6月17日、厚生労働省は令和8年度診療報酬改定に関する「疑義解釈(その8)」を事務連絡しました。
疑義解釈(その8)では、リハビリテーションに係る主な事項として下記の解釈が示されています。
◯ リハビリテーション実施計画書の説明記録の取扱い
◯ 摂食嚥下機能回復体制加算におけるリハ専門職による説明の取扱い
◯ 回復期リハビリテーション入院医療管理料の届出の考え方
◯ 心不全再入院予防継続管理料における理学療法士の位置づけ
◯ 訪問看護ステーションにおける利用者紹介の対価提供の禁止
【リハビリテーション通則】
問12 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和8年3月5日保医発0305第6号)」第7部リハビリテーション通則4において、「リハビリテーション実施計画書の写しに説明日及び説明者の記載がない場合は、診療録に記載すること」とされているが、医師以外の職種が説明を行った場合はどのように記載すればよいか。
(答) 医師以外の職種が説明を行った場合は、診療記録のうち診療録以外の部分に記載して差し支えない。
【摂食嚥下機能回復体制加算】
問13 摂食嚥下機能回復体制加算の算定要件として、摂食嚥下支援計画書を作成し、「その内容を患者又はその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付すること」とされているが、説明を行うのはリハビリテーション実施計画書と同様、医師又は医師の指示を受けた看護師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士でよいのか。
(答) そのとおり。ただし、「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料又は「A319」特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定している患者について、リハビリテーション総合実施計画書の一部として当該計画書を作成した場合には、医師により説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。
【回復期リハビリテーション入院医療管理料】
問5 「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料における回復期リハビリテーション入院医療管理料の施設基準において、「当該保険医療機関を中心とした半径十二キロメートル以内に当該保険医療機関以外の保険医療機関が回復期リハビリテーション病棟入院料1から5までを届け出ていないこと」とあるが、回復期病床が著しく少ない二次医療圏であっても、半径十二キロメートル以内に回復期リハビリテーション病棟入院料を届け出ている保険医療機関がある場合は、別の保険医療機関が回復期リハビリテーション入院医療管理料を届け出ることはできないのか。
(答) 回復期リハビリテーション入院医療管理料を届け出ようとする保険医療機関が以下を全て満たす場合に限り、半径十二キロメートル以内に当該保険医療機関以外の保険医療機関が回復期リハビリテーション病棟入院料1から5までを届け出ていない場合に準じて、当該入院医療管理料の届出を認める。
・半径十キロメートル以内に他に回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する病棟がないこと。
・届出時点において、当該保険医療機関が回復期リハビリテーション入院医療管理料を届け出た場合であっても、二次医療圏内の回復期リハビリテーション病棟入院料(回復期リハビリテーション入院医療管理料を含む)を算定する病床数が人口10万対50床以下であること。
・半径十二キロメートル以内の回復期リハビリテーション病棟を有する他の保険医療機関が1以下であり、当該保険医療機関が合意していること。
・二次医療圏や構想区域内で回復期リハビリテーション病棟の新設又は増床の計画が当面ないことを都道府県に確認したうえで、当該保険医療機関が回復期リハビリテーション入院医療管理料を届け出ることについて、都道府県が必要性に同意していることが分かる文書(都道府県が主催する会議の議事録等でも可)を地方厚生局(支)長へ提出していること。
・二次医療圏又は構想区域内における適切な回復期リハビリテーション機能の提供と質の確保の観点から、脳血管疾患等リハビリテーション料(I)又は運動器リハビリテーション料(I)を届け出たうえで、病棟のうち16床以上を一体的な区域として特定し、回復期リハビリテーション入院医療管理料として届け出ること。
【心不全再入院予防継続管理料】
問6 「B001-10」心不全再入院予防継続管理料の施設基準について、心不全再入院予防チームに薬剤師及び理学療法士が所属してもよいか。また、所属した場合には、心不全の予防指導に係る適切な研修を修了することが望ましいという理解でよいか。
(答) いずれもそのとおり。
問7 心不全再入院予防継続管理料1及び2の施設基準において「当該保険医療機関が所在する地域において、心不全再入院予防継続管理料3を算定する保険医療機関等を対象とし、関係学会により示されているガイドラインを参照した上で、「心不全診療に関する最新治療と多職種連携の意義」についての研修会を年に1回以上実施すること。」とあるが、当該保険医療機関が所在する地域において、心不全再入院予防継続管理料3を算定する医療機関がない場合、当該研修会を開催する必要はあるか。
(答) 研修を開催することは必要。当該管理料は地域連携による心不全管理を評価するものであり、当該保険医療機関が所在する二次医療圏の保険医療機関に参加や連携を呼び掛けること。
【身体的拘束最小化推進体制加算】
問4 「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号)」別添3の第21の5の(2)に規定する「身体的拘束最小化に関する講習」及び(5)に規定する「身体的拘束の最小化に向けた具体的な取組を検討するための委員会」については、新たに届出を行う場合、当該届出を行う日から起算して1年以内に当該講習及び委員会が施設基準に規定する回数又は頻度に係る要件を満たすものとして開催されることが予定されている場合においては、要件を満たしているものと考えて良いか。
