通則:第7部リハビリテーション
- リハビリテーションの費用は、特に規定する場合を除き、第1節の各区分の所定点数により算定する
- リハビリテーションに当たって薬剤を使用した場合は、前号により算定した点数及び第2節の所定点数を合算した点数により算定する。
- 第1節に掲げられていないリハビリテーションであって特殊なものの費用は、同節に掲げられているリハビリテーションのうちで最も近似するリハビリテーションの各区分の所定点数により算定する。
- 心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料については、患者の疾患等を勘案し、最も適当な区分1つに限り算定できる。この場合、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合であって、患者1人につき1日6単位(別に厚生労働大臣が定める患者については1日9単位)に限り算定できるものとする。
- 区分番号J117に掲げる鋼線等による直達牽引(2日目以降。観血的に行った場合の手技料を含む。)、区分番号J118に掲げる介達牽引、区分番号J118-2に掲げる矯正固定、区分番号J118-3に掲げる変形機械矯正術、区分番号J119に掲げる消炎鎮痛等処置、区分番号J119-2に掲げる腰部又は胸部固定帯固定、区分番号J119-3に掲げる低出力レーザー照射又は区分番号J119-4に掲げる肛門処置を併せて行った場合は、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料、がん患者リハビリテーション料、集団コミュニケーション療法料又は認知症患者リハビリテーション料の所定点数に含まれるものとする。
- 区分番号B001の17に掲げる慢性疼痛疾患管理料を算定する患者に対して行った心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションに係る費用は、算定しない。
- リハビリテーションは、適切な計画の下に行われるものであり、その効果を定期的に評価し、それに基づき計画を見直しつつ実施されるものである。
令和6年厚生労働省告示第54号
診療報酬の算定方法の一部を改正する告示
<通知> 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について
- リハビリテーション医療は、基本的動作能力の回復等を目的とする理学療法や、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした作業療法、言語聴覚能力の回復等を目的とした言語聴覚療法等の治療法より構成され、いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるものである。
- 第1節リハビリテーション料に掲げられていないリハビリテーションのうち、簡単なものの費用は、算定できない。
- 各区分におけるリハビリテーションの実施に当たっては、全ての患者の機能訓練の内容の要点及び実施時刻(開始時刻と終了時刻)の記録を診療録等へ記載すること。
- 「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料、「H002」運動器リハビリテーション料及び「H003」呼吸器リハビリテーション料(以下この部において「疾患別リハビリテーション料」という。)に掲げるリハビリテーション(以下この部において「疾患別リハビリテーション」という。)の実施に当たっては、医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、別紙様式21を参考にしたリハビリテーション実施計画書をリハビリテーション開始後原則として7日以内、遅くとも14日以内に作成する必要がある。また、リハビリテーション実施計画書の作成時及びその後(疾患別リハビリテーション料の各規定の「注5」並びに「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料及び「H002」運動器リハビリテーション料の「注6」にそれぞれ規定する場合を含む。)3か月に1回以上(特段の定めのある場合を除く。)、患者又はその家族等に対して当該リハビリテーション実施計画書の内容を説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。なお、リハビリテーション実施計画書の作成前に疾患別リハビリテーションを実施する場合には、医師が自ら実施する場合又は実施するリハビリテーションについて医師の具体的指示があった場合に限り、該当する疾患別リハビリテーション料を算定できる。また、疾患別リハビリテーションを実施している患者であって、急性期又は回復期におけるリハビリテーション料を算定する日数として、疾患別リハビリテーション料の各規定の「注1」本文に規定する日数(以下「標準的算定日数」という。)を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者(疾患別リハビリテーション料の各規定の「注5」並びに「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料及び「H002」運動器リハビリテーション料の「注6」にそれぞれ規定する場合を除く。)のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に掲げる患者であって、別表第九の九第一号に掲げる場合)は、継続することとなった日を診療録に記載することと併せ、継続することとなった日及びその後1か月に1回以上、FIMの測定により当該患者のリハビリテーションの必要性を判断するとともに、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又はその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付することとし、かつ、特掲診療料施設基準通知の「別添2」の「様式42の2」に基づき、当該疾患別リハビリテーション料を算定した患者の人数、FIM等について報告を行うこととする。なお、当該リハビリテーション実施計画書は、①〜④を示した継続の理由等を記載したものであること。
改善における継続理由:別表第九の八第一号、別表第九の九第一号の場合)
疾患別リハビリテーション料の各規定の「注5」並びに「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料及び「H002」運動器リハビリテーション料の「注6」にそれぞれ規定する場合とはいわゆる1月13単位に限り必要があって標準的算定日数を超えてリハビリテーションを行った患者を意味します。
詳細解説はこちら 標準算定日数を超える場合のFIM等の報告についてのポイント
