令和8年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料等について、リハビリテーション実績指数の基準をはじめとする見直しが行われました。
これに伴って設けられていた経過措置のうち、回復期リハビリテーション病棟入院料1と特定機能病院リハビリテーション病棟入院料については令和8年7月31日で経過措置が終了し、8月1日から新しい基準が適用されます。
8月1日以降も引き続きこれらの入院料を算定する場合には、改めて届出(届出直し)が必要であり、その提出期限が目前に迫っています。
届出提出、8月12日(水)必着
対象となるのは、令和8年3月31日時点で次の入院料の届出を行っていた病棟です。
- 回復期リハビリテーション病棟入院料1
- 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料
いずれもリハビリテーション実績指数の基準が変更されたことに伴うもので、8月1日以降も引き続き算定する場合に限り届出が必要とされています。届出に必要な様式は、
別添7および別添7の様式49のみです。届出書の提出期限は、令和8年8月12日に設定されています。8月12日までに届出書が提出され、同月末日までに要件審査を終えて届出が受理された医療機関については、8月1日に遡って算定することができるとされています。
なお、すでに新しい基準の要件を満たしたうえで届出を済ませている場合は、改めての届出は不要です。
そもそも「経過措置」とは
令和8年度改定では実績指数の基準の引き上げなどが行われましたが、医療機関がすぐに新しい基準へ対応するのは容易ではありません。そこで、一定期間は新基準を満たしていなくても算定を続けられる猶予として、経過措置が設けられていました。
具体的には、令和8年3月31日時点で回復期リハビリテーション病棟入院料1(または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料)の届出を行っていた病棟については、令和8年7月31日までの間に限り、引き上げ後の実績指数などの新しい基準を満たしているものとみなす、という扱いです。
つまり、実際には新基準を満たしていなくても、7月31日までは従来どおり算定できていました。この猶予が7月31日で終了し、8月1日からは完全に新基準が適用されます。
そのため、8月1日以降も引き続き算定するには、実際に新基準を満たしたうえで、改めて届出を行う必要があります。
経過措置は「2段階」に分かれている
リハビリテーション実績指数などの見直しに係る経過措置は、対象によって終了時期が2段階に分かれています。
- 8月1日適用:回復期リハビリテーション病棟入院料1、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料(7月31日で経過措置終了)
- 10月1日適用:回復期リハビリテーション病棟入院料2・3・4(9月30日で経過措置終了)
まず直近に迫っているのが、8月1日適用に対する届出直しで、提出期限は8月12日必着です。
根拠となる通知と各厚生局の案内
今回の届出直しの根拠は、厚生労働省保険局医療課が発出した事務連絡
『「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」等における「第4 経過措置等」に掲げる施設基準の届出について』
(令和8年7月14日事務連絡)です。
この事務連絡は全国の地方厚生(支)局に向けて発出されており、各局のホームページでも案内が進んでいます。現場の実務においては、自院を管轄する厚生(支)局のページで最新の案内と様式をご確認ください。
北海道厚生局※
・
令和8年度診療(調剤)報酬改定に伴う関連資料等について東北厚生局
・
令和8年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて関東信越厚生局
・
令和8年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて東海北陸厚生局・
令和8年度診療報酬改定において経過措置が設けられた施設基準の取扱いについて(令和8年7月31日までの経過措置)近畿厚生局
・
令和8年7月31日に経過措置の期限が到来する施設基準に係る届出について中国四国厚生局・
令和8年度診療報酬改定について 4 経過措置等の取扱いについて四国厚生支局・
令和8年度通知 令和8年度診療報酬改定関係
九州厚生局
・
令和8年度診療報酬改定において経過措置等を設けられた施設基準の取扱いについて(令和8年8月1日以降の算定に当たり届出が必要なもの)※記事掲載時点で、北海道厚生局HPに今回の届出に関する具体的な資料の掲載は確認できず
次の期限は9月末|入院料2・3・4も対象に(10月1日以降)
回復期リハビリテーション病棟入院料2・3・4については、経過措置が令和8年9月30日で終了します。10月1日以降も引き続き算定する場合には、新しい基準を満たしたうえで届出を行う必要があります。
特に、これまで実績指数の下限がなかった入院料2・4では、今回はじめてアウトカム(実績指数)への対応が必要になります。これまで実績指数を施設基準として管理する必要がなかった病棟ほど、9月末までの準備負担が大きくなると考えられます。
なお、入院料2・3・4に関する届出の具体的な提出期限は、本記事の執筆時点(令和8年7月末)では示されていません。
8月1日適用と同様に、厚生労働省保険局医療課から改めて取りまとめの事務連絡が発出され、そこで期限が示される見込みです。
対象となる病棟は、今後公表される提出期限をあらためて確認する必要があります。
間違えやすいポイント
- 8月12日は「入院料1・特定機能病院リハ」の期限です。入院料2・3・4には当てはまりません。
- 新しい実績指数の基準が施設基準として完全に適用されるのは、入院料1・特定機能病院リハビリテーション病棟入院料が8月1日から、入院料2・3・4が10月1日からです。
- 入院料1の届出に必要な実績指数42以上と、新設された回復期リハビリテーション強化体制加算(80点/日、入院料1のみ)の要件である実績指数48以上は別のものです。混同しないよう注意が必要です。
経過措置の終了、届出直しの確認を
まずは、令和8年3月31日時点で回復期リハビリテーション病棟入院料1・特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を届け出ていた病棟が、8月1日以降も算定を続けるかどうかを確認し、続ける場合は新基準を満たしたうえで8月12日必着で届出直しを行うことが当面の対応です。
あわせて、入院料2・3・4を届け出ている病棟は、9月30日で経過措置が終了することを見据え、実績指数や提供体制などの準備を早めに進めておくことが望まれます。
引用・参考
■ A308 回復期リハビリテーション病棟入院料(1日につき)(PT-OT-ST.NET 令和8年診療報酬改定 特設サイト)
■ 回復期リハビリテーション病棟入院料等の評価体系及び要件の見直し【Ⅱ-1-1-⑩】(PT-OT-ST.NET 令和8年診療報酬改定 特設サイト)
■ 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号)(厚生労働省HP)
■ 04_令和8年度診療報酬改定の概要 4.包括期・慢性期入院医療(厚生労働省HP)
■ 地方厚生(支)局
・北海道厚生局
・東北厚生局
・関東信越厚生局
・東海北陸厚生局
・近畿厚生局
・中国四国厚生局
・四国厚生支局
・九州厚生局