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2026.10.08

【介護報酬改定】介護関係17団体が官房長官に要望書 基本報酬の引き上げ求める|リハ職は賃上げ最低水準



全国老人保健施設協会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会など介護関係17団体は、10月6日、木原稔内閣官房長官に「令和9年度介護報酬改定に向けた要望書」を提出しました。

要望書では、基本報酬の十分な引き上げ、全産業と遜色のない賃金水準に向けた毎年の賃金改善、物価上昇によるコスト増への対応の3点を求めました。

翌10月7日には、17団体が発起団体となり、都内で「介護現場を守る集会」が開催され、同じ3項目を盛り込んだ決議文を採択し、17団体が9月に実施した緊急調査の速報結果も公表されました。


要望書の3項目

要望書では、介護現場が深刻な人材不足に加え、物価・光熱水費等の高騰や賃金上昇への対応という厳しい状況にあると指摘。

介護事業は公定価格を基本に運営されているため、環境変化への対応には限界があり、サービスの安定的な提供に影響が生じかねないと提起し、令和9年度介護報酬改定に向け、必要な措置と十分な財源の確保を求めました。

物価については、物価動向を踏まえた毎年の対応と、前回改定以降のコスト増への対応・支援を求めています。




介護分野の賃上げ率3.93%、全産業の5.01%に届かず

17団体は「【緊急!】介護分野の幅広い職種の賃上げ及び介護事業所の経営状況等調査」を令和8年9月10日から9月28日にかけて実施し、その速報値を公表しました(回答数1,445件、8,219事業所分)。

賃上げ率は3.93%(ベア分2.48%)で、前年度の3.01%(同1.63%)を上回りましたが、全産業(春闘)の5.01%には届いていない現状が報告されました。

賃上げの状況については、令和8年度の臨時改定により賃上げは進展したが、全産業には届いていないことから「来年の介護報酬改定の対応が極めて重要」と提言しました。



厚生労働省の統計調査をもとにした資料では、令和7年の介護職員の賞与込み給与は月31.4万円であり、全産業平均(役職者抜き)の39.6万円と8.2万円の差がある現状が示されました。

職種別の賃上げ額も報告され、リハビリテーション専門職は、賃上げ額、ベア分ともに7職種の中で最も低い水準という結果でした。




約6割の事業所が赤字、基本報酬据え置きなら「3年耐えられない」58.0%

令和8年6月時点の経営状況では、介護サービス全体で赤字事業所が56.0%に上ることが調査結果より示されました。

令和7年度補正予算や令和8年度の臨時改定で物価上昇分をカバーできているかを尋ねた設問では、「カバーが不十分で収支悪化や赤字化を招いている」が78.9%、「全くカバーできておらず、事業の一部縮小・休止を余儀なくされている」が10.8%であり、「ほぼカバーできている」は10.3%にとどまりました。

次期改定で基本報酬の引き上げがない場合の見通しについては、「他事業の補填や借入がなければ3年耐えられない」が58.0%、「1〜2年以内に事業縮小を検討」が10.7%、「1〜2年以内に廃業・撤退またはM&Aを検討」が3.8%という厳しい現状が報告されました。



処遇改善加算の加算率引き上げがない場合の賃上げについては、「自己資金での賃上げは限界」が66.3%、「定期昇給や賞与の維持すら困難」が31.0%という結果でした。

17団体は、全国的に深刻な人材不足や止まらない物価高などで経営環境が厳しさを増している現状を報告し、必要な介護サービスを将来にわたり安定的かつ継続的に提供できる体制を確保を強く求めました。


「STOP!介護崩壊」集会で決議文を採択

翌7日、介護関係17団体が企画した「介護現場を守る集会」では、「STOP!介護崩壊 〜介護を守る。働く人を守る。暮らしを守る。〜」を掲げ、来年度の介護報酬改定に向けた決議文が採択されました。

決議文では、介護を必要とする人、その家族、介護に携わるすべての人々が安心して暮らし、働き続けられるよう、要望書と同じ3項目の実現に向けて必要かつ十分な財源の確保を国に強く求めました。

引用・参考
■ 令和9年度介護報酬改定に向けた要望書(全国老人保健施設協会)

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