(答) 令和8年度中に届け出る場合に限り、届出時に講習及び委員会の開催予定日が分かる書類を添付することにより、届出から1年間は、当該要件を満たしているものとみなして良い。なお、講習又は委員会が予定どおり開催されず、施設基準に規定する回数又は頻度に係る要件を満たさなくなった場合には、直ちに届出を取り下げることが必要になる。
【電子的診療情報連携体制整備加算】
問1 「A000」電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準において、「地域の複数の医療機関間で検査結果や画像情報等を含む診療情報を共有又は閲覧できるネットワーク」とあるが、医療関係職種及び介護関係職種等がICTを用いて記録された情報を共有できるサービスにより、チャットやメーリングリストを用いて診療情報を共有する場合は当該要件を満たすか。
(答) 当該要件を満たすには、診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算又は電子的診療情報評価料の施設基準を満たすネットワークであって、診療情報を提供する保険医療機関が電子カルテ情報を共有し、参加している保険医療機関が随時閲覧できるものであることが必要となる。
したがって、単に医療関係職種等がチャット等により日々の報告や上記の一部の情報を共有するためのネットワークでは、当該要件は満たさない。
(参考)診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算又は電子的診療情報評価料の施設基準
(1)他の医療機関等と連携し、患者の医療情報に関する電子的な送受信又は閲覧が可能なネットワークを構築していること。なお、電子的な送受信又は閲覧が可能な情報には、原則として、検査結果、画像情報、投薬内容、注射内容及び退院時要約が含まれていること(診療所にあっては、画像情報・退院時要約については閲覧できるのみでもよい。)。また、画像診断の所見についても含まれていることが望ましい。
(2)常時データを閲覧できるネットワークを用いる際に、ストレージを活用する場合には、原則として厚生労働省標準規格に基づく標準化されたストレージ機能を有する情報蓄積環境を確保すること(ただし、当該規格を導入するためのシステム改修が必要な場合は、それを行うまでの間はこの限りでない。)。また、診療情報提供書を送付する際には、原則として、厚生労働省標準規格に基づく診療情報提供書様式を用いること。
(3)情報の提供側の保険医療機関においては、提供した診療情報又は閲覧可能とした情報の範囲及び日時が記録されており、必要に応じ随時確認できること。また、情報を提供された側の保険医療機関においては、提供を受けた情報を保管している、又は閲覧した情報及び閲覧者名を含むアクセスログを一年間記録していること。これらの記録について、(1)のネットワークを運営する事務局が保険医療機関に代わって記録を行っている場合は、当該加算・評価料を算定する保険医療機関は、当該事務局から必要に応じて随時記録を取り寄せることができること。
問2 「A000」電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準における「電子処方箋を発行する体制又は調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制を有していること。」という要件について、「疑義解釈資料の送付について(その7)」(令和8年5月29日事務連絡)別添1の問3において「当面の間、当該保険医療機関において2名以上(常勤医師が1名のみの場合は1名以上)の常勤医師が電子処方箋を発行できればよい。」とあるが、当該常勤医師が院外処方を行う場合には、常に電子処方箋を発行する必要があるのか。
(答) 「疑義解釈資料の送付について(その4)」(令和8年4月21日事務連絡)の別添1の問1にあるとおり、院外処方を行う場合には、原則として、電子処方箋を発行し、又は引換番号が印字された紙の処方箋を発行し処方情報の登録を行っていればよい。
(参考)「疑義解釈資料の送付について(その7)」(令和8年5月29日事務連絡)別添1
問3「A000」電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準に「電子処方箋を発行する体制又は調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制」とあるが、当該保険医療機関の全ての医師が電子処方箋システムを利用できる体制が必要となるか。
(答) 原則として、当該保険医療機関において処方を行う医師全員が電子処方箋を発行できること。ただし、当面の間、当該保険医療機関において2名以上(常勤医師が1名のみの場合は1名以上)の常勤医師が電子処方箋を発行できればよい。なお、処方を行う医師であって、電子処方箋を発行できない者は引換番号付き紙処方箋を処方すること。
【指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について】
問1 「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」の改正により、「訪問看護ステーションは、他の事業者又はその従業員に対して、利用者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業及び後期高齢者医療制度の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、利用者が自己の訪問看護ステーションにおいて指定訪問看護を受けるように誘引してはならない。」とされたが、趣旨如何。
(答) 訪問看護ステーションが、他の事業者又はその従業員に対して、利用者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業及び後期高齢者医療制度の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、利用者が自己の訪問看護ステーションにおいて指定訪問看護を受けるように誘引することは、
