令和8年診療報酬改定の内容
身体的拘束の最小化に向けた取組を更に推進する観点から、質の高い取組を行う場合の体制について新たな評価を行うとともに、身体的拘束を行った日の入院料の評価を見直す。
【解説動画】*厚生労働省
【説明資料】




(参考:厚生労働省説明スライド 2頁より)
第2 具体的な内容
1.通則に規定されている身体的拘束最小化の基準を充実させ、組織風土の重要性や研修内容に触れるとともに、実績や取組に関する要件を追加する。
| 改定案 | 現行 |
|---|---|
| [算定要件] 第2部 入院料等 通則 1~6 (略) 7 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たす場合に限り、第1節(特別入院基本料等を含む。)、第3節及び第4節(短期滞在手術等基本料1を除く。)の各区分に掲げるそれぞれの入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所定点数を算定する。 8 (略) 9 7に規定する別に厚生労働大臣が定める基準のうち、身体的拘束最小化に関する基準を満たすことができない保険医療機関については、第1節(特別入院基本料等を除く。)、第3節及び第4節(短期滞在手術等基本料1を除く。)の各区分に掲げるそれぞれの入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所定点数から1日につき40点を減算する。ただし、7に規定する別に厚生労働大臣が定める基準のうち、身体的拘束最小化に関する基準において、身体的拘束最小化の体制に係る基準を満たす保険医療機関については、当該減算の点数に代えて、所定点数から1日につき20点を減算する。 | [算定要件] 第2部 入院料等 通則 1~6 (略) 7 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たす場合に限り、第1節(特別入院基本料等を含む。)、第3節及び第4節(短期滞在手術等基本料1を除く。)の各区分に掲げるそれぞれの入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所定点数を算定する。 8 (略) 9 7に規定する別に厚生労働大臣が定める基準のうち、身体的拘束最小化に関する基準を満たすことができない保険医療機関については、第1節(特別入院基本料等を除く。)、第3節及び第4節(短期滞在手術等基本料1を除く。)の各区分に掲げるそれぞれの入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料の所定点数から1日につき40点を減算する。 |
| [施設基準(告示)] 八 身体的拘束最小化の基準 (1) 身体的拘束最小化の体制に係る基準 身体的拘束の最小化を行うにつき十分な体制が整備されていること。 (2) 身体的拘束最小化の実績等に係る基準 身体的拘束の最小化につき相当の実績を有していること又は身体的拘束の最小化について適切な取組を行っていること。 | 八 身体的拘束最小化の基準 (新設) 身体的拘束の最小化を行うにつき十分な体制が整備されていること。 (新設) |
| [施設基準(通知)] 第1 入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)及び特定入院基本料を含む。)及び特定入院料に係る入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化の基準 1~6 (略) 7 身体的拘束最小化の基準 (1) 身体的拘束最小化の体制に関する基準は(3)から(6)まで、身体的拘束最小化の実績等に関する基準は(7)及び(8)をいうものであること。 (2) 身体的拘束とは、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいうこと。 (3) 患者の尊厳の保持及び療養環境の質の確保の観点から、当該保険医療機関において、患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないこと。また、こうした組織風土の醸成に努めること。 (4) (2)の身体的拘束を行う場合には、その態様及び時間、その際の患者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこと。 (削除) (5) (略) (6) 身体的拘束最小化チームでは、以下の業務を実施すること。 ア (略) イ 身体的拘束を最小化するための指針を作成し、職員に周知し活用すること。なお、アを踏まえ、定期的に当該指針の見直しを行うこと。また、当該指針には、鎮静を目的とした薬物の適正使用や(2)に規定する身体的拘束以外の患者の行動を制限する行為の最小化に係る内容を盛り込むこと。 ウ 入院患者に係わる職員を対象として、身体的拘束の最小化に関する研修を定期的に行うこと。当該研修には、身体的拘束の代替手段に関する内容のほか、患者の尊厳の保持の重要性に関する内容を含むことが望ましい。 (7) 以下のいずれかを満たすこと。 ア 身体的拘束の実施割合が集計されており、当該保険医療機関内で1割5分以下であること。 イ 身体的拘束の原則廃止に向けて、(イ)から(ハ)までの全ての取組みを継続して行っていること。 (イ) 身体的拘束最小化チームにおいて、身体的拘束の実施状況を踏まえ、身体的拘束の最小化に向けた具体的な取組を検討するための委員会を3か月に1回以上開催していること。 (ロ) 身体的拘束が行われている病棟に対し、次の取組のいずれかが行われていること。 ① 身体的拘束最小化チームによる病棟の巡回が定期的に行われ、病棟の職員とともに身体的拘束が行われている患者の解除や代替策の導入に向けた具体的な検討が積極的に行われていること。 ② 身体的拘束が行われている患者が生じる都度、病棟の複数の職員により解除や代替策の導入に向けた具体的な検討が積極的に行われていること。 (ハ) 当該保険医療機関内で、入院患者に関わる職員を対象として、患者の尊厳の保持の重要性及び身体的拘束の最小化に向けた具体的な方策や好事例の紹介を含む内容の研修が年に2回以上実施されていること。 (8) (7)のアに規定する身体的拘束の実施割合は、直近3か月における当該保険医療機関で入院料(「A300」救命救急入院料、「A301」特定集中治療室管理料、「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料、「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料、「A301-4」小児特定集中治療室管理料、「A302」新生児特定集中治療室管理料、「A302-2」新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料、「A303」総合周産期特定集中治療室管理料、「A303-2」新生児治療回復室入院医療管理料を除く。