令和8年診療報酬改定の内容

高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションは、居住者に短時間で頻回の訪問看護を効率的に実施できることを踏まえ、訪問看護療養費に、包括で評価する体系を新設する。

【解説動画】*厚生労働省

【説明資料】

(参考:厚生労働省説明スライド 41頁より

第2 具体的な内容

高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションが、当該住まいに居住する利用者(特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の者、同別表第8に掲げる者に該当する利用者又は特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者に限る。)に対して、24 時間体制で計画的又は随時の対応による頻回の訪問看護を行った場合の1日当たりで算定する包括型訪問看護療養費を新設する。

(新)04 包括型訪問看護療養費(1日につき)

 1 単一建物居住利用者が20人未満の場合
   イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 7,000円
   ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 11,000円
   ハ 訪問看護時間が90分以上 14,000円
   ニ 訪問看護時間が90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合 15,500円

 2 単一建物居住利用者が20人以上50人未満の場合
   イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 6,300円
   ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 9,900円
   ハ 訪問看護時間が90分以上 13,720円
   ニ 訪問看護時間が90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合 15,190円

 3 単一建物居住利用者が50人以上の場合
   イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 5,950円
   ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 9,350円
   ハ 訪問看護時間が90分以上 13,440円
   ニ 訪問看護時間が90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合 14,880円

[算定要件]

(1)包括型訪問看護療養費については、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの看護師等が、包括型訪問看護療養費を算定する建物として届出を行った建物に居住する、別に厚生労働大臣が定める者に対して、当該利用者の同意を得て、その主治医(保険医療機関の保険医又は介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設(以下「介護老人保健施設」という。)若しくは同条第29項に規定する介護医療院(以下「介護医療院」という。)の医師に限る。以下この区分番号において同じ。)から交付を受けた訪問看護指示書及び訪問看護計画書に基づき、24時間の対応体制で、計画的又は随時の対応による頻回の指定訪問看護を行った場合に、利用者1人につき、1日当たりの訪問時間及び単一建物に居住する利用者の人数に従い、いずれかを算定する。

(2)訪問看護時間は、1日に行った複数回の指定訪問看護において実際に看護を提供した時間を合算して算出する。

(3)算定に当たっては、日中及び夜間帯(午後6時から午前8時までをいう。)に少なくともそれぞれ1回ずつの指定訪問看護を行う必要があること。また、指定訪問看護の実施時間が1日当たり60分以上である場合には、1日当たり3回以上の訪問看護を実施すること。

(4)指定訪問看護の実施においては、1日に1回以上、看護職員(准看護師を除く。)によるものが含まれること。また、訪問看護ステーションの管理者又は包括型訪問看護療養費を算定する日の指定訪問看護に関する責任を担う看護職員(准看護師を除く。)が、訪問看護計画書について、1日に1回以上の確認を行い、必要時見直しを行うこと。

(5)包括型訪問看護療養費を算定すると届出を行った建物に居住する、別に厚生労働大臣が定める利用者に対して、1日に2回以上の指定訪問看護を行う場合については、包括型訪問看護療養費以外の訪問看護基本療養費等は算定できない。

(6)届出を行った建物に居住する別に厚生労働大臣が定める者に該当しない利用者に指定訪問看護を行った場合は、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定する。

(7)訪問看護計画書及び訪問看護記録書は電子的方法によって記録すること。また、実施した指定訪問看護の内容及び実施時間を訪問看護記録書に記載すること。

(8)当該所定額を算定する場合にあっては、同一日に訪問看護基本療養費(訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び(Ⅱ)のハを除く。)、精神科訪問看護基本療養費、難病等複数回訪問加算、複数名訪問看護加算、夜間・早朝訪問看護加算、深夜訪問看護加算、複数名精神科訪問看護加算、精神科複数回訪問加算、訪問看護管理療養費及び24時間対応体制加算は、別に算定できない。
なお、緊急訪問看護加算及び精神科緊急訪問看護加算については、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、当該所定額と別に算定することができる。

[訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等告示]

第二 指定訪問看護に係る厚生労働大臣の定める疾病等の利用者等

三 包括型訪問看護療養費の注1、注5及び注6に規定する厚生労働大臣が定める者
  次のいずれかに該当する者
  (1)特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
  (2)特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者
  (3)特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者

四 包括型訪問看護療養費の1のニ、2のニ及び3のニに規定する厚生労働大臣が定める場合
  包括型訪問看護療養費の注1に規定する厚生労働大臣が定める者に、訪問看護ステーションが緊急時において即時に適切な指定訪問看護が実施できる体制があり、かつ、当該訪問看護ステーションが指定訪問看護を実施し、包括型訪問看護療養費を算定する利用者全員における訪問看護の実施時間の1日当たりの平均が120分以上である場合

[施設基準]

(1)高齢者向け住まい等に併設又は隣接する訪問看護ステーションであること。

(2)届出時に、訪問看護ステーションが併設又は隣接する高齢者向け住まい等の建物であって、包括型訪問看護療養費を算定する利用者が居住する建物を訪問看護ステーションにつき1か所指定し、その建物を単位として指定訪問看護を行うものであること。

(3)包括型訪問看護療養費の届出は訪問看護ステーションごとに行う必要があり、建物に訪問看護ステーションのサテライトのみが併設又は隣接している場合には届出を行うことはできない。ただし、包括型訪問看護療養費を届け出た訪問看護ステーションが、当該建物以外の場所にサテライトを設置し、そのサテライトから建物に居住していない他の利用者へ包括型訪問看護療養費を算定しない指定訪問看護を実施することは差し支えない。

(4)医療安全及び衛生管理に関する組織的な取組みを行っていること。

(5)合同の研修及び事例検討会等の地域の保険医療機関又は訪問看護ステーションとの連携について相当な実績を有すること。

(6)厚生労働大臣が実施する次の調査に適切に参加すること。
①包括型訪問看護療養費を算定する利用者の状態や指定訪問看護の実施状況等について毎年実施される調査
②中央社会保険医療協議会の要請に基づき、①の調査を補完することを目的として随時実施される調査

(7)指定訪問看護に係る記録は電子的に行うこと。

(8)看護職員等については、包括型訪問看護療養費を算定する利用者及び同一建物に居住する他の利用者であって訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定する利用者において、それぞれの算定要件を満たす訪問看護を実施するに十分な配置を行うこと。

(9)包括型訪問看護療養費の1、2及び3のハ又はニを算定する利用者に対しては、当該訪問看護ステーションにおいて、夜間帯(午後6時から午前8時までをいう。)の対応を行う看護職員の数は、常時1名以上(ただし、当該訪問看護ステーションにおいて1、2及び3のハ又はニを算定する利用者の数の合計が31以上80以下の場合は2以上、81以上の場合50又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上)、当該建物において、計画的な指定訪問看護を実施しているか、随時の指定訪問看護に対応出来る状況で勤務していること。

(10)夜間の対応を行う看護職員においては、包括型訪問看護療養費を算定する利用者への指定訪問看護の実施に影響を与えない範囲であれば、建物内の包括型訪問看護療養費を算定しない他の利用者への指定訪問看護に従事することも可能であるが、建物外の利用者への指定訪問看護の実施等との兼務はできない。

(11)看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制が整備されていること。

経過措置

(1)施設基準の(5)に規定する地域の保険医療機関等との連携に関する相当な実績は、令和9年5月31日までの間に限り基準に該当するものとみなす。

【参照元】
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)(令和8年2月13日)
◯答申 総-1 個別改定項目について