1日につき80点

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして保険医療機関が地方 厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者(急性期一般入院基本料を現に算 定している患者に限る。)について、ADL維持向上等体制加算として、入院し た日から起算して14日を限度とし、1日につき80点を所定点数に加算する。

令和2年度診療報酬改定 令和2年厚生労働省告示第57号
診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示) 入院料 

ADL維持向上等体制加算を算定するための留意事項

ADL維持向上等体制加算は、急性期医療において、入院中の患者の日常生活機能(以下「ADL」という。)の維持、向上等を目的として、リハビリテーション専門職等が当該病棟において以下のアからケまでに掲げる取組を行った場合であって、あらかじめ専従又は専任を含む常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下(11)において「常勤理学療法士等」という。)をあわせて5名を上限として定めた上で、当該常勤理学療法士等のいずれかが当該病棟で実際に6時間以上(ADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者について、引き続き、区分番号「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料、区分番号「H002」運動器リハビリテーション料、区分番号「H003」呼吸器リハビリテーション料、区分番号「H004」摂食機能療法、区分番号「H005」視能訓練、区分番号「H007」障害児(者)リハビリテーション料、区分番号「H007-2」がん患者リハビリテーション料、区分番号「H007-3」認知症患者リハビリテーション料又は区分番号「H008」集団コミュニケーション療法料(以下(11)において「疾患別リハビリテーション料等」という。)を算定した場合は、1日2時間を超えない範囲でその時間を含んでよい。)勤務した日に限り、患者1人につき入院した日から起算して14日を限度に算定できる。ただし、当該加算の対象となる患者であっても、当該患者に対して疾患別リハビリテーション料等を算定した場合は、当該療法を開始した日から当該加算を算定することはできない。

ア 入院患者に対する定期的なADLの評価は、別紙様式7の2又はこれに準ずる様式を用いて行っていること。

イ 入院患者に対するADLの維持、向上等を目的とした指導を行っていること。

ウ 必要最小限の抑制とした上で、転倒転落を防止する対策を行っていること。

エ 必要に応じて患者の家族に対して、患者の状況を情報提供していること。

オ 入院患者のADLの維持、向上等に係るカンファレンスが定期的に開催されており、医師、看護師及び必要に応じてその他の職種が参加していること。

カ 指導内容等について、診療録等に記載すること。
キ自宅等、想定される退棟先の環境を把握し、退棟後に起こりうるリスクについて、多職種のカンファレンスで共有していること。

ク 必要に応じて他の職種と共同し、機能予後について患者がどのように理解しているかを把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。

ケ 必要に応じて他の職種と共同し、患者が再び実現したいと願っている活動や社会参加等について、その優先順位と共に把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。また、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

厚生労働省 令和2年度診療報酬改定について
令和2年3月5日保医発0305第1号
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)

4の8 ADL維持向上等体制加算の施設基準

急性期一般入院基本料、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)又は10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)を算定する病棟において、以下の基準を満たすこと。

(1)当該病棟に、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が2名以上配置されていること又は専従の理学療法士等が1名、かつ、専任の理学療法士等1名以上が配置されていること。なお、複数の病棟において当該加算の届出を行う場合には、病棟ごとにそれぞれ専従の理学療法士等が配置されていること。また、当該理学療法士等(専従のものに限る。)は、区分番号「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料、区分番号「H002」運動器リハビリテーション料、区分番号「H003」呼吸器リハビリテーション料、区分番号「H004」摂食機能療法、区分番号「H005」視能訓練、区分番号「H006」難病患者リハビリテーション料、区分番号「H007」障害児(者)リハビリテーション料、区分番号「H007-2」がん患者リハビリテーション料、区分番号「H007-3」認知症患者リハビリテーション料及び区分番号「H008」集団コミュニケーション療法料(以下(1)において「疾患別リハビリテーション等」という。)を担当する専従者との兼務はできないものであること。当該理学療法士等(専従のものに限る。)がADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者に対し、引き続き疾患別リハビリテーション等を算定すべきリハビリテーションを提供する場合は、1日6単位まで算定できる。ただし、当該病棟内に区分番号「A308-3」に規定する地域包括ケア入院医療管理料1、2、3又は4を算定する病室がある場合には、当該病室における理学療法士等の業務について兼務しても差し支えない。

