4月18日、自民党本部にて「医療・介護・福祉の現場を守る緊急集会」が開催され、全国の団体関係者や国会議員ら700名以上が参集した。
会場は立ち見が出るほどの熱気に包まれ、関係団体の代表者が現場の厳しい現状を訴え、大きな注目を集めた。
当日は、日本理学療法士協会の斉藤秀之会長も決意表明に登壇し、「3療法士が安心して働ける環境を整えるため、今後の我が国のリハビリテーション医療の持続可能性を確保するために、早急な全産業平均と同等の賃金の引き上げや経営支援が必要です」と壇上から支援のお願いを述べた。
緊急集会では、「各報酬について、物価・賃金の上昇に応じて適切にスライドする仕組みを導入する」「社会保障関係予算の『目安対応』を物価・賃金の上昇を踏まえた仕組みに見直す」などを求める4項目の要望について、拍手をもって採択された。
拍手で採択された「4つの要望」──308名分の署名を石破総理へ手交
参議院有志議員と団体代表らは、その日のうちに官邸を訪問。国会議員・選挙区支部長ら計308人による署名を、石破茂内閣総理大臣へ直接手交した。
参議院議員の有志議員には、理学療法士の小川かつみ議員、田中まさし議員も名を連ねた。
財務省の姿勢は依然として硬直的──骨太方針に向けて正念場
一方、4月23日に開かれた財政制度等審議会・財政制度分科会では、財務省より「骨太方針2024に沿って、財政フレームの考え方を変える必要はない」との発言があり、社会保障費抑制への強硬な姿勢が改めて示された。
制度の持続可能性が叫ばれる一方で、現場では慢性的な人材不足、処遇の課題、高齢化による需要の増加が深刻さを増している。
こうした状況を鑑み、医療・介護・福祉に関わる専門職・団体・国民一人ひとりの声を、政策に反映させる必要があるとの声が高まっている。
今後の動向と行動の呼びかけ
制度によって報酬が決まる医療・介護・福祉の専門職にとって、政策の方向性は、日々の業務やキャリアに直結する。そして、医療サービスの提供体制や、患者の生活の質(QOL)にも影響が及ぶことが予測される。
今後、6月に予定されている「骨太の方針2025」閣議決定までの動きが、今後の制度設計に大きな影響を与える重要な局面となる。
要望内容や署名賛同議員一覧、団体代表者からのメッセージなどは特設ホームページで閲覧が可能となっている。
引用・参考
■ 自民党有志議員と医療関係団体による「医療・介護・福祉の現場を守る緊急集会」に斉藤会長が登壇しました(日本理学療法士協会HP)
■ 医療・介護・福祉の現場を守る緊急要望 特設ページ
■ 石破茂総理への署名手交の様子(政府広報オンライン)