7月15日、衆議院厚生労働委員会に、山本香苗議員(中道改革連合)が質疑に立ちました。
山本議員は、理学療法士・作業療法士をはじめとするリハビリテーション専門職の役割や制度上の位置づけをめぐり、治療と仕事の両立支援および地域包括支援センターの人員体制について質問し、上野厚生労働大臣らが答弁しました。
地域包括支援センターのリハ職配置、基本指針に明記も「人員配置基準」は据え置き
山本議員は、6月29日の介護保険部会で示された第10期介護保険事業計画の基本指針案にて、地域包括支援センターにリハビリテーション専門職が明記された一方で、人員配置基準の見直しには至っていない点を指摘しました。
同案では、地域包括支援センターについて、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種に加え、リハビリテーション専門職等の専門職や事務職の配置を含む必要な体制の検討・確保が重要である旨が新たに明記されました。
山本議員は、保健師・主任ケアマネの確保が困難な自治体が少なくない一方、リハビリテーション専門職の配置が介護予防・自立支援や多職種連携の充実を通じてセンターの機能強化につながるとの厚生労働省の調査研究結果もあると説明。
現状の「基本指針案」では、人員配置基準そのものの見直しには至っていない点を指摘し、リハビリテーション専門職を対象職種に追加するなど人員配置基準の見直しを求めました。
これに対して、上野厚生労働大臣は、「市町村が地域の実情に応じてリハビリテーション専門職を追加配置することは現行制度でも可能であり、次期介護保険事業計画に係る国の方針でもこの点を明示して自治体の検討を促す」との考えを示しました。
また、「リハビリテーション3職種の確保が困難な地域では、準ずる者の配置を認める弾力的運用も行っている」とした上で、配置基準のあり方については関係者の意見を聞きながら必要な検討を行う考えを答弁しました。
これに対し山本議員は、現行の「地域の実情に応じた追加配置」はあくまで委託の範囲内にとどまり、人員配置基準上のカウントにはならないため実質的に機能していないと反論。
困難な状況下でも配置を実現している大阪の大東市の例を挙げ、「こうした取り組みが地域包括ケアの機能強化だけでなく、必要なサービスを必要な期間提供する形での介護給付の適正化にもつながっている」と強調し、配置基準の見直しを重ねて要望しました。
両立支援加算の対象職種、リハ専門職は未収載
山本議員は、「
療養・就労両立支援指導料」の相談支援加算の対象職種にリハビリテーション専門職が含まれていない点についても指摘しました。
リハビリテーション専門職は、脳卒中患者の復職・就労継続支援において身体機能や高次脳機能の評価、通勤動作や職務遂行能力の見極めなどで中心的な役割を担っていると説明し、見直しを提起しました。
これに対して、上野厚生労働大臣は、循環器病対策推進基本計画で脳卒中患者への多職種アプローチの重要性が示されていることに触れ、「リハビリテーション専門職は治療と仕事の両立支援において重要な役割を担っていると認識している」と答弁。
一方、相談支援加算の対象職種の見直しについては、現場の実態やエビデンスを踏まえ、必要に応じて中央社会保険医療協議会(中医協)で議論するとの応答にとどまりました。
山本議員は、退院後に就労を目的としたリハビリテーションを受けている患者が少ないとの調査結果を紹介し、対象職種にリハビリテーション専門職が含まれていないことがその一因ではないかと重ねて指摘しました。
脳卒中患者の両立支援、指導料の算定期間延長も課題残る
山本議員は、「療養・就労両立支援指導料」は令和8年度診療報酬改定で算定可能期間が3カ月から6カ月に延長された一方で、脳卒中患者は自宅退院後6カ月以降に復職支援が本格化する実態があり、最も支援が必要な時期に算定できないケースがあると指摘しました。
京都大学医学部附属病院脳卒中医療支援センターへの視察でヒアリングした内容を踏まえ、同指導料について、疾患特性に応じたさらなる制度見直しを求めました。
これを受けて、間保険局長は、今回の改定内容の検証を行いながら、関係者の意見を聞いた上で必要に応じて中医協で議論する考えを示しました。
引用・参考:
■ 地域包括支援センターの体制強化へ 基本指針案にリハ専門職等の配置を明記(PT-OT-ST.NET)
■ 第135回社会保障審議会介護保険部会(厚生労働省HP)
・資料2-2 基本指針(案)について(新旧案)
■ 令和8年診療報酬改定.療養・就労両立支援指導料の見直し(PT-OT-ST.NET)
■ B001-9 療養・就労両立支援指導料|通知・留意事項・施設基準(PT-OT-ST.NET)
■ 治療しながら働く人を支える “両立支援コーディネーター” とは?(PT-OT-ST.NET)
■ 衆議院インターネット審議中継