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2012.04.30

「訪問リハビリ」制度改定後の混乱。老健は医師の診察は難しい・・

訪問リハビリテーションは医師の診察頻度を緩和するなどの制度改訂だったが、「老人保健施設の医師が定期的に診察(往診)行うことは実質難しい。」「主治医とリハビリの指示をする医師の2重診察の負担が依然と残されている。」さらに、「『診察』の取り扱いについて解釈の混乱が続いている」など、介護報酬改訂が施行され1ヶ月が経過したが混乱の声が多く上がっている。 ところで、訪問リハビリを提供する病院等の医師の「診察」は解釈はどうなっているのか? また、なぜ、ローカルルールという地域によって「診察」の解釈が違うのだろうか? 制度改訂で示された訪問リハビリの取り扱いを整理してみる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■介護報酬改訂(訪問リハビリテーション) 訪問リハビリテーションは、指示を行う医師の診療の日から三月以内に行われた場合に算定する。また、別の医療機関の医師から情報提供を受けて、訪問リハビリテーションを実施した場合には、情報提供を行った、医療機関の医師による当該情報提供の基礎となる診療の日から三月以内に行われた場合に算定する。 この場合、少なくとも三月に一回は、リハビリテーションの指示を行った医師は当該情報提供を行った医師に対してリハビリテーションによる利用者の状況の変化等について情報提供を行う。なお指示を行う医師の診療の頻度については利用者の状態に応じ、医師がその必要性を適切に判断する。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この赤文字の部分がポイントになるが、『厚生労働省は「診察」と「診療」あえて使い分けているらしい。記載は「診療」なので必ずしも「診察」を直接示していない。厚生労働省は若干の解釈の柔軟性を持たせてくれている。この紛らわしい表現は、医師や看護等の関連団体の配慮の上に「診療」という言葉に留めていると推察する。  しかしながら、「診療」とは患者を診察し治療することを一般的にイメージすると思われるので、この告知から診察を必須とする指導が行われる可能性が高い。「診察」と「診療の」曖昧な表現はローカルルールという解釈のブレとなっている。 介護報酬改訂は、今まで訪問リハビリで1ヶ月に1回の診察が必須とされていた地域では3ヶ月に1回になっことで大きな緩和となった。しかし、診察が必ずしも求められていなかった地域や老人保健施設など医師の定期的な診察が難しい所では、今回の2重診療の問題がクローズアップされたことで、診察が必要となり訪問リハビリが提供出来なくなったと混乱も生じている所も多い。 今後の訪問リハビリの推移を予測するが、必ずしも今回の制度改定で訪問リハビリの拡充となるかは疑問。 結局は、今回の制度改定では、頻度の緩和が行われていても2重診療の負担は残っている。さらに、訪問看護ステーションの様に主治医が直接指示が出せない問題も残されている。 今後、さらに訪問リハビリの需要は高まる傾向にあるが、今回の制度改訂では医師の診察がボトルネットとなって提供できない、訪問リハビリの拡充を妨げる阻害因子は残ったままである。 今後、更に必要とされる訪問リハビリの拡充を図るためには、訪問看護ステーションのように単独型の事業所(訪問リハビリステーション)として訪問リハビリを提供出来る制度やサービス提供のあり方を見直すことが必要になっている。 明るいニュースとしては、被災地特区では特例的に「訪問リハビリステーション」が認めれた。これをチャンスにしっかりとし実績をあげることで、今後の単独型の訪問リハビリステーションの創設の架け橋となることが期待されている。 次回の介護報酬改訂は3年後となり、この厳しい現状は当面は続くことになり事態は深刻であるが、高齢化社会、地域や在宅でリハビリを必要とする方は待ったなしで増え続けている。今の問題をしっかりと提示し、訪問リハビリの拡充への取り組みが必要であり、確実な次期改訂への見直しが求められている。 2012年4月30日 ■記:友清直樹(ともきよなおき)
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