厚生労働省は13日、「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」について事務連絡を通知しました。
本Q&Aは、同日付けで通知された「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」の内容について、事業所・自治体からの照会が想定される事項をまとめたものです。
なお、令和7年度中の処遇改善加算の取扱いは本Q&Aの対象外であり、「介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A(第2版)」(令和7年3月17日付け事務連絡)が引き続き適用されます。
本Q&Aは下記の9カテゴリで構成されており、今後も随時更新される予定です。
・賃金改善方法・対象経費
・対象者・対象事業者
・月額賃金改善要件
・キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ
・キャリアパス要件Ⅳ
・キャリアパス要件Ⅴ
・職場環境等要件
・令和8年度特例要件
・その他
(以下、Q&Aから一部抜粋)
【賃金改善方法・対象経費】
問1-1 賃金改善の基準点はいつの時点になるのか。
(答) 賃金改善の額は、処遇改善加算を原資として賃金改善を実施した後の実際の賃金水準と、処遇改善加算を算定しない場合の賃金水準との比較により、各介護サービス事業者等において算出する。その際、処遇改善加算を算定しない場合の賃金水準は、原則として、初めて処遇改善加算、介護職員処遇改善加算(以下「旧処遇改善加算」という。)、介護職員等特定処遇改善加算(以下「旧特定加算」という。)若しくは介護職員等ベースアップ等支援加算(以下「旧ベースアップ等加算」という。)又は交付金等を算定した年度の前年度における賃金水準とする。
ただし、介護サービス事業者等における職員構成の変動等により、初めて処遇改善加算若しくは旧3加算又は交付金等を算定した年度の前年度における賃金水準を推計することが困難な場合又は現在の賃金水準と比較することが適切でない場合は、処遇改善加算を算定しない場合の賃金水準を、処遇改善加算を除いた介護報酬の総単位数の見込額に基づく営業計画・賃金計画を策定した上で試算する等の適切な方法により算出し、賃金改善額を算出することとしても差し支えない。
また、介護サービス事業所等を新規に開設した場合については、処遇改善加算を算定しない場合の賃金水準を、処遇改善加算を除いた介護報酬の総単位数の見込額に基づく営業計画・賃金計画を策定する等の適切な方法により算出した上で試算する等の適切な方法により算出し、賃金改善額を算出することとしても差し支えない。
問1-8-1 賃金改善実施期間の設定について。
(答) 賃金改善の実施月(以下「支給時期」という。)については、必ずしも算定対象月と同一ではなくても差し支えないが、次のいずれかのパターンの中から、事業者が任意に選択することとする。なお、配分のあり方について予め労使の合意を得るよう努めること。
(例:6月に算定する処遇改善加算の配分について)
① 6月の労働時間に基づき、6月中に見込額で職員に支払うパターン
② 6月の労働時間に基づき、7月中に職員に支払うパターン
③ 6月サービス提供分の介護報酬が、7月の国保連の審査を経て、8月に各事業所に振り込まれるため、8月中に職員に支払うパターン
問1-9 実績報告において賃金改善額が処遇改善加算の加算額を下回った場合、加算額を返還する必要があるのか。
(答) 処遇改善加算の算定要件は、賃金改善額が加算額以上となることであることから、賃金改善額が加算額を下回った場合、算定要件を満たさないものとして、加算の返還の対象となる。
ただし、不足する部分の賃金改善を賞与等の一時金として介護職員等に追加的に配分することで、返還を求めない取扱いとしても差し支えない。
問1-11 事業悪化等により、賃金水準を引き下げることは可能か。
(答) サービス利用者数の大幅な減少などによる経営の悪化等により、事業の継続が著しく困難であると認められるなどの理由があっても、賃金水準を引き下げる場合には、合理的な理由に基づき適切に労使の合意を得る必要がある。
また、賞与等において、経常利益等の業績に連動して支払額が変動する部分が業績に応じて変動することを妨げるものではないが、処遇改善加算に係る賃金改善は、こうした変動と明確に区分されている必要がある。
【対象者・対象事業者】
問2-1 賃金改善の対象者はどのように設定されるのか。
(答) 処遇改善加算の各事業所内における配分については、介護職員、特に経験・技能のある介護職員の処遇改善が重要であることに留意しつつ、事業所内で柔軟な配分を認めることとする。
問2-1-2 処遇改善加算の事業所内での配分について、対象範囲如何。
(答) 処遇改善加算の各事業所内における配分については、事業所内で柔軟な配分を認めることとしており、対象には介護職員以外の全職種が含まれる。介護事業所に勤務する介護職員以外の主な職種として、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、准看護師、
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、機能訓練指導員(看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師等)、精神保健福祉士、介護支援専門員、計画作成担当者、社会福祉士、生活相談員・支援相談員、管理栄養士、栄養士、歯科衛生士、調理員、その他の事務職等が想定される。
