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2026.07.01

【政府】「骨太の方針2026」原案、リハビリテーションを「攻めの予防医療」に位置づけ 処遇改善やAI活用も焦点に



6月30日、経済財政諮問会議にて「経済財政運営と改革の基本方針2026」、いわゆる「骨太の方針2026」の原案が示され、リハビリテーションは「攻めの予防医療」に位置づけられました。

「骨太の方針」は、政府の経済財政政策の基本方針を示す文書で、翌年度予算の編成や中長期的な制度改革の方向性に影響を与えるものです。今回示されたものは原案であり、今後の調整を経て閣議決定される見通しです。

今回の原案では、「強い経済」の実現と「財政の持続可能性」の両立を掲げ、これまでの経済財政運営からの転換を図るとしています。 令和9年度予算については、「責任ある積極財政元年」と位置づけられ、危機管理投資や成長投資を重視する方針が示されました。

医療・介護・障害福祉分野についても、物価・賃金の変動への対応、処遇改善、DX/AXによる生産性向上、地域医療構想を踏まえた医療機関の連携・再編・集約化などが盛り込まれました。

AXとは、AIトランスフォーメーションの略称で、AIの活用を前提に社会や産業のあり方を変革していく考え方を指します。原案では、医療・介護・障害福祉分野においても、DXに加えてAX等を通じた生産性向上や職員配置の柔軟化を進める方針が示されました。


「攻めの予防医療」にリハビリテーションを位置づけ

リハビリテーションに関する記載として注目されるのは、「攻めの予防医療と疾病対策」の項目です。

原案では、国民のWell-being向上と健康寿命の延伸を図るため、「攻めの予防医療」を推進するとした上で、健康増進、疾病予防、早期発見、早期介入に関係機関が連携して取り組む方針が示されました。

その中で、生活習慣病等の予防、認知症の早期診断・早期対応、PHRの利活用などと並び、「予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション」を推進することが明記されました。

【厚労省】「攻めの予防医療」にリハビリテーションを明記|経済財政諮問会議

2026.05.26

骨太の方針におけるリハビリテーションの記載は、2022年に「リハビリテーションを含め予防・重症化予防・健康づくりを推進する」と明記されて以降、毎年継続して盛り込まれてきました。

2023年には「リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進」、2024年には「自立支援・社会復帰に資するリハビリテーション」、2025年には「自立支援・在宅復帰・社会復帰に向けたリハビリテーションの推進」や「効果的な介護予防やリハビリテーションの充実」が示されています。

今回の2026年原案では、リハビリテーションが「攻めの予防医療」の中に位置づけられ、予防、医療、介護をまたぐ切れ目のない支援として表現された点が特徴です。

医療機関内で完結するリハビリテーションにとどまらず、疾病予防、重症化予防、地域での生活支援、介護予防までを含めた役割が、原案の中で改めて示された形です。

骨太の方針に「リハビリテーション」明記

2022.06.09

「骨太の方針」リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携図る

2023.06.16

「骨太の方針2024」自立支援・社会復帰に資するリハビリテーションを推進【閣議決定】

2024.06.24

【閣議決定】「骨太方針2025」賃上げによる成長型経済の実現、リハビリテーションの充実など明記

2025.06.16


医療・介護・障害福祉分野では「処遇改善」と「生産性向上」を明記

医療・介護・障害福祉分野については、技術の発展と普及を支援し、DX/AX等による生産性向上と職員配置の柔軟化に向けた取組を進める方針が示されました。

DX/AXは、電子カルテや情報連携にとどまらず、AIやロボティクス、データ活用を通じて業務やサービス提供のあり方を見直す動きとして位置づけられます。今後、医療・介護現場においても、業務負担の軽減や業務分担・人員配置の見直しにつながる可能性があります。

あわせて、経営情報の見える化を進め、経営実態を把握した上で、物価と賃金の変動に適切に対応し、経営の安定と処遇改善を図るとの考えが明記されました。

次の介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定に向けては、介護・障害福祉分野の賃上げの状況や事業者の経営状況を把握した上で、物価の変動に適切に対応し、他職種と遜色のない処遇改善の実現を図る方針が示されました。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を含むリハビリテーション専門職にとっても、今後の報酬改定や人材確保策、職場環境改善の議論につながる重要な記載といえます。


地域医療構想、地域包括ケアの深化も継続課題に

提供体制については、2040年に向けて病床数の適正化を着実に実施した上で、2027年度以降の地域医療構想を踏まえ、医療機関の連携・再編・集約化を促進すると明記されました。

また、地域包括ケアシステムの深化を図り、地域の実情に応じた質の高い効率的な医療・介護サービス提供体制を構築する方針も示されました。

中山間・人口減少地域での柔軟な介護・障害福祉サービスの提供、介護・福祉分野の人材確保・定着、業務効率化や勤務環境改善、経営の協働化・大規模化への支援なども盛り込まれており、地域でのリハビリテーション提供体制にも影響する可能性があります。


今後の報酬改定・制度改正への反映に注目

今回の「骨太の方針2026」原案では、リハビリテーションが「攻めの予防医療」の一環として、予防・医療・介護を通じた切れ目のない支援として位置づけられました。

過去の骨太の方針では、リハビリテーションは予防・健康づくり、栄養・口腔との連携、自立支援・社会復帰、介護予防などの文脈で記載されてきました。今回の原案は、これらの流れを引き継ぎつつ、制度をまたいだ継続的なリハビリテーションの重要性をより明確にしたものといえます。

一方で、医療・介護・障害福祉分野では、処遇改善や経営安定への対応とともに、DX/AXによる生産性向上、職員配置の柔軟化、地域医療構想を踏まえた再編なども示されています。

今後、骨太の方針が最終的にどのような文言で閣議決定されるのか、また診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の議論にどのように反映されるのかが注目されます。

引用・参考:
経済財政運営と改革の基本方針2026(原案)(内閣府HP)

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