令和8年診療報酬改定の内容

医療DX関連施策の進捗状況を踏まえ、普及した関連サービスの活用を基本としつつ、更なる関連サービスの活用による質の高い医療の提供を評価する観点から、診療録管理体制加算、医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の評価を見直す。

【解説動画】*厚生労働省

【説明資料】

(参考:厚生労働省説明スライド 32頁より

第2 具体的な内容

1.医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算を廃止し、診療録管理体制加算におけるサイバーセキュリティ対策に係る要件を見直した上で、初診料、再診料、外来診療料及び入院料加算として、電子的診療情報連携体制整備加算を新設する。

改定案現行
医科診療報酬点数表
【A000 初診料】
[算定要件]
注1~14(略)
15 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、電子的診療情報連携体制整備加算として、月1回に限り、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。この場合において、区分番号A001に掲げる再診料の注11に規定する明細書発行体制等加算は別に算定できない。
医科診療報酬点数表
【A000 初診料】
[算定要件]
注1~14(略)
15 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して十分な情報を取得した上で初診を行った場合は、医療情報取得加算として、月1回に限り1点を所定点数に加算する。
イ 電子的診療情報連携体制整備加算1 15点(新設)
ロ 電子的診療情報連携体制整備加算2 9点(新設)
ハ 電子的診療情報連携体制整備加算3 4点(新設)
(削除)16 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、医療DX推進体制整備加算として、月1回に限り、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。 
イ~ヘ (略)
【A001 再診料】
[算定要件]
注1~10(略)
11 個別の費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書の発行等につき別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)を受診した患者については、明細書発行体制等加算として、1点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号A000に掲げる初診料の注15及び区分番号A001に掲げる再診料の注19に規定する電子的診療情報連携体制整備加算は別に算定できない。
【A001 再診料】
[算定要件]
注1~10(略)
11 個別の費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書の発行等につき別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)を受診した患者については、明細書発行体制等加算として、1点を所定点数に加算する。
12~18(略)12~18(略)
19 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して再診を行った場合は、電子的診療情報連携体制整備加算として、に1回に限り2点を所定点数に加算する。この場合において、注11に規定する明細書発行体制等加算は別に算定できない。19 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して十分な情報を取得した上で再診を行った場合は、医療情報取得加算として、3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。
20(略)20(略)
【A002 外来診療料】
[算定要件]
注1~9(略)
10 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関を受診した患者に対して再診を行った場合は、電子的診療情報連携体制整備加算として、に1回に限り2点を所定点数に加算する。
【A002 外来診療料】
[算定要件]
注1~9 (略) 
10 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して十分な情報を取得した上で再診を行った場合は、医療情報取得加算として、3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。 
11(略) 11(略)
歯科診療報酬点数表
【A000 初診料】
[算定要件]
注1~13(略)
14 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た歯科診療を実施する保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、電子的歯科診療情報連携体制整備加算として、月1回に限り、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。この場合において、区分番号A002に掲げる再診料の注10に規定する明細書発行体制等加算は別に算定できない。
歯科診療報酬点数表
【A000 初診料】
[算定要件]
注1~13(略)
14 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす歯科診療を実施している保険医療機関を受診した患者に対して十分な情報を取得した上で初診を行った場合は、医療情報取得加算として、月1回に限り1点を所定点数に加算する。
イ 電子的歯科診療情報連携体制整備加算1 9点(新設)
ロ 電子的歯科診療情報連携体制整備加算2 4点(新設)
(削除)15 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た歯科診療を実施している保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、医療DX推進体制整備加算として、月1回に限り、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ~ヘ(略)
15(略)16(略)
【A002 再診料】
注1~9(略)
10 個別の費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書の発行等につき別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)を受診した患者については、明細書発行体制等加算として、1点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号A000に掲げる初診料の注14及び区分番号A002に掲げる再診料の注11に規定する電子的歯科診療情報連携体制整備加算は別に算定できない。 
【A002 再診料】
注1~9(略)
10 個別の費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書の発行等につき別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)を受診した患者については、明細書発行体制等加算として、1点を所定点数に加算する。
