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2026.09.18

【介護報酬改定】退院当日の訪問リハ、低頻度の評価・指導に報酬を要望【全国リハ医療協議会】



厚生労働省は9月16日、令和9年度介護報酬改定に向け、医療系サービスの関係団体や中山間・人口減少地域の自治体、事業者からヒアリングを実施しました。

今回は、日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病院・施設協会、全国デイ・ケア協会、日本訪問リハビリテーション協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会など9団体で構成する、全国リハビリテーション医療関連団体協議会(全国リハ医療協議会)も意見陳述を行いました。

全国リハ医療協議会は、「誰でも」「いつでも」「どこで暮らしていても」「適切な」リハビリテーションを受けられる体制の構築を掲げ、通所・訪問リハビリテーションの基本報酬引き上げ、退院・退所当日の訪問リハ、長時間の移動・送迎に対する評価など、計17項目を要望しました。

生活期リハビリテーションの提供内容を標準化・可視化する必要性も示した一方、その内容やアウトカムを報酬評価に直接結びつけることには慎重な考えを示しました。



リハビリテーション専門職の「処遇改善」「専門技術の評価」を要望 令和9年度介護報酬改定へ【リハ協議会】

2026.09.16


通所・訪問リハの基本報酬引き上げを要望

全国リハ医療協議会が強く求めたのが、物価や運営コストの上昇を踏まえた基本報酬の引き上げです。

資料によると、平成27年から令和6年までに消費者物価指数は14.8%上昇しました。一方、平成24年度と令和6年度の単位数を比較すると、訪問リハビリテーション費は1.0%、通常規模型の通所リハビリテーション費は7.8%の伸びにとどまっています。



委託費や光熱費、燃料費などの運営コストも増加する中、令和7年度介護事業経営概況調査では、全介護サービス平均で、赤字の施設・事業所の割合は37.5%であることが示されました。介護老人保健施設では49.3%に上り、全サービスの中で最も高い割合となっています。



全国リハ医療協議会は、事業所経営を安定させ、リハ専門職などの賃上げに確実につなげるため、訪問リハビリテーション費と通所リハビリテーション費の引き上げを要望。物価高騰への対応分については、ほかのサービス利用を圧迫しないよう、要介護度別に定められた介護保険サービスの利用限度額(区分支給限度基準額)の対象外とすることも求めました。

老健については、在宅復帰機能が高く、リハ専門職を手厚く配置する強化型・超強化型施設の報酬を引き上げるよう要望しました。地域貢献活動や外部事業所への専門的支援、通所・訪問リハ事業所の併設についても、さらなる評価を求めています。




退院当日の訪問リハ、低頻度の評価に報酬を

退院・退所直後や利用者の状態が不安定な時期に、必要なリハビリテーションを提供するための評価も提案しました。

その一つが、専門職による「適時適切な評価・指導」に対する新たな報酬です。

地域活動や他サービスの利用によって生活を維持できている人の中には、継続的・高頻度の通所リハまでは必要としない一方、リハビリテーション専門職による定期的な評価が必要な人もいます。専門職が関与することで、心身機能の低下や状態悪化を早期に発見し、ケアマネジャーや主治医と連携して必要なサービスにつなげることができます。

しかし、低頻度の利用でも、詳細なアセスメント、リハビリテーション会議、計画書の作成などに時間を要します。全国リハ医療協議会は、「現行報酬は利用回数に依存するため、評価やマネジメントの負担に対して報酬が低く、事業所が受け入れをためらう場合がある」と指摘しました。

そこで全国リハ医療協議会は、ケアマネジャーが必要と判断した利用者に対し、通所リハ事業所で身体機能、ADL・IADL、地域活動への参加状況などを評価し、結果をケアマネジャーと主治医へ提供した場合の新たな加算を提案しました。



退院・退所当日の訪問リハビリテーションについても、算定を認めるよう求めました。

現行制度では、退院・退所日は医療機関や施設でリハビリテーションの費用を算定できることから、介護保険による訪問リハビリテーション費を算定できません。一方、訪問看護では、主治医が必要と認めた場合の退院当日の訪問が認められ、令和6年度改定では初回加算(Ⅰ)が新設されています。

全国リハ医療協議会は、自宅の療養環境を早期に整え、退院時共同指導の内容を速やかに反映するため、主治医が必要と認めた場合には、退院・退所当日にリハビリテーション専門職が訪問できるよう要望しました。

