東京都は令和8年度予算案において、「ビジネスケアラー」(働きながら介護を担う人)への支援策として、介護保険外サービスの利用にかかる費用も助成する新たな制度を盛り込みました。
都道府県が介護離職防止を目的に保険外サービスの利用支援に踏み込むのは、全国で初めての試みとなります。
介護離職の現状
東京都によると、都内で介護を理由に離職する人の数は年間およそ8,500人で推移しており、そのうちの半数が介護開始から半年以内に仕事を辞めている実態があります。
こうした現状を受け、東京都はビジネスケアラーとなった初期段階での集中的な支援が重要であると判断しました。
新制度の概要:中小企業に最大100万円の奨励金
新たな支援制度では、ビジネスケアラーへの支援体制を整える都内の中小企業に対し、最大100万円の奨励金を支給すると示されています。
介護保険サービスだけでは必ずしも十分でない実情を踏まえ、保険外サービスの利用もカバーする点が本制度の特徴です。
同事業では、実際に親などの介護に直面している社員に対してクーポンを配布される予定です。またクーポンは、在宅領域のケアなどに関わる保険外サービスの利用にも使えるようにする方針となっています。
「保険外サービス」の活用拡大という大きな流れ
保険外サービスをめぐっては、近年、国レベルでも活用促進の動きが加速しています。
財務省が財政制度等審議会(財政審)に示した資料でも、自治体の「ローカルルール」を見直し、保険外サービスの柔軟な運用を認める方向性が示されました。
関連記事はこちらまた、経済産業省が公表した「保険外サービス産業の振興に向けた取りまとめ」でも、保険外サービスを地域で育てていく重要性が提示されており、官民両面での機運が高まっています。
東京都が今回の予算案でこの流れに乗り出したことで、在宅での介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせる動きが、全国的にさらに広がっていくことが期待されます。
令和8年度東京都予算案の全体像
今回の予算案が含まれる令和8年度東京都予算の一般会計総額は9兆6,530億円(前年度比+4,950億円)。
「2050東京戦略」の実現に向け、「人が輝き、活力に溢れ、安全・安心な東京」を目指す施策が積極的に展開されています。
介護・福祉関連では、今回の保険外サービス支援のほか、以下の新規・拡充施策も盛り込まれています。
詳細は東京都財務局の予算案ページをご確認ください。
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令和8年度東京都予算案(東京都財務局)
保険外サービスを活用した事業の推進
在宅領域における保険外サービスの活用が広がることは、リハビリテーション専門職が関わる場面にも影響が生じてくる可能性があります。
保険内・外を問わず、ケアマネジャーや企業の相談窓口と連携しながら、利用者の生活を支える仕組みへの理解と対応が、今後ますます重要になってくることが予想されます。
引用・参考
■ 令和8年度東京都予算案(東京都財務局)