問2-2 処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額440万円以上である職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることは可能か。
(答) 旧特定加算に係る従前の取扱いと異なり、令和6年度以降は、処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額440万円以上である職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることができることとしている。
問2-4 介護職員その他の職員が派遣労働者の場合であっても、処遇改善加算の対象となるのか。
(答) 派遣労働者であっても、処遇改善加算の対象とすることは可能であり、賃金改善を行う方法等について派遣元と相談した上で、対象とする派遣労働者を含めて処遇改善計画書や実績報告書を作成すること。その際、処遇改善加算を原資とする派遣料等の上乗せが、派遣元から支払われる派遣職員の給与に上乗せされるよう、派遣元と協議すること。
【月額賃金改善要件】
問3 月額賃金改善要件について、一部の職員の収入が減額されるような付け替えは可能か。
(答) 事業所全体の賃金の水準及び個別の各職員の賃金額については、労働組合との労働協約や就業規則等に基づき、労使で協議の上設定されるものである。介護サービス事業所等は、月額賃金改善要件を満たすような配分を行った結果、事業所全体での賃金水準が低下しないようにするだけでなく、各職員の賃金水準が低下しないよう努めること。
【キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ】
問4-10 令和7年度中に要件整備を誓約した上で処遇改善加算を取得していた事業所が、令和7年度中に要件を整備できなかった場合は返還対象となるのか。
(答) 原則として、キャリアパス要件ⅠからⅢまで及び職場環境等要件の要件整備を誓約した上で、令和7年度に処遇改善加算を取得した介護サービス事業所等については、令和7年度の実績報告書において要件の整備について報告しなければ返還対象となる。
ただし、当該介護サービス事業所等が、令和8年度の処遇改善加算の申請時点において、令和8年度特例要件について満たしている場合(令和8年度特例要件に係る取組を行うことを誓約する場合を含む。)に限り、令和8年度の処遇改善計画書において、再度キャリアパス要件ⅠからⅢまで及び職場環境等要件の要件整備の誓約を行った上で、令和8年4月以降も処遇改善加算を取得する場合は、令和7年度の処遇改善加算の算定額について返還を求めない取扱いとする。
【キャリアパス要件Ⅳ】
問5-3 キャリアパス要件Ⅳを満たす職員は、経験・技能のある介護職員である必要はあるか。
(答) 経験・技能のある介護職員については、勤続年数10年以上の介護福祉士を基本としつつ、各事業所の裁量において設定が可能である。例えば、小規模の事業所であって、介護福祉士の資格を有する者がいない場合には、介護福祉士の資格を有さない者を「経験・技能のある介護職員」としてキャリアパス要件Ⅳを満たす職員に計上して差し支えない。
なお、「勤続10年の考え方」については、勤続年数を計算するに当たり、同一法人のみだけでなく、他法人や医療機関等での経験等も通算する、すでに事業所内で設けられている能力評価や等級システムを活用するなど、10年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とするなど、各事業所の裁量により柔軟に設定可能である。
【職場環境等要件】
問7-1 職場環境等要件の28項目について、毎年、新規に取組を行う必要はあるのか。
(答) 処遇改善加算を前年度から継続して算定する場合、職場環境等要件を満たすための取組については従前の取組を継続していればよく、当該年度において新規の取組を行う必要まではない。
【令和8年度特例要件】
問8-2 令和8年度特例要件を満たすに当たっては、ケアプランデータ連携システムに加入することのみで良いのか。
(答) 令和8年度特例要件を満たすに当たっては、ケアプランデータ連携システムへの加入だけではなく、利用することが必要であり、実績報告書において、利用実績について記載することとする。
問8-3 令和8年4月及び5月に処遇改善加算を算定する場合には、令和8年度特例要件を満たす必要があるのか。
(答) 令和8年度特例要件については、基本的には、令和8年6月以降の処遇改善加算の算定に係る要件であり、令和8年4月及び5月に処遇改善加算を算定するための要件としては満たす必要はない。
一方で、令和8年4月及び5月に処遇改善加算を算定する際に、キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ若しくはⅣ又は職場環境等要件について、要件整備の誓約を行い、当該要件を満たしているものとして申請する場合には、令和8年度特例要件について満たしていること(令和8年度特例要件に係る取組を行うことを誓約する場合を含む。)が必要となる。
引用・参考
■ 「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」の送付について(厚生労働省)