また、精神病床に入院する全ての患者の身体的拘束を精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)の規定に基づいて取り扱う場合には精神病床を除く。)を算定した日数のうち、身体的拘束を実施した日数を、当該入院料を算定した日数で除して得た割合をいう。ただし、実施した身体的拘束が以下のアからウまでのいずれかに該当する場合は、身体的拘束を実施した日数に含めない。なお、アからウまでに該当する場合であっても、常に身体的拘束の解除や代替策の導入について検討し、身体的拘束の最小化に努めること。 ア 衣服に触れるものの、患者の動作により容易に外れ、患者の自発的な運動を制限することはない状況で用いられる、見守りや職員を呼ぶためのセンサー等のみを使用している場合 イ 処置時や移動時に、患者本人又はその家族の同意を得た上で、安全確保のために短時間固定ベルト等を使用する場合であって、使用している間、常に職員が介助等のために当該患者の側に付き添っており、処置や移動の終了時に確実に解除している場合 ウ 患者が訓練のために自由に車椅子を操作することのできる状態であって、患者本人又はその家族の同意を得た上で、車椅子操作による訓練の時間中のみ安全確保のために固定ベルトを使用する場合(車椅子の前にオーバーテーブルを設置する、車椅子をロックする等の方法により、患者本人の活動を制限している場合は該当しない。) (9) (3)から(6)まで及び(7)のイの規定に関わらず、精神科病院(精神科病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。)における身体的拘束の取扱いについては、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定による。精神病床に入院する全ての患者の身体的拘束を当該法律の規定に基づいて取り扱う場合は、(3)から(6)まで及び(7)のイの規定を満たすものとみなす。 (10) 令和8年3月31日において現に入院基本料又は特定入院料に係る届出を行っている病棟又は病床については、令和9年5月31日までの間に限り、(6)のイ及び(7)の基準を満たしているものとする。 8 (略) | [施設基準(通知)] 第1 入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)及び特定入院基本料を含む。)及び特定入院料に係る入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化の基準 1~6 (略) 7 身体的拘束最小化の基準 (新設) (1) 当該保険医療機関において、患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないこと。 (2) (1)の身体的拘束を行う場合には、その態様及び時間、その際の患者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこと。 (3) 身体的拘束とは、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいうこと。 (4) (略) (5) 身体的拘束最小化チームでは、以下の業務を実施すること。 ア (略) イ 身体的拘束を最小化するための指針を作成し、職員に周知し活用すること。なお、アを踏まえ、定期的に当該指針の見直しを行うこと。また、当該指針には、鎮静を目的とした薬物の適正使用や(3)に規定する身体的拘束以外の患者の行動を制限する行為の最小化に係る内容を盛り込むことが望ましい。 ウ 入院患者に係わる職員を対象として、身体的拘束の最小化に関する研修を定期的に行うこと。 (新設) (新設) (6) (1)から(5)までの規定に関わらず、精神科病院(精神科病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。)における身体的拘束の取扱いについては、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律25第123号)の規定による。 (7) 令和6年3月31日において現に入院基本料又は特定入院料に係る届出を行っている病棟又は病床については、令和7年5月31日までの間に限り、(1)から(5)までの基準を満たしているものとする。 8 (略) |
2.身体的拘束の最小化に向け、組織的に特に質の高い取組を行っている場合の体制評価を新たに設け、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料及び特殊疾患病棟入院料を算定する病棟で算定可能とする。
(新) 身体的拘束最小化推進体制加算(1日につき) 40点
[対象患者]
身体的拘束最小化について、管理者等を中心とした質の高い取組を行う体制その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料及び特殊疾患病棟入院料を算定している患者
[算定要件]
注1 身体的拘束最小化について質の高い取組を行う体制その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)及び第3節の特定入院料のうち、身体的拘束最小化推進体制加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、所定点数に加算する。
[施設基準]
(1) 当該保険医療機関において、身体的拘束の最小化に資する十分な体制が整備されていること。
(2) 当該病棟において、身体的拘束の最小化に関する十分な実績を有していること。
(3) 身体的拘束最小化のために病院全体として取組を行っていること、原則として身体的拘束を行わない方針であること及び身体的拘束の実施状況について、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。
(4) (3)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。
【参照元】
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)(令和8年2月13日)
◯答申 総-1 個別改定項目について


