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2026.07.24

厚労省「攻めの予防医療」、リハビリを予防・医療・介護貫く重点領域に位置づけ



厚生労働省は7月23日、健康寿命の更なる延伸に向けた施策パッケージ「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~」を公表しました。

本プランでは、直ちに取り組むべき重点領域として次の6つが設定され、「リハビリテーション」も明記されました。

  • 栄養・食生活
  • がん・循環器病等
  • 歯科保健
  • 認知症
  • リハビリテーション
  • 性差に由来するヘルスケア

「リハビリテーション」については、「科学的分析を活用したリハビリテーションへの主体的な参加への支援」が掲げられ、新規事項としてポータルサイト等によるツールを用いた情報発信・普及啓発が盛り込まれました。

⑤リハビリテーション
高齢化が進む中において、リハビリテーションの重要性が増していることから、リハビリテーションについては、心身機能の向上のみならず、日常の生活動作の改善、社会参加の促進、国民の健康の増進にもつながるため、適切なサービスを切れ目なく提供する。



「攻めの予防医療」は、近年、政府が予防・健康づくりの分野で打ち出している方向性です。「骨太の方針2026」にも位置づけられており、これを厚生労働省関係の施策として具体化したのが本プランにあたります。

厚生労働省は、従来の予防施策が国民の自主的な行動変容の支援を中心としてきたのに対し、本プランでは「行政や保険者等による能動的な介入を強める」点に「攻め」の特徴があるとしています。

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リハビリテーション分野の現状と課題

厚生労働省は、2040年に向けて介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口が増加し、リハビリテーションや介護予防のニーズが増大するとの見通しを示しています。そのうえで、現状の課題として次の点を挙げています。

急性期における早期介入の遅れ
脳卒中等では早期のリハビリテーション開始が望まれるものの、急性期病棟では、休日前日に入院した患者において入院3日以内にリハビリテーションが開始される割合が低い


地域リハビリテーション活動における人手不足
住民主体の「通いの場」等を支援する「地域リハビリテーション活動支援事業」を実施していない市町村が約4分の1あり、その主な理由として「リハビリテーション専門職の人手不足」が挙げられる

「サービス・活動C」の実施状況の把握
本人の目標達成のための計画的な支援を保健医療専門職により提供する「サービス・活動C」について、実施状況と利用者の要介護度や心身機能の変化を把握することが重要

高齢者保健事業の「実施体制」の確保
地域資源が限られる中で、後期高齢者医療広域連合、都道府県、国民健康保険団体連合会、職能団体等による支援体制の強化を図っていくことが必要



それらの課題に対し、厚生労働省は「予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション」を推進するとの方針を示すとともに、以下について具体的に検討するとしています。

◯ 診療報酬改定による加算評価の効果を検証

・令和8年度診療報酬改定で「入院後のより早期や休日におけるリハビリテーションに対する加算評価」が充実された、その効果を今後検証し、質の高いリハビリテーションの評価を検討

◯ 介護(生活期)分野:地域既存事業の推進

・地域リハビリテーション活動支援事業による、住民主体の通いの場、地域ケア会議等へのリハビリテーション専門職等の関与の推進 ・生活機能が低下している高齢者を対象とした「サービス・活動C」(短期集中予防サービス)の推進 ・通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の介護保険サービスにおけるリハビリテーションの適切な評価とサービス提供体制の強化

◯ 障害保健福祉分野

・個々の障害特性に応じたリハビリテーション専門職等の活用を推進

◯ 疾病予防・健康増進

・「健康日本21」に基づく身体活動・運動の促進を通じて、国民の健康づくりを推進

◯ 【新規事項】主体的な参加を支援するポータルサイト

・リハビリの効果を引き出すには本人の理解と主体的な参加が欠かせないとの考えから、科学的分析をもとにポータルサイト等を作成


継続方針の整理と今後の焦点

本プランのリハビリテーション分野は、「予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション」という既定の方向性を改めて整理したものが中心で、新規事項はポータルサイト等の作成にほぼ限られます。医療分野の加算評価は改定で対応済み、生活期・障害分野の施策も既存事業の推進が主です。

リハビリテーションに関して本プラン単体で新たに打ち出された施策は限られ、多くは既存の取組の継続・推進にあたります。現場にとって意味のある変化が生じるかどうかは、今後の診療報酬・介護報酬改定や予算措置にかかっています。「推進」「強化」の具体的な中身は、そこで明らかになっていくとみられます。

一方で、予防・医療・介護をまたぐリハビリテーションの役割が、重点領域の一つとして国の政策文書に継続して位置づけられていること自体は、専門職の関与する場面が明示された点として押さえておく意味があります。この枠組みのもとで現場の実践がどう展開していくかが、今後の焦点となります。

引用・参考
「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~ : Understand, Exercise, Nourish and Optimize for Better Health」 を公表します(厚生労働省HP)

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