(2)当該保険医療機関において、以下のいずれも満たす常勤医師が1名以上勤務していること。

ア リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有していること。

イ 適切なリハビリテーションに係る研修を修了していること。

(3)(2)の要件のうちイにおけるリハビリテーションに係る研修とは、医療関係団体等が開催する急性期のリハビリテーション医療に関する理論、評価法等に関する総合的な内容を含む研修であり、2日以上かつ10時間以上の研修期間で、修了証が交付されるものである。なお、当該研修には、次の内容を含むものである。

ア リハビリテーション概論について(急性期リハビリテーションの目的、障害の考え方、チームアプローチを含む。)

イ リハビリテーション評価法について(評価の意義、急性期リハビリテーションに必要な評価を含む。)

ウ リハビリテーション治療法について(運動療法、作業療法、言語聴覚療法、義肢装具療法及び薬物療法を含む。)

エ リハビリテーション処方について(リハビリテーション処方の実際、患者のリスク評価、リハビリテーションカンファレンスを含む。)

オ 高齢者リハビリテーションについて(廃用症候群とその予防を含む。)

カ 脳・神経系疾患(急性期)に対するリハビリテーションについて

キ 心臓疾患(CCUでのリハビリテーションを含む。)に対するリハビリテーションについて

ク 呼吸器疾患に対するリハビリテーションについて

ケ 運動器系疾患のリハビリテーションについて

コ 周術期におけるリハビリテーションについて(ICUでのリハビリテーションを含む。)

(4)当該病棟の直近1年間の新規入院患者のうち、65歳以上の患者が8割以上、又は、循環器系、新生物、消化器系、運動器系若しくは呼吸器系の疾患の患者が6割以上であること。

(5)アウトカム評価として、以下の基準を全て満たすこと。患者のADLは、基本的日常生活活動度(BarthelIndex)(以下「BI」という。)を用いて評価することとする。

ア 直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADL(「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式7の2の合計得点をいう。以下(5)において同じ。)が入院時と比較して低下した患者の割合が3%未満であること。なお、入院日から起算して4日以内に外科手術を行い、当該外科手術の日から起算して3日目のADLが入院時より30以上低下した場合は、退院又は転棟時におけるADLは、入院時のADLとではなく当該外科手術の日から起算して3日目のADLと比較するものとする。なお、新規に届出をする場合は、直近3月間の実績が施設基準を満たす場合、届出することができる。なお、施設基準を満たさなくなったため所定点数を加算できなくなった後、再度届出を行う場合については新規に届出をする場合には該当しない。

イ 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡(DESIGN-R分類d2以上とする。)を保有している入院患者の割合が2.5%未満であること。なお、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出する。ただし、届出時の直近月の初日(以下この項において「調査日」という。)における当該病棟の入院患者数が80人以下の場合は、本文の規定にかかわらず、当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡を保有している入院患者が2人以下であること。

(イ)調査日に褥瘡を保有する患者数のうち、入院時既に褥瘡保有が記録された患者を除いた患者数
(ロ)調査日の入院患者数(調査日の入院又は予定入院患者は含めず、退院又は退院予定患者は含める。)なお、届出以降は、別添7の様式5の4に基づき、院内で発生したDESIGN-R分類d2以上の褥瘡を保有している入院患者の割合を調査すること。

(6)疾患別リハビリテーション料又はがん患者リハビリテーション料の届出を行っていること。

厚生労働省 令和2年度診療報酬改定について
令和2年3月5日保医発0305第1号
基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)