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2026.06.29

【書籍】3D解剖モデルと超音波画像で読み解く「運動器超音波解剖学」日本語版が発刊



2026年4月、トップアスリートの筋損傷や靱帯損傷における超音波診断および超音波ガイド下治療の第一人者であるイニゴ・イリアテ・ポッセ氏らにより執筆された運動器超音波の実践書が、初の日本語版として刊行されました。

本書は運動器の診断と治療に関わるあらゆる医療従事者を対象とし、超音波画像と解剖学や病態学を融合。3D解剖モデルで示された画像や病態の説明も詳細に記載されていることが特徴です。

近年、リハビリテーション室に超音波を設置する臨床現場も増えているなかで、理学療法士をはじめとしたリハビリテーション専門職においても超音波を用いた評価・治療に役立つ内容となっています。


解剖と病態を網羅した構成

全身の各部位にわたる「解剖」と「病態(疾患)」を網羅しており、超音波診断の基礎から超音波ガイド下治療まで段階的に解説されています。


左からプローブ位置・横断標本・解剖モデル・超音波画像が掲載


◯ 3D解剖モデルと超音波画像の対応

各部位の理想的なプローブ走査面が3D解剖モデルのイラストレーションとともに示されており、対応する超音波画像と照らし合わせながら学ぶことができます。

3Dモデルによって断面の位置関係が視覚的に示されることで、超音波画像の構造理解を助ける構成となっています。


3方面からプローブを当てた場合の棘下筋や小円筋の超音波画像

膝の伸展機構:解剖モデルと標本

同書では、「なぜこの断面にプローブを当てるのか」「この白い輝度は何の構造か」といった疑問に対し、靱帯の肥厚やエコー輝度の変化、石灰沈着、筋線維の断裂などの所見を示しながら詳しく解説されています。

複数の断面からみた超音波画像とイラストが用いられているため、図説と画像から筋線維、骨、脂肪帯などの所見を多面的に確認することができます。

超音波画像に慣れていない方から経験豊富なセラピストまで幅広く活用できる一冊です。

検査位置に対する超音波画像(B)とMR画像(C)


◯ 病態学から治療方針に役立つ超音波所見

各部位でみられる筋損傷・靱帯損傷・腱障害などの病態や損傷の分類なども収載されており、超音波ガイド下治療についても解説されています。

運動器に関わる主な病態が紹介されているため、整形外科疾患やスポーツ外傷など実際の臨床場面との結びつきを意識しながら学習を進めることができます。


右MCL捻挫の超音波画像

※ 4ヶ月前に大腿骨付着部浅層線維の断裂を受傷した患者の瘢痕性変化を示す。2方面からの画像で血流増加や修復反応などを確認することができる。


◯ 超音波とリハビリテーション

日本物理療法学会が実施したアンケートによれば、超音波機器を設置している施設は増加傾向にあり、筋骨格系の評価や治療への活用が広がっています。

スポーツ現場やリハビリテーション病院・クリニックなど、さまざまな施設で運動器超音波への関心が高まっていることがわかります。

一方で、超音波検査は画像診断の一環として医療行為に位置付けられており、理学療法士が単独で超音波診断を実施することは、医師法との関係から慎重な対応が求められます。

現時点では関連するガイドラインや法令に明確な規定はありませんが、医師の指示または監視下での使用が推奨されています。

解剖学的知識と超音波画像の見方を体系的に学ぶことは、整形外科医やリハビリテーション医との連携をより一層深めることにもつながります。

超音波に関する施設の方針や医師との連携体制を確認したうえで、知識習得のための学習リソースとして本書を活用されてみてはいかがでしょうか。




【書籍概要】

書籍名:運動超音波解剖学- 3D解剖モデル・臨床画像・超音波ガイド下治療 -

原著名:Ultrasound of the Musculoskeletal System:Anatomical Exploration and Pathology

監訳:
熊井 司(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授)
中島 祐子(広島大学医系トランスレーショナル教育研究支援センター特命准教授)

発行:2026年5月
体裁:B5変 頁624 図・写真2278
価格:¥19,800(税込)

引用・参考
■ 運動器超音波解剖学 - 3D解剖モデル・臨床画像・超音波ガイド下治療 -(メディカル・サイエンス・インターナショナルHP)
■ 「超音波画像装置を用いた理学療法士の教育・研究機関及び臨床業務(評価)での使用実態に関するアンケート調査」(日本運動器理学療法学会HP)
■ 掲示板:超音波画像診断装置について(PT-OT-ST.NET)

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