11 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た歯科診療を実施する保険医療機関を受診した患者に対して再診を行った場合は、電子的歯科診療情報連携体制整備加算として、に1回に限り2点を所定点数に加算する。この場合において、注10に規定する明細書発行体制等加算は別に算定できない。11 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす歯科診療を実施している保険医療機関を受診した患者に対して十分な情報を取得した上で再診を行った場合は、医療情報取得加算として、3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。
12(略)12(略)
[施設基準]
(削除)
[施設基準]
三の七 医療情報取得加算の施設基準
三の七 医科初診料、再診料及び外来診療料の電子的診療情報連携体制整備加算並びに歯科初診料及び再診料の電子的歯科診療情報連携体制整備加算の施設基準
(1) 電子的診療情報連携体制整備加算1の施設基準
イ 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令第一条に規定する電子情報処理組織の使用による請求を行っていること。
ロ 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十五号。以下「療担規則」という。)第五条の二第二項及び第五条の二の二第一項に規定する明細書並びに高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準(昭和五十八年厚生省告示第十四号。以下「療担基準」という。)第五条の二第二項及び第五条の二の二第一項に規定する明細書を患者に無償で交付していること。ただし、保険医療機関及び保険医療養担当規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部を改正する省令(平成二十八年厚生労働省令第二十七号)附則第三条又は高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準の一部を改正する件(平成二十八年厚生省告示第五十号)附則第二条に規定する正当な理由に該当する場合は、療担規則第五条の二の二第一項及び療担基準第五条の二の二第一項に規定する明細書を無償で交付することを要しない。
ハ 健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
ニ 医師又は歯科医師が、健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診療を行う診察室、手術室又は処置室等において、閲覧又は活用できる体制を有していること。
ホ 健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認に係る十分な実績を有していること。
ヘ ロの体制に関する事項、医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。
ト への掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。
チ マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制を有していること。
リ 電磁的記録をもって作成された処方箋を発行する体制又は調剤した薬剤に関する情報を電磁的記録として登録する体制を有していること。
ヌ 電磁的方法により診療情報を共有し、活用する体制を有していること。
(2) 電子的診療情報連携体制整備加算2及び電子的歯科診療情報連携体制整備加算1の施設基準
(1)のイからチまで及びリ又はヌのいずれかを満たすものであること。
(3) 医科初診料の電子的診療情報連携体制整備加算3、医科再診料及び外来診療料の電子的診療情報連携体制整備加算並びに歯科初診料の電子的歯科診療情報連携体制整備加算2及び歯科再診料の電子的歯科診療情報連携体制整備加算の施設基準
(1)のイからチまでを満たすものであること。
(新設)
(削除)三の八 医療DX推進体制整備加算の施設基準
【A207 診療録管理体制加算】
[算定要件]
医科診療報酬点数表
1 診療録管理体制加算1 100点
2 診療録管理体制加算2 30点
(削除)
【A207 診療録管理体制加算】
[算定要件]
医科診療報酬点数表
1 診療録管理体制加算1 140点
2 診療録管理体制加算2 100点
3 診療録管理体制加算3 30点
[施設基準]
七 診療録管理体制加算の施設基準
(1) 診療録管理体制加算1
イ 患者に対し診療情報の提供が現に行われていること。
ロ 診療記録の全てが保管及び管理されていること。
ハ 診療記録管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
ニ 中央病歴管理室等、診療記録管理を行うにつき適切な施設及び設備を有していること。
ホ 入院患者について疾病統計及び退院時要約が適切に作成されていること。
(削除)
[施設基準]
七 診療録管理体制加算の施設基準
(1) 診療録管理体制加算1
イ 患者に対し診療情報の提供が現に行われていること。
ロ 診療記録の全てが保管及び管理されていること。
ハ 診療記録管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
ニ 中央病歴管理室等、診療記録管理を行うにつき適切な施設及び設備を有していること。
ホ 入院患者について疾病統計及び退院時要約が適切に作成されていること。
ヘ 非常時における対応につき十分な体制が整備されていること。
(2) 診療録管理体制加算2
イ (1)のイ、ロ及びニを満たすものであること。
(2) 診療録管理体制加算2
(1)のイからホまでを満たすものであること。
ロ 診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。(新設)
ハ 入院患者について疾病統計及び退院時要約が作成されていること。(新設)
(削除)(3) 診療録管理体制加算3
【A207-5 電子的診療情報連携体制整備加算】
[算定要件]
1 電子的診療情報連携体制整備加算1 160点
【A207-5 電子的診療情報連携体制整備加算】
[算定要件]
(新設)
2 電子的診療情報連携体制整備加算2 80点(新設)
注 電子的診療情報連携体制その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は第3節の特定入院料のうち、電子的診療情報連携体制整備加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、当該基準に係る区分に従い、入院初日に限り所定点数に加算する。(新設)
[施設基準]
七の五 電子的診療情報連携体制整備加算
(1) 電子的診療情報連携体制整備加算1の施設基準
イ 第三の三の七の(1)のイからチまでを満たすものであること。
ロ 非常時における対応につき十分な体制が整備されていること。
(2) 電子的診療情報連携体制整備加算2の施設基準
イ 第三の三の七の(1)のイからチまでを満たすものであること。
ロ 非常時における対応につき必要な体制が整備されていること。
[施設基準]
(新設)

