がん患者リハビリテーション料(1単位) 205点
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者であって、がんの治療のために入院しているものに対して、個別療法であるリハビリテーションを行った場合に、患者1人につき1日6単位まで算定する。
<通知> 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について
(1) がん患者リハビリテーション料は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において算定するものであり、がんの種類や進行、がんに対して行う治療及びそれに伴って発生する副作用又は障害等について十分な配慮を行った上で、がんやがんの治療により生じた疼痛、筋力低下、障害等に対して、二次的障害を予防し、運動器の低下や生活機能の低下予防・改善することを目的として種々の運動療法、実用歩行訓練、日常生活活動訓練、物理療法、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を組み合わせて個々の症例に応じて行った場合について算定する。なお、マッサージや温熱療法などの物理療法のみを行った場合には第2章特掲診療料第9部処置の項により算定する。
(2) がん患者リハビリテーション料は、対象となる患者に対して、医師の指導監督の下、がん患者リハビリテーションに関する適切な研修を修了した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が個別に20分以上のリハビリテーションを行った場合を1単位として、1日につき6単位に限り算定する。また、専任の医師が、直接訓練を実施した場合にあっても、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が実施した場合と同様に算定できる。
(3) がん患者リハビリテーション料の対象となる患者は、入院中のがん患者であって、以下のいずれかに該当する者をいい、医師が個別にがん患者リハビリテーションが必要であると認める者である。ア当該入院中にがんの治療のための手術、骨髄抑制を来しうる化学療法、放射線治療若しくは造血幹細胞移植が行われる予定の患者又は行われた患者イ在宅において緩和ケア主体で治療を行っている進行がん又は末期がんの患者であって、症状増悪のため一時的に入院加療を行っており、在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要なもの
(4) がん患者リハビリテーションを行う際には、定期的な医師の診察結果に基づき、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション計画を作成し、「H003-2」リハビリテーション総合計画評価料1を算定していること。なお、がん患者リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者又はその家族等に対して当該がん患者リハビリテーションの実施計画の内容を説明し、その要点を診療録等に記載する。なお、がんのリハビリテーションに従事する者は、積極的にキャンサーボードに参加することが望ましい。
(5) がん患者リハビリテーション料を算定している患者に対して、疾患別リハビリテーション料及び「H007」障害児(者)リハビリテーション料は別に算定できない。
<施設基準>
第47の2 がん患者リハビリテーション料
1 がん患者リハビリテーション料に関する施設基準
(1) 当該保険医療機関において、がん患者のリハビリテーションを行うにつき、十分な経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(がん患者のリハビリテーションを行うにつき、十分な経験を有する医師に限る。)を、第38の1の(11)の例により、専任の常勤医師数に算入することができる。十分な経験を有する専任の常勤医師とは、以下のいずれも満たす者のことをいう。
ア リハビリテーションに関して十分な経験を有すること。
イ がん患者のリハビリテーションに関し、適切な研修を修了していること。なお、適切な研修とは以下の要件を満たすものをいう。
(イ) 医療関係団体等が主催するものであること。
(ロ) 研修期間は通算して14時間程度のものであること。
(ハ) 研修内容に以下の内容を含むこと。
(a) がん患者のリハビリテーションの概要
(b) 周術期リハビリテーションについて
(c) 化学療法及び放射線療法中あるいは療法後のリハビリテーションについて
(d) がん患者の摂食・嚥下・コミュニケーションの障害に対するリハビリテーションについて
(e) がんやがん治療に伴う合併症とリハビリテーションについて
(f) 進行癌患者に対するリハビリテーションについて
(ニ) 研修にはワークショップや、実際のリハビリテーションに係る手技についての実技等を含むこと。
(ホ) リハビリテーションに関するチーム医療の観点から、同一の医療機関から、医師、病棟においてがん患者のケアに当たる看護師、リハビリテーションを担当する理学療法士等がそれぞれ1名以上参加して行われるものであること。
(2) 当該保険医療機関内にがん患者リハビリテーションを行うにつき十分な経験を有する専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士が2名以上配置されていること。なお、十分な経験を有するとは、(1)のイに規定する研修を修了した者のことをいう。また、専従する言語聴覚士がいる場合、第7部リハビリテーション第1節の各項目のうち専従の常勤言語聴覚士を求める別の項目について、別に定めがある場合を除き、兼任は可能であること。なお、当該保険医療機関において、疾患別リハビリテーション(心大血管疾患リハビリテーションを除く。)、障害児(者)リハビリテーション及びがん患者リハビリテーションが行われる時間が当該保険医療機関の定める所定労働時間に満たない場合には、当該リハビリテーションの実施時間以外に他の業務に従事することは差し支えない。また、第38の1の(12)の例により、専従の非常勤理学療法士、専従の非常勤作業療法士又は専従の非常勤言語聴覚士を常勤理学療法士数、常勤作業療法士数又は常勤言語聴覚士数にそれぞれ算入することができる。ただし、常勤換算し常勤理学療法士数、常勤作業療法士数又は常勤言語聴覚士数に算入することができるのは、常勤配置のうちそれぞれ1名までに限る。
(3) 治療・訓練を十分実施し得る専用の機能訓練室(少なくとも、内法による測定で100平方メートル以上)を有していること。なお、専用の機能訓練室に係る面積以外の規定は、第40の1の(3)の例による。
(4) 平成26年3月31日において、現に当該リハビリテーション料の届出を行っている保険医療機関については、当該機能訓練室の増築又は全面的な改築を行うまでの間は、(3)の内法の規定を満たしているものとする。
(5) 当該療法を行うために必要な施設及び器械・器具として、以下のものを具備していること。
歩行補助具、訓練マット、治療台、砂嚢などの重錘、各種測定用器具等
2 届出に関する事項
(1) がん患者リハビリテーション料の施設基準に係る届出は、別添2の様式43の2を用いること。
(2) 当該治療に従事する医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の従事者の氏名、勤務の態様及び勤務時間等を別添2の様式44の2を用いて提出すること。
(3) 当該治療が行われる専用の機能訓練室の平面図を添付すること。
令和6年度診療報酬改定について|厚生労働省
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)
令和6年3月5日保医発0305第6号
令和6年度診療報酬改定関連通知の一部訂正について|令和6年7月31日 事務連絡
関連する疑義解釈など
問195 「H003-2」リハビリテーション総合計画評価料は、多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画を作成し、これに基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った場合に算定することとされており、また、がん患者リハビリテーション・認知症患者リハビリテーションを行う際にリハビリテーション総合計画評価料を算定することとされているが、がん患者リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションの開始時であって、リハビリテーションの効果や実施方法について共同して評価を行っていない段階であっても、リハビリテーション総合計画評価料を算定できるのか。
(答) リハビリテーション総合計画評価料は、リハビリテーション総合実施計画に基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について多職種が共同して評価を行った時点で算定が可能となる。ただし、がん患者リハビリテーション料及び認知症患者リハビリテーション料を算定するにあたっては、評価実施前であっても、多職種が共同して総合実施計画書を作成した時点でリハビリテーション総合計画評価料を算定できる。なお、この場合において、リハビリテーション総合計画評価料の算定後7日以内にリハビリテーションの効果、実施方法等について多職種が共同して評価を行うこと。
なお、これに伴い、「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成30年3月30日事務連絡)別添1の問173は廃止する。
カテゴリ:がん患者リハビリテーション料、リハビリテーション総合計画評価料、認知症患者リハビリテーション料
通知日:令和06年03月28日