また、通所・訪問リハの退院時共同指導加算について、医療機関からの退院だけでなく、老健などからの退所前カンファレンスも対象とするよう求めました。


移動・送迎、リハ3職種配置やケアマネとの連携も評価へ

通所リハビリテーションの送迎や訪問リハビリテーションの移動にかかる負担も、報酬上で適切に評価するよう求めました。

全国リハ医療協議会によると、通所リハの送迎や訪問リハの移動には、片道30分から1時間以上を要するケースがあります。しかし、訪問リハでは移動時間がサービス提供時間に含まれず、通所リハの送迎も基本報酬に含まれているため、距離や時間に伴う負担が報酬に反映されにくい構造となっています。

これらは中山間地域に限らず、都市部の渋滞や、サービスの少ない地域への広域送迎でも生じる課題として指摘されています。全国リハ医療協議会は、訪問・送迎への対応として加算の拡充または基本報酬による新たな評価を設け、区分支給限度基準額の対象外とするよう提案しました。

同日の自治体・事業者からの意見陳述でも、島根県は、中山間地域では住家が点在し、自動車による訪問や長距離の送迎が避けられないと説明しました。県内では、距離や移動時間に応じて訪問・送迎費用を独自に補助する市町村もあり、移動コストが介護サービスに共通する課題として示されました。



このほか全国リハ医療協議会は、通所・訪問リハの提供体制や運営について、次のような見直しを求めました。

  • PT・OT・STの配置や居宅訪問、地域活動への協力実績などに応じた通所リハの区分を設ける
  • リハビリテーションマネジメントを基本報酬に組み込む
  • 訪問リハでPT・OT・STの3職種を配置する事業所を評価
  • 生活行為向上リハビリテーション実施加算の要件を柔軟化
  • 介護予防通所リハと総合事業の通所型サービスを併用できることを明文化
  • 生活機能向上連携加算の連携対象となる施設の拡大
  • 特養や居住系サービスで、医療機関の専門職による評価や助言を受けられる体制を評価

居宅介護支援については、退院・退所直後や要介護度が悪化した際、ケアマネジャーが通所・訪問リハを積極的に提案し、必要に応じて事業所の見学などを調整することを、退院・退所加算の要件や上位区分として評価するよう提案しました。

全国リハ医療協議会の提出資料では、回復期リハ病棟を退院した患者の約3分の2にリハビリテーションサービスが導入されていなかったとの調査結果も示されました。

意見交換で濵田委員(日本介護支援専門員協会副会長)が要望の具体的な考え方を尋ねたのに対し、全国リハ医療協議会は、医療機関側には介護保険リハの提案や紹介が求められるようになった一方、受け手となるケアマネジャー側の評価が連動していないと説明。ケアマネジャーがリハを提案する取り組みへの評価が必要との考えを示しました。


アウトカムの報酬直結には慎重姿勢

全国リハ医療協議会は、生活期リハの質を高めるため、実際に提供した訓練や環境調整、本人・家族への指導などを標準化・可視化することも提案しました。

訓練手法や評価尺度を共通の定義で記録し、計画、目標、提供内容、評価をつなげて振り返ることで、個別支援の改善や多職種間の情報共有、科学的検証に活用する考えです。一方、現場の入力負担に配慮し、訓練内容やアウトカムを報酬評価に直接結びつけないことも留意点として示しました。

意見交換では伊藤委員(健康保険組合連合会常務理事)が、アウトカムを報酬評価に直結させないとした理由を質問しました。

全国リハ医療協議会は、生活期リハのアウトカムには、生活環境、家族との関わり、加齢、併存疾患など、リハビリテーション以外のさまざまな要因が影響すると説明。アウトカムを報酬に直接結びつけると、数値上の改善だけを求めるサービスとなり、本人が望む生活につながらない可能性や、不適切な評価を招く危険性があるとの考えを示しました。

提供内容を標準化・可視化し、質の向上に活用することは重要とする一方、報酬評価とは分けて考える必要があるとしています。

引用・参考
第267回社会保障審議会介護給付費分科会(厚生労働省HP)

 ・【資料3】全国リハビリテーション医療関連団体協議会

 ・【資料8】島根県


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介護給付費分科会 全国リハビリテーション医療関連団体協議会 通所リハビリテーション 訪問リハビリテーション
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