2.在宅医療DX情報活用加算の電子カルテ情報共有サービスに係る要件の経過措置を延長する。

改定案現行
【在宅医療DX情報活用加算】
[施設基準(通知)]
第14の5 在宅医療DX情報活用加算
1・2(略)
3 届出に関する事項
(1)(略)
(2) 1の(5)については、当面の間、当該基準を満たしているものとみなす。ただし、保険医療機関は、国等が全国で電子カルテ情報共有サービスの運用を開始した場合には、速やかに導入するように努めること。
【在宅医療DX情報活用加算】
[施設基準(通知)]
第14の5 在宅医療DX情報活用加算
1・2(略)
3 届出に関する事項
(1)(略)
(2) 1の(5)については令和8年5月31日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。
(削除)(3) 令和8年5月31日までの間に限り、1の(6)のウの事項について、掲示を行っているものとみなす。

3.調剤報酬における医療情報取得加算を廃止する。

改定案現行
【調剤管理料】
[算定要件]
注1~5(略)
(削除)
【調剤管理料】
[算定要件]
注1~5(略)
6 調剤に係る十分な情報を取得する体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局(注3に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、医療情報取得加算として、1年に1回に限り1点を所定点数に加算する。

4.調剤報酬における医療DX推進体制整備加算を電子的調剤情報連携体制整備加算に改称し、評価区分を1つにするとともに、電子処方箋システムによる重複投薬等チェックを行う体制を有することを要件に追加する。

改定案現行
【調剤基本料】
[算定要件]
注1~12(略)
13 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、電子的調剤情報連携体制整備加算として、月1回に限り、8点を所定点数に加算する。
【調剤基本料】
[算定要件]
注1~12(略)
13 医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において調剤を行った場合は、医療DX推進体制整備加算として、月1回に限り、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
(削除)イ 医療DX推進体制整備加算1 10点
(削除)ロ 医療DX推進体制整備加算2 8点
(削除)ハ 医療DX推進体制整備加算3 6点
[施設基準]
五の四 電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準
(1) 電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準
イ~ハ(略)
ニ 電磁的記録をもって作成された処方箋を受け付ける体制、調剤した薬剤に関する情報を電磁的記録として登録する体制及び患者の服用する薬剤における有効成分の重複その他薬学的知見の観点から不適切な組合せの有無を電磁的記録に基づいて確認する体制を有していること。
[施設基準]
五の四 医療DX推進体制整備加算の施設基準
(1) 医療DX推進体制整備加算1の施設基準
イ~ハ(略)
ニ 電磁的記録をもって作成された処方箋を受け付ける体制及び調剤した薬剤に関する情報を電磁的記録として登録する体制を有していること。
ホ~ヌ(略) ホ~ヌ(略)
(削除)(2) 医療DX推進体制整備加算2の施設基準
(削除)(3) 医療DX推進体制整備加算3の施設基準

5.調剤報酬の電子的調剤情報連携体制整備加算(現在の医療DX推進体制整備加算)の電子カルテ情報共有サービスに係る要件の経過措置を延長する。

改定案現行
【電子的調剤情報連携体制整備加算】
[施設基準(通知)]
第95の2 電子的調剤情報連携体制整備加算
1 電子的調剤情報連携体制整備加算に関する施設基準
(1)~(13)(略)
【医療DX推進体制整備加算】
[施設基準(通知)]
第95の2 医療DX推進体制整備加算
1 医療DX推進体制整備加算1に関する施設基準
(1)~(13)(略)
(削除)2 医療DX推進体制整備加算2に関する施設基準
(削除)3 医療DX推進体制整備加算3に関する施設基準
 届出に関する事項
(1)(略)
(2) 1の(6)については、当面の間、当該基準を満たしているものとみなす。ただし、保険薬局は、国等が全国で電子カルテ情報共有サービスの運用を開始した場合には、速やかに導入するように努めること。
 届出に関する事項
(1)(略)
(2) 1の(6)については令和8年5月31日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。
(3)(略)(3)(略)
(削除) (4) 令和8年5月31日までの間に限り、1の(10)の(ハ)の事項について、掲示を行っているものとみなす。

【参照元】
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)(令和8年2月13日)
◯答申 総-1 個別改定項目について