厚生労働省は29日、社会保障審議会介護保険部会を開催し、第10期介護保険計画に向けた「基本指針(案)」にて、地域包括支援センターの職員配置に「リハビリテーション専門職」を明記しました。
基本指針は、市町村が策定する介護保険事業計画と、都道府県が策定する介護保険事業支援計画の作成にあたって、国が示す基本的な考え方や記載事項を定めるものです。
第10期計画は、令和9年度から令和11年度までを対象とし、2040年を見据えた介護サービス提供体制の確保や地域包括ケアシステムの深化などが論点となっています。
地域包括支援センターの体制強化、“リハビリテーション専門職”を明記
今回示された「基本指針(案)」では、地域包括支援センターの設置、適切な運営、評価、体制強化に関する記載も見直されました。
地域包括支援センターについては、今後の高齢化の進展等に伴って増加するニーズに適切に対応するため、業務負担軽減を進めるとともに、体制の整備を図ることが必要であるとしています。
そのうえで、市町村に対し、担当する高齢者人口や相談件数、運営方針、業務評価の結果等を踏まえ、業務量に見合った人員体制を確保することを求めました。
基本指針案では、地域包括支援センターの体制について、「リハビリテーション専門職等の専門職や事務職の配置も含め、必要な体制を検討し、その確保に取り組むことが重要である」と明記されました。
地域包括支援センターは、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントなどを担う地域包括ケアの中核的な機関として、全国の市区町村で運営されています。
介護予防や生活支援、在宅医療・介護連携、認知症施策などとの連携が求められる中、リハビリテーション専門職を含む多職種による体制整備が、基本指針案に位置づけられたことになります。
委員からも関連する発言
会議では、委員からも当該箇所に関連する発言がありました。
逢坂委員(全国市長会、大阪府大東市長)は、地域包括支援センターにおいて、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種以外の専門職の配置が示されたことについて、全国市長会としてもこれまで要望してきた内容であるとして評価しました。
一方で、現状では、これらの専門職がケアプランを担当できないことを課題として指摘。現場ではケアマネジャーが不足しており、重度者のケアプラン対応で手一杯となる中、軽度者のプラン作成に遅れが生じることで、サービス導入にも影響が出ているとしました。
そのうえで、新たに配置される専門職が軽度者のケアプランを担当できるようにすることで、プラン作成の遅れを防ぎ、必要なサービスを円滑に導入できる体制につながるとして、制度上の対応を求めました。
基本指針案の明記、背景にリハ専門職団体による継続的な要望活動
地域包括支援センターへのリハビリテーション専門職の配置をめぐっては、これまでもリハビリテーション専門職3団体や、リハビリテーションを考える議員連盟などから、要望や決議が重ねられてきました。
今回、基本指針案に「リハビリテーション専門職等の専門職」の配置が明記されたことは、こうした継続的な要望活動を踏まえた前進として受け止められます。
基本指針の見直し、今後の議論へ
厚労省は今後、部会での議論を踏まえ、第10期介護保険事業(支援)計画の策定に向けた基本指針の見直しを進めます。
今回の記載は、市町村が地域包括支援センターの体制を検討する際、リハビリテーション専門職の関与をどう位置づけるかという点でも注目されます。
引用・参考:
■ 第135回社会保障審議会介護保険部会(厚生労働省HP)
・資料2-2 基本指針(案)について(新旧案)