4の2 疾患別リハビリテーションを実施している患者であって、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者(疾患別リハビリテーション料の各規定の「注5」並びに「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料及び「H002」運動器リハビリテーション料の「注6」にそれぞれ規定する場合を除く。)のうち、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第二号に掲げる患者であって、別表第九の九第二号に掲げる場合)は、継続することとなった日を診療録に記載することと併せ、継続することとなった日及びその後3か月に1回以上、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又はその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。なお、当該リハビリテーション実施計画書は下記の①から③について記載したものであること。治療上有効の継続理由:別表第九の八第二号、別表第九の九第二号の場合)
なお、入院中の患者以外の患者に対して、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを提供する場合にあっては、介護保険による訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション又は介護予防通所リハビリテーション(以下「介護保険によるリハビリテーション」という。)の適用について適切に評価し、適用があると判断された場合にあっては、患者に説明の上、患者の希望に基づき、介護保険によるリハビリテーションを受けるために必要な手続き等について指導すること。4の3 同一の疾患等に係る疾患別リハビリテーションについては、1つの保険医療機関が責任をもって実施するべきであるが、言語聴覚療法に係る疾患別リハビリテーションについては、言語聴覚療法を実施できる保険医療機関が少ないことを考慮し、当分の間、別の保険医療機関において実施した場合であっても算定することができるものとする。また、「H007」障害児(者)リハビリテーション料については、その特殊性を勘案し、疾患別リハビリテーション料、「H007-2」がん患者リハビリテーション料又は「H007-3」認知症患者リハビリテーション料を算定している保険医療機関とは別の保険医療機関で算定することができるものとする。
4の4 リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション実施総合計画書(以下この項において「計画書」という。)については、計画書に患者自ら署名することが困難であり、かつ、遠方に居住している等の理由により患者の家族等が署名することが困難である場合には、疾患別リハビリテーションを当該患者に対して初めて実施する場合(新たな疾患が発症し、新たに他の疾患別リハビリテーションを要する状態となった場合であって、新たな疾患の発症日等をもって他の疾患別リハビリテーションの起算日として当該他の疾患別リハビリテーションを実施する場合を含む。)を除き、家族等に情報通信機器等を用いて計画書の内容等を説明した上で、説明内容及びリハビリテーションの継続について同意を得た旨を診療録に記載することにより、患者又はその家族等の署名を求めなくても差し支えない。ただし、その場合であっても、患者又はその家族等への計画書の交付が必要であること等に留意すること。
- 疾患別リハビリテーション料の点数は、患者に対して20分以上個別療法として訓練を行った場合(以下この部において「1単位」という。)にのみ算定するものであり、訓練時間が1単位に満たない場合は、基本診療料に含まれる。
- 届出施設である保険医療機関内において、治療又は訓練の専門施設外で訓練を実施した場合においても、疾患別リハビリテーションとみなすことができる。また、当該保険医療機関外であっても、以下の(1)から(4)までを全て満たす場合は、1日に3単位に限り疾患別リハビリテーションとみなすことができる。なお、訓練の前後において、訓練場所との往復に要した時間は、当該リハビリテーションの実施時間に含まない。また、保険医療機関外でリハビリテーションを実施する際には、訓練場所との往復を含め、常時従事者が付き添い、必要に応じて速やかに当該保険医療機関に連絡、搬送できる体制を確保する等、安全性に十分配慮すること。
- 疾患別リハビリテーション料は、患者1人につき1日合計6単位(別に厚生労働大臣が定める患者については1日合計9単位)に限り算定できる。当該別に厚生労働大臣が定める患者のうち「入院中の患者であって、その入院する病棟等において早期歩行、ADLの自立等を目的として「H000」心大血管疾患リハビリテーション料(I)、「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料(I)、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料(I)、「H002」運動器リハビリテーション料(I)又は「H003」呼吸器リハビリテーション料(I)を算定するもの」とは、訓練室以外の病棟等(屋外を含む。)において、早期歩行自立及び実用的な日常生活における諸活動の自立を目的として、実用歩行訓練・日常生活活動訓練が行われた患者であること。ただし、平行棒内歩行、基本的動作訓練としての歩行訓練、座位保持訓練等のみを行っている患者については含まれない。
- 疾患別リハビリテーション料は、患者の疾患等を総合的に勘案して最も適切な区分に該当する疾患別リハビリテーション料を算定する。ただし、当該患者が病態の異なる複数の疾患を持つ場合には、必要に応じ、それぞれを対象とする疾患別リハビリテーション料を算定できる。例えば、疾患別リハビリテーション料のいずれかを算定中に、新たな疾患が発症し、新たに他の疾患別リハビリテーションを要する状態となった場合には、新たな疾患の発症日等をもって他の疾患別リハビリテーションの起算日として、それぞれの疾患別リハビリテーション料を算定することができる。この場合においても、1日の算定単位数は前項の規定による。
- 疾患別リハビリテーションを実施する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、疾患名及び当該疾患の治療開始日又は発症日、手術日又は急性増悪(当該疾患別リハビリテーションの対象となる疾患の増悪等により、1週間以内にFIM又はBIが10以上(「難病の患者に対する医療等に関する法律」第5条第1項に規定する指定難病については5以上とする)低下するような状態等に該当する場合をいう。以下この部において同じ。)の日(以下この部において「発症日等」という。)を記載すること。また、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者(疾患別リハビリテーション料の各規定の「注5」並びに「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料及び「H002」運動器リハビリテーション料の「注6」にそれぞれ規定する場合を除く。)のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に掲げる患者であって、別表第九の九第一号に掲げる場合)は、以下の①から④を示した継続の理由を摘要欄に記載すること。
ただし、リハビリテーション実施計画書を作成した月にあっては、改善に要する見込み期間とリハビリテーション継続の理由を摘要欄に記載した上で、当該計画書の写しを添付することでも差し支えない。なお、継続の理由については、具体的には次の例を参考にして記載すること。
令和6年厚生労働省告示第54号
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
令和6年3月5日 保医発0305第4号