・特定の訪問看護ステーションへの利用者誘導につながる蓋然性が高く、利用者が訪問看護ステーションを自由に選択できる環境を損なうおそれがあること
・利用者を経済上の取引の対象としており、訪問看護ステーションによる過剰な指定訪問看護の実施につながり、指定訪問看護そのものや保険財源の効果的・効率的な活用に対する国民の信頼を損なうおそれがあること
等の問題がある。
訪問看護ステーションは利用者が、本人の意思に基づいて自由に選択できるものである必要があり、また、健康保険事業の健全な運営を確保する必要があること等から、今般の改正において、訪問看護ステーションが、他の事業者又はその従業者に対して、利用者を紹介する対価として、紹介料等の経済上の利益を提供することにより、患者が自己の訪問看護ステーションにおいて指定訪問看護を受けるように誘引することを禁止したものである。
問2 「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」の改正により、紹介業者等への利用者を紹介する対価として紹介料を支払うことが禁止されたが、禁止行為に該当するかどうかについて、どのような基準で判断されるのか。
(答) 今般の改正により、基本的には、
①訪問看護ステーションが、他の事業者又はその従業員に対して、経済上の利益の提供を行うこと
②①を利用者紹介の対価として行い、利用者が自己の訪問看護ステーションにおいて指定訪問看護を受けるように誘引すること
のいずれにも該当する場合は、禁止行為に該当すると判断される。
①については、利用者紹介の対価として、経済上の利益が提供されているか否かで判断されるものである。
利用者紹介とは、訪問看護ステーションと利用者を引き合わせることであり、訪問看護ステーションに利用者の情報を伝え、利用者への接触の機会を与えること、利用者に訪問看護ステーションの情報を伝え、利用者の申出に応じて、訪問看護ステーションと利用者を引き合わせること等も含まれる。利用者紹介の対象には、集合住宅・施設の入居者だけでなく、戸建住宅の居住者もなり得るものである。
経済上の利益とは、金銭、物品、便益、労務、饗応等を指すものであり、商品又は労務を通常の価格よりも安く購入できる利益も含まれる。経済上の利益の提供を受ける者としては、利用者紹介を行う仲介業者又はその従業者、利用者が入居する高齢者住まい等の集合住宅・施設の事業者又はその従業者等が考えられる。
禁止行為に該当すると判断されることを避ける意図をもって、外形的には、経済上の利益の提供を利用者紹介の対価として明示しないことも予想される。例えば、指定訪問看護の広報業務、指定訪問看護の際の車の運転業務等の委託料に上乗せされている場合等も考えられ、契約書上の名目に関わらず、実質的に、利用者紹介の対価として、経済上の利益が提供されていると判断される場合は、①に該当するものとして取り扱うものである。
このため、訪問看護ステーションが支払っている委託料・貸借料について、利用者紹介の対価が上乗せされていると疑われる場合は、当該地域における通常の委託料・貸借料よりも高くはないこと、社会通念上合理的な計算根拠があること等が示される必要がある。
また、利用者紹介を受けており、訪問看護ステーションが支払っている委託料・貸借料について、訪問看護療養費の一定割合と設定されている場合は、実質的に、利用者紹介の対価として支払われているものと考えられる。同様に委託料・貸借料について、利用者数に応じて設定されている場合は、業務委託・貸借の費用と患者数が関係しており、社会通念上合理的な計算根拠があること等が示される必要がある。
②については、①により、利用者が自己の訪問看護ステーションにおいて指定訪問看護を受けるように誘引しているか否かで判断されるが、訪問看護ステーションが、①により対価を支払い利用者の紹介を受けて、当該利用者の指定訪問看護を行っている場合は、基本的には、②に該当するものと考えられる。
一方、訪問看護ステーションを併設する高齢者向け住まい等が、紹介業者等に経済上の利益を提供し利用者の紹介を受けていたとしても、利用者が訪問看護ステーションを自由に選択でき、実際に、例えば併設の訪問看護ステーションではない他の訪問看護ステーションを利用する利用者が複数いる場合には、高齢者向け住まい等に併設する訪問看護ステーションで指定訪問看護を受けるように誘引していたとはいえない場合もある。このような場合には、金品を提供した事実だけでなく、利用者の誘引につながる恐れがあるか否かについて、高齢者住まい等や訪問看護ステーションによる説明書や同意書の内容、当該訪問看護ステーションと他の訪問看護ステーションを利用する利用者の人数等を総合的に勘案する必要がある。
問3 高齢者向け住まい等の集合住宅の入居要件として、併設された訪問看護ステーションから指定訪問看護を受けることを入居者に求め、当該訪問看護ステーションが入居者の個別の状況や必要性を踏まえずに指定訪問看護を行うことは、健康保険法上、認められるのか。
(答) 高齢者向け住まい等の集合住宅の入居要件として、特定の訪問看護ステーションの指定訪問看護を受けることを入居者に求め、訪問看護ステーションが入居者の個別の状況や必要性を踏まえずに指定訪問看護を行うことについては、「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」の第14条において「指定訪問看護は、利用者の心身の特性を踏まえて、利用者の療養上妥当適切に行い、日常生活の充実に資するようにするとともに、漫然かつ画一的なものとならないよう、療養上の目標を設定し、計画的に行われなければならない」とされていること、訪問看護ステーションは利用者が自由に選択できるものである必要があること等から、あってはならないものである。
引用:疑義解釈資料の送付について(その8)(厚生労働省HP)
厚生労働省より公開された資料に合わせて、PT-OT-ST.NETの診療報酬改定特設サイトも情報掲載を進めています。制度改定に向けた準備にご活用ください。