、難治性下痢、活動性の消化管出血、炎症性腸疾患、短腸症候群、消化管瘻又は急性膵炎を有する患者以外を対象として、中心静脈栄養を開始した日から三十日を超えて実施するものに限る。)
人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法
気管切開又は気管内挿管(発熱を伴う状態の患者に対して行うものを除く。)
(3) その他の処置
一日八回以上の喀痰吸引
頻回の血糖検査
酸素療法(密度の高い治療を要する状態にある患者に対して実施するものを除く。)
せん妄に対する治療
うつ症状に対する治療
(4) 傷病等によるリハビリテーション(原因となる傷病等の発症後、三十日以内の場合で、実際にリハビリテーションを行っている場合に限る。)
(新設)







(新設)













(新設)







(新設)

2.療養病棟入院基本料2において求める医療区分2・3の患者の割合を5割から6割に引き上げた上で、当該要件については、令和8年9月30日までの経過措置を設ける。

改定案現行
【療養病棟入院基本料】
[施設基準]
三 療養病棟入院基本料の施設基準等
(1) 療養病棟入院基本料の注1本文に規定する入院料の施設基準
イ~ロ 略
ハ 療養病棟入院料2の施設基準
当該病棟の入院患者のうち医療区分三の患者と医療区分二の患者との合計が六割以上であること。
【療養病棟入院基本料】
[施設基準]
三 療養病棟入院基本料の施設基準等
(1) 療養病棟入院基本料の注1本文に規定する入院料の施設基準
イ~ロ 略
ハ 療養病棟入院料2の施設基準
当該病棟の入院患者のうち医療区分三の患者と医療区分二の患者との合計が五割以上であること。
経過措置

令和8年3月31日において現に療養病棟入院料2を届け出ている保険医療機関については、令和8年9月30日までの間に限り、基本診療料の施設基準等第5の3の(1)のハに該当するものとみなす。

【参照元】
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)(令和8年2月13日)
◯答申 総-